ラジオ放送やインターネットラジオなどで流れる音声の広告である音声広告。様々な内容の音声コンテンツがあり、この分野は今後大きく発展することが予想されています。しかし、一部では音声広告がユーザー体験を悪化させたり「うざい」と感じさせてしまうのではないかという懸念もあります。
今回は音声広告に関する様々な疑問に対して、調査データをもとに根拠立ててお答えしていければと思います。
デジタル音声広告とは何か
音声広告とは、ラジオやインターネットラジオ、ポッドキャスト、音楽配信サービスなどで流れる音声の広告を指します。
この中でも特に、以下への広告がデジタル音声広告と呼ばれています。
- radikoのようなインターネットラジオ
- ポッドキャスト
- Spotifyに代表される音楽配信サービスなどのデジタル音声メディア
近年、このデジタル音声広告への広告出稿が増加しているのです。
ラジオCMと異なる、デジタル音声広告の仕組み
1つのコンテンツに対して同じ内容を配信するラジオ広告と異なり、デジタル音声広告では用意された広告枠を聴取しているユーザーの属性や趣味嗜好に合わせて、広告の内容を差し替え配信します。
つまり、全員に同じ広告が届くわけではなく、それぞれの人に合わせた広告を届けることが可能となります。
デジタル音声広告ならではの特徴
デジタル音声広告の特徴は、ユーザーの属性や趣味嗜好に合わせて配信内容を変えるターゲティングができること、またスキップすることができないため、完全再生数が高く、確実に広告をユーザーに届けることができることが挙げられます。
また、音声広告は他の媒体の広告と比べて押しつけがましくなく、邪魔に感じにくいという事もわかっています。
詳しい内容は、オーディオアドとは?音声広告が実現する聴覚への新たなマーケティングより確認することができます。
様々な調査で明らかになる、音声広告への好意的な意見
1.スマートスピーカーの音声広告をきっかけに買い物をする人も
Adobe Systemsが米国で実施した調査により、スマートスピーカーの音声広告を受け入れる人が増えていることが明らかとなりました。スマートスピーカー所有者の72%は、1日に少なくとも1回はデバイスを使用しており、音声広告に関しては、25%が聞いたことがあると回答。
このうち、39%が音声広告をきっかけに購買経験があると回答しました。さらに、音声広告が耳障りかどうかについては、テレビやウェブ、SNSの広告よりも邪魔にならないという回答が43%と、前回の調査時よりも3ptアップしているとのことです。
参照元:Voice Ads Continue To Resonate, Set Tone For Commerce
2.他の媒体より“おしつけがましくない”と感じる人が多い
次は、The Infinite DIal 2023が行った米国のポッドキャストリスナーに関する調査です。
ポッドキャストなど音声メディアでの広告は「全くおしつけがましくない」と答える人が、YouTubeやテレビ広告と比較して高い結果となっています。これにより、音声広告は他の媒体と比較して、一方的な情報発信ではない、押しつけがましくない広告媒体として認知されていることがわかります。
3.音声広告は動画広告よりも「自分ごと化」されやすい
株式会社radikoからは、世界トップクラスの脳科学的知見と脳計測技術を有する株式会社NeUとの協力のもと、音声が記憶にもたらす影響を明らかにする実証実験について、驚くべき結果が発表されました。
実験結果によれば、音声広告は映像広告と比べて、次の3つの優位性が確認されたということです。
(1) 音声広告は映像広告よりも「自分に向けられた情報」「自分に合った情報」として情報を受け取る「自分ごと化」に関連する記憶領域の脳活動が高まる。
(2) 音声広告は映像広告よりも交感神経優位となり、より情報に注意が向いている状態になる。
(3) 音声広告は映像広告よりも「商品・サービス名」「広告のストーリー・内容」の記憶率や記憶維持率が高くなる。
音声広告が持つこの強みは、企業のマーケティング活動において効果的な広告手法の一つとなることが期待されています。
参照元:音声広告は映像広告と比べて記憶の維持率が高い!radiko、その理由を脳科学的実証実験で解明
一方、動画広告にはネガティブな意見も
動画広告へのユーザー意識について、株式会社ネオマーケティングによる「動画広告の接し方に関する調査」よりご紹介します。
広告をスキップするユーザーは全体の9割以上
動画広告を利用するユーザーのうち、スキップしているのは全体の9割以上であることが明らかとなりました。
また、広告についてのイメージ調査では全体の6割以上が「どちらかといえば嫌い」、「嫌い」と良くないイメージを持っていることがわかりました。
良くないイメージの理由として「本編の動画を邪魔される点」、「興味がない商品・サービスの広告が流れる点」や「何度も同じ広告が流れる点」などがあるようです。
67%のユーザーが動画広告の内容は自分向けではないと感じる
また、「観た動画広告の内容が【自分向けだと感じる】ことはどの程度あるか」という調査では「ほとんど感じない」という回答が全体の6割以上となりました。
今後の広告戦略において、興味の無い内容の広告は見たくないという声が多くある中で、“いかに自分向けの広告だと認識してもらえるか”が重要であるといえます。
参照元:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」
デジタル音声広告はユーザー負荷の低いメディアである
様々な調査結果から、デジタル音声広告は他の広告媒体に比べ、ユーザーへのマイナス感情が少なく、情報を受け取りやすい媒体であることが明らかになりました。これなら、「うざくない」媒体である、と判断してもいいのではないでしょうか。
音声広告について興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
“うざくない”広告「ホストリード」について
数ある音声広告の中でも、特に「うざい」と思われづらい広告として、ポッドキャスト広告におけるインフルエンサーマーケティング手法である「ホストリード(パーソナリティ読み上げ広告)」があります。米国で行われた調査では、ホストリード広告はナレーター読み上げの音声広告と比較して+91%高いブランドリフト効果が出るなど、高い効果が実証されています。
ホストリードについて、さらに詳しく学びたい方は【お役立ち資料】ホストリード広告の基礎をご覧ください。
また、ホストリードについて具体的な広告内容を知りたい方はPODCASTER PROMOTIONについてをご覧ください。