クリエイター支援プラットフォームを展開するPatreonは4月2日、ソニーミュージックおよびアマゾン傘下のWonderyとの提携を発表しました。Patreonは、コンテンツクリエイターがサブスクリプション収益を上げるためのプラットフォームを提供しています。
本提携により、両社が手がける人気ポッドキャスト番組がPatreon上で配信されるようになり、クリエイターとファンの新たな接点が設けられることになります。

引用元:Introducing our podcast network initiative, collaborating with select Sony and Wondery shows
人気番組がPatreonで続々配信開始
今回の提携によって、ソニーミュージックからは『This Is History』『Lipstick on the Rim』『Getting Better with Jonathan Van Ness』、Wonderyからは『Killer Psyche』『Scamfluencers』『Kurt Krömer – Feelings』といった話題作がPatreonで配信されます。
これらの番組は、Patreon内のサブスクリプション型メンバーシップを通じて配信され、ファンは限定エピソードや特典コンテンツなどにアクセスできるようになります。番組単位でのフォローはもちろん、複数番組をまとめて管理できるフィード機能なども順次展開予定です。
ポッドキャスト収益の「本拠地」へ
Patreonでは、過去1年間でポッドキャスターが670万人以上の有料会員を獲得し、収益は総額4億7,200万ドル(約730億円)を突破しました。これにより、ポッドキャストはPatreon内で最も収益性の高いカテゴリとなっています。
この成長を支えているのが、既存ファンとの強固な関係性と、Spotifyとの連携による新規ファン獲得の仕組みです。例えば「Synced Feeds」機能では、無料・有料エピソードを1つのSpotifyフィードに統合して表示できるため、リスナーの最大15%がPatreonの有料会員に登録するという成果も報告されています。
こうした機能により、番組の露出からファン化、収益化までを一元管理できる体制が整っており、Patreonはポッドキャスターにとってますます欠かせない存在となっています。
大手配信と個人制作者をつなぐ「ハイブリッド型」モデル
Patreonはもともと、個人クリエイターやインディペンデント系の支援プラットフォームとして発展してきました。今回の提携によって、“個人と大手企業の架け橋”となるハイブリッド型プラットフォームへと進化を遂げています。
さらに、単発販売機能(シリーズ単位の販売)やファン同士の交流を促進するコミュニティチャット、リアルイベント連携など、ファンとの関係構築を軸にしたエコシステムが拡充されています。
Patreonは、あらゆる規模のクリエイターにとって持続可能な創作活動の場を提供する“本拠地”として、今後も音声業界での存在感を高めていくことが期待されます。
Patreonとは
Patreon(パトレオン)は、アメリカ・サンフランシスコ発のクリエイター支援プラットフォームです。2013年にミュージシャンのジャック・コンテ氏と開発者のサム・ヤム氏によって設立され、月額課金や限定コンテンツの提供を通じて、クリエイターがファンから直接支援を受けられる仕組みを提供しています。ポッドキャストや音楽、アートなど幅広いジャンルで活用されています。
参照元:Introducing our podcast network initiative, collaborating with select Sony and Wondery shows
そろそろ業界マップがほしいな。