インターネットラジオの代表格である「ポッドキャスト」の魅力はどこにあるのか。その配信者であるポッドキャスターへのインタビュー連載「ポッドキャスターに聴く」。
第11回は、『WOMANSHIP-はたらく私たちのお悩みサミット-』(以下、WOMANSHIP)のパーソナリティである川口あいさんと中道薫さんに話を伺いました。
次世代の女性リーダー育成を目的に、ニュース発信やお悩み相談などで女性を中心に高い人気を得ている『WOMANSHIP』。ポッドキャストを始めた経緯や番組制作の裏側について伺いながら、音声メディアの魅力や今後実現したいことを語ってもらいました。
また、本記事はFM大阪にて放送中のラジオ番組『オトナル原口大輝のエスケープジャーニー』との連動記事となっています。
『WOMANSHIP』が語る音声メディアの魅力
本記事では、『WOMANSHIP』のパーソナリティである川口あいさんと中道薫さんに、ポッドキャストをはじめとする音声メディアの魅力を伺っていきます。
番組紹介:『WOMANSHIP』
『WOMANSHIP』は、NewsPicks for Weが送る、次世代を担う女性リーダーのためのポッドキャスト番組です。ジェンダーやキャリアに関するニュースやリスナーから寄せられる悩みについて、川口あいさん、中道薫さん、佐藤裕美さんの3人が発信しています。
話したことをそのまま配信できることがポッドキャストの良い点
──『WOMANSHIP』はどのような番組ですか?
中道:次世代の女性リーダーのためのポッドキャストと銘打っています。私たちが所属しているNewsPicksでは、女性エンパワーメントのためのプロジェクト「NewsPicks for We」というプロジェクトを実施しています。その発信の一環として、2022年10月にポッドキャストを始めました。
すでに活躍している女性リーダーや、今後リーダーを担う可能性のある若いビジネスパーソンに向けて、仕事に役立つニュースやジェンダー、キャリアに関する情報などを届けたいという思いで配信しています。

中道薫さん(左)と川口あいさん(右)
──ポッドキャストでの発信を選んだ理由を教えて下さい。
川口:もともと中道とは、中で、「何か新しいことをやりたいね」という話をしていました。ポッドキャストは中道が推していたのですが、記事や動画と違って、話したことをそのまま配信できるという点が良いなと感じました。
中道:私は以前からポッドキャストをよく聴いていて、いちリスナーとしてポッドキャストの盛り上がりを感じていました。NewsPicksとしてもポッドキャストを始めたいという思いは強かったと思います。
──普段は佐藤裕美さんを含む3人で配信されています。
中道:はい。当初は私と川口の2人で始めたのですが、途中で川口が産休に入り、その間は私と佐藤で配信していました。川口が戻ってからは3人体制で配信しています。
川口:私と中道は歳が近いのですが、佐藤は私たちよりも少し上です。3人が少しずつ違う視点を持っているという点もすごく良いなと思っています。
幅広く問題を捉える視点が大事
──『WOMANSHIP』の各エピソードのテーマ選定はどのようにしているのでしょうか?
川口:私たちの番組では、毎回ニュースを1本取り上げて、それについて話していく形をとっています。定期的に気になったニュースをSlackのチャンネルで各々がシェアして、収録前に何を話すかミーティングを行ってテーマを選定しています。
──リスナーからのお悩み相談も、番組の魅力だと感じます。
川口:ありがとうございます。サブタイトルに「お悩みサミット」と入れている通り、リスナーさんのお悩みに回答しているのですが、切実なお悩みがたくさん寄せられています。
中道:NewsPicksの利用者は首都圏在住の方が多いのですが、ポッドキャストでは地方在住の女性の声も多く寄せられている印象ですね。
──お悩み相談をはじめ、普段のトークの中で大事にしていることは何ですか?
川口:私たち自身がメディア側の人間なので、偏った視点のみでは発信しないよう心がけています。
お悩みで寄せられる問題に対しても、当事者に起因する話ではあるのですが、社会構造にも何か課題があるのではないかとなるべく幅広い視点から問題を捉えるようにしています。もちろん限界はあるし、私たち自身にもバイアスがあるので難しいのですが、できるかぎりファクトやデータを前提に喋ることを心がけています。
中道:ひとつの話題を語る時に、事前に改めて調べ直して、自分の中で「分かった気」になったまま喋らないようにすることを意識しています。また、たまにリスナーさんから「この横文字が分かりませんでした」と頂くことがあり、誰がいつ聴いても分かりやすいように喋るようにしています。
──番組づくりにあたって参考にした番組はありますか?
中道:私はもともとポッドキャストが好きで、特に『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」(以下、『OVER THE SUN』)』をよく聴いていました。自分でもこういう番組をやりたいと思っていましたね。
川口:私も『OVER THE SUN』や『歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO)』、『バイリンガルニュース (Bilingual News)』などを聴いていました。私たちのリスナーさんでも『OVER THE SUN』を聴いているという方が多いですね。
目標は武道館イベント
──リスナーが増えてきたタイミングなどはありましたか?
川口:『WOMANSHIP』は2022年10月に立ち上げたのですが、その翌年の3月に国際女性デーのタイミングでApple Podcastが女性やジェンダーに関する特集を組んでいました。『WOMANSHIP』も取り上げていただき、そのタイミングでリスナーさんが増えました。
中道:それ以来、国際女性デーのタイミングなどで様々なイベントにお声がけいただく機会なども増えましたね。
──リスナーとの交流イベントなども開催されているのでしょうか?
川口:たまに交流会のようなものを開催しています。みなさんでちょっと集まって軽食をとりながらお悩みを共有したりしています。
中道:主に私たちのオフィスのカフェスペースを使って開催していますね。
──最後に、今後の目標について教えてください。
中道:番組の中でも常々言っているのですが、武道館でイベントを行いたいです。そしてしっかり配信を続けていくことですね。配信を始めてから2年以上経ち、100回配信という節目も迎えることができました。これからもずっと配信を続け、リスナーさんの拠り所のような存在でありたいと思います。
川口:『WOMANSHIP』は次世代の女性リーダーのための番組と銘打っています。リスナーさんや私たちの知り合いの中から、次世代の女性リーダーとなる人たちに出演してもらうなど、スポットライトを当てる機会をつくっていきたいですね。
取材を振り返って
次世代の女性リーダーのため、ポッドキャストでの配信を行っている『WOMANSHIP』。テーマ選定やトークで気を付けていることなど、番組制作の裏側をじっくりと知ることができる取材でした。
インタビューはFM大阪にて放送中のラジオ番組『オトナル原口大輝のエスケープジャーニー』のポッドキャスト版で全編聴くことができます。ぜひお聴きください!
WOMANSHIP
連載「ポッドキャスターに聴く」では、今後もいろいろなポッドキャスターの方々にお話をお聞きしていく予定です。その他の記事も「ポッドキャスターに聴く」の一覧ページからチェックしてみてください。