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アンビエントコンピューティングとは。VUIで始まるアンビエント社会

VUI

アンビエントコンピューティングとは、簡単に説明すると人間が意識することなく、コンピューターを操作することができることを指しています。IOTやユビキタスとも近い意味合いにある言葉です。イメージしやすい例えとすれば、昨今AmazonやApple、Googleが展開している音声アシスタントで照明を消したりエアコンを付けたりすることではないでしょうか?

アンビエントコンピューティングとは何か

IOT isometric concept. mobile app of smart home controls Internet of things via phone. House automation system technology.

アンビエントコンピューティング(Ambient computing)とは、IOT(モノのインターネット)を通じて情報の収集と操作を行いながら私達人間の指示に従うのはもちろん、指示を行わなくてもこれまでの行動パターンや予測機能により、デバイスやシステムを人間の代わりに操作する”コンピューター”を指します。

アンビエントコンピューティングか否かは、意識せずに操作することができ、コンピューターが私達のニーズを理解し、状況に応じてコンピュータが自分自身や他のWebサービスを操作したり、提案が行えるのがアンビエントコンピューティングと言って良いでしょう。

最近ではAppleHomeKit(ホームアプリケーション)で照明を消したり、エアコンを付けることや、スマートスピーカーで検索を行ったり、音楽を流したり、タクシーを呼ぶことができるようになってきました。
アンビエントコンピューティングはここから更に、家を出たら勝手に電気やエアコンが停止し、防犯装置が起動したりすることができる状態と言えます。

こういったハードウェアやソフトウェアを提供しているAppleやGoogle、Amazonはアンビエントコンピューティングを作ることを目指しており、人間とテクノロジーがより身近になるように研究を進めています。

 

アンビエントの意味

アンビエントの意味

アンビエント(Ambient)とは英語で「周囲の」「環境の」「取り巻く」という意味です。
これまでは環境音楽を意味するアンビエントミュージック(Ambient music)と使われることが多かった単語でもありました。

 

ユビキタスコンピューティングとの違い

アンビエントコンピューティングの意味を聞くとユビキタスコンピューティングを連想される方が多いようです。
ユビキタス (Ubiquitous)とは、いつでもどこにでも存在すること(遍在)を意味しています。そしてIOTが流行り始めた同時期にユビキタスと合わせてユビキタスコンピューティング(Ubiquitous computing)という言葉が多く言われたからかもしれません。

意味的には近く、周囲の環境に違和感なくコンピューターが溶け込んでいる世界観を意味します。

アンビエントコンピューティングとユビキタスコンピューティングの違いは、操作主体がコンピューターなのか人間なのかの違いです。

アンビエント社会とユビキタス社会の違い

アンビエント社会とユビキタス社会の違い

ユビキタスの意味するところは、いつでも、どこでも、誰でも、コンピューターを通してインターネットにつながることが当たり前の世界になることを意味しています。このような世界が一般的になったことをユビキタス社会と言います。

対してアンビエント社会は、いつでも、どこでも、誰でも、コンピューターを通してインターネットにつながり、人間の周囲にあるコンピューターが人間の操作を必要とせずに、自律的にサービス提供を行うことが浸透している世界を指しています。

ですので、ユビキタス社会が進んだ先にあるのがアンビエント社会とも言えます。

 

アンビエント社会とは?

アンビエントコンピューティングとアンビエントインテリジェンス

そもそもアンビエント社会という言葉が生まれたのは1990年台にフィリップス(Philips)が21世紀のコンピューターのための技術開発を目的としたプロジェクト「MIT Oxygen」(呼吸をするのと同じくらい簡単なコンピューターを作るという意味)を進める中でPalo Alto Venturesがフィリップスに向けて作成したプレゼンテーションの中で使われたとされています。

その中で、アンビエントインテリジェンス(Ambient Intelligence)という言葉も生まれました。直訳すると環境知能という意味になります。

このアンビエントインテリジェンスは言語の意味を理解し、コンピューターが人間と対話を行うことや、センサーを通して得た資格情報、購買記録や閲覧履歴等のビックデータから個人に最適化された提案や操作を行う知能を意味します。
一番イメージしやすいものとしては、ユーザーの購買記録からおすすめ商品を紹介したり、スマホの位置情報を利用して近くの店舗情報を通知するなどがあります。

AppleやGoogle、Amazon以外でも、NTTコミュニケーション科学基礎研究所やKDDIといった日本のIT企業もアンビエントコンピューティングの研究を行っており、この分野の注目度が伺えます。

スマートスピーカーとアンビエントコンピューティング

スマートスピーカー

アンビエントコンピューティングとスマートスピーカーはとても相性がいいと言えます。
いつでもどこでも、家の中にある様々なデバイスを、スマートスピーカーに搭載されている音声アシスタントに指示をだしてそれぞれの端末を触らずに操作することができるからです。人間はそれぞれの端末の操作を意識することなく、操作することができるのです。

そしてこれらを違和感なく行えるVUI(音声ユーザーインターフェース)があって初めて成立します。

現在発売されているGoogleHomeやAmazon echoと言ったスマートスピーカーを起点に家にある全てのものを操作できるようになってきています。

AlexaやAppleHomeKitではテレビを付けたり、電気を付けたり、そもそも音声アシスタントが搭載された家電までも販売されはじめてます。

すべてがスマートスピーカーで操作出来るようになり、そしていずれは私達に気づかないうちに必要なことを行ってくれる世界がやってくると言っても過言ではありません。

 

P&GがAlexa搭載家電の開発へ

Amazonは2018年9月20日に音声アシスタントAlexaが様々な電子機器に搭載できるように「Alexa Connect Kit(ACK)」を発表しました。
これによりメーカーはACKを組み込むだけで、音声操作が可能な製品を開発できるようになりました。
既にP&GはこのACKを採用することを発表しています。

そしてAmazonはこれを使ってスマート電子レンジ「AmazonBasics Microwave」を発表しています。

スマートスピーカーはアンビエントコンピューティングの入り口か

人間の周囲に溶け込んだコンピューターが人間のニーズや行動に合わせて各種デバイスを操作したり、情報を提供することがアンビエントコンピューティングと言えます。
そしてこれらを実現するためには、あらゆる端末がコンピューターで繋がり操作可能な状態であることが必要です。
スマートスピーカーは既にあらゆる端末にアクセスし、もしくはその端末自体に音声アシストが組み込まれており、人間が操作する端末を意識することなく、指示をだすことが可能になってきています。
そして近い未来に、呼吸をするのと同じくらい自然にコンピューターを操作するアンビエントな社会になるのかもしれません。


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