AcastがSupercastと提携、ポッドキャスター向け収益化を加速へ

世界最大級の独立系ポッドキャスト企業であるAcastは、2025年4月、ポッドキャスター向けのサブスクリプションプラットフォームであるSupercastとの戦略的パートナーシップを発表しました。

AcastがSupercastと提携、ポッドキャスター向け収益化を加速へ | SupercastとAcastのロゴが並ぶ提携発表ビジュアル

引用元:acast.com

Acast+の終了とSupercastへの移行

今回の提携を受けて、Acastは独自のサブスクリプションサービス「Acast+」を段階的に終了し、Supercastへの移行を進める方針です。

ポッドキャスターはSupercastへの移行によって、従来のAcast+の機能に加え、広告なしのプレミアムフィードや限定コンテンツ、音声・ビデオ両対応の配信、リスナーとのコミュニティ形成といった、多彩な機能を利用できるようになります。

Acastによれば、Supercast経由で登録したポッドキャスターには、専任のクリエイターサポートや成長支援も用意されており、持続可能な収益モデルを構築する上での強力な後押しになるとしています。

Supercastとは?人気ポッドキャスト番組が続々導入中

Supercastは『Huberman Lab』『My Favorite Murder』『This American Life』といった人気番組でも採用されている、ポッドキャスター向けのサブスクリプションプラットフォームです。複数番組での一括課金や、柔軟な料金プラン設計、詳細な分析機能などが評価され、急速にユーザー数を拡大しています。

Supercast CEOのジェイソン・スー・ホイ氏は、今回の発表に際し、「Supercastを導入することで、サブスクリプション収益が2倍、3倍に成長した事例もある」と述べました。今回のAcastとの提携が、同様の成長をさらに加速させると期待感を滲ませています。

音声ビジネスにおける“サブスク化”の加速

ポッドキャスト市場では広告モデルに加えて、ダイレクト課金による収益確保が中長期的なトレンドとなりつつあります。今回のAcastとSupercastの提携は、まさにこの流れを象徴する動きといえるでしょう。広告モデルに依存せず、リスナーからの直接的な課金によって収益を得るサブスクリプションモデルは、クリエイターが自分のペースでビジネスを展開できるチャンスになります。ニッチなジャンルや、ロイヤリティの高いファンを抱える番組にとって、大きな武器になるでしょう。

今後は他の配信プラットフォームでも、収益分配モデルやツールの拡充が進むことが予想され、音声市場のエコシステム全体にとっても重要な転換点となるかもしれません。

Acast+とは

Acast+は、Acastが提供していたポッドキャスター向けのサブスクリプション機能で、広告なしの配信や限定コンテンツの提供を通じて、リスナーから直接収益を得ることを目的としたサービスです。クリエイターは独自の有料プランを設定でき、ファンとの関係を深めながら収益化を図ることができました。今回の提携により、Acast+は段階的に終了し、より高度な機能を備えたSupercastへの移行が推奨されています。

参照元:Acast Teams Up with Supercast to Help Podcasters Maximize Subscription Revenue

AMI(エイミー)

約9年続いたAcast+にも、お疲れ様と言いたい。