オウンドメディアやコンテンツマーケティングを実施する場合、社内の担当者が文章を書くというケースがしばしば発生します。
文章を書くというと難しく感じたり、物怖じをしてしまう方も多いのではないでしょうか。
私も実は、もともと文章を書くのが得意ではありませんでした。
だからこそ、文章を書くのが不安だったり苦手なかたの気持ちがとてもよくわかります。
しかしウェブライティングに必要な幾つかのコツをおさえることで、苦手な方でもそれなりに文章を書くことができるようになります。
また、ウェブライティングとなると純粋な文書の書き方に加えて幾つかのウェブについての基礎知識が必要になるため、そちらも合わせて理解しておく必要があります。
文章の書き始めかたについては、元マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントであるバーバラミント氏の著書『考える技術・書く技術』の中にある導入部の構成についての記載があり、こちらが参考になりました。
同著は問題解決法と論理的なコミュニケーション法を大系に示した教科書的な一冊で、国内外のコンサルティングファームでも読むのを勧められるとされる一冊です。
今回は『考える技術・書く技術』の内容を参考にしながら、文書を書く際の「導入部の構造」について整理をしていきたいと思います。
◯導入部の構造
文章の冒頭部は常にストーリー形式をとる必要があるとしています。
そのため、文章の冒頭部は3要素で構成されます。
①「状況」(導入部)
②「複雑化」(導入部)
③「疑問」or「解決」(導入部)
↓
「答え」(本文)
なぜこの形態をとるのが最適かというと、読み手の頭の中の雑念をなくし読者の関心をつかむことで、筆者の伝えようとすることに集中させることができるためです。
そのための仕掛けとして結論からではなくストーリーの形式から入ることが有益となります。
私は営業職出身なのですが、この考え方は営業における "「イエス」を取る" という基礎テクニックと同様で、いきなり提案から入るのではなく顧客と合意形成のあるところから進めるということです。
◯導入部の具体的な例
なかなか抽象的な部分だけだとわかりにくいので、以下の例文を元により具体的に考えてみます。
例文:
「IT技術は他の業界に比べるととても進歩の早い業界であり、それはウェブマーケティングの世界でも例外ではありません。
ウェブマーケティングの世界にも人工知能(AI)による変革が起きようとしています。今後ますます広がる人工知能による業務効率化の流れの中で、人間が介在することにはどのような意味や役割はあるのでしょうか
その答えは人間の創造性にあります。人工知能に仕事を生み出す、事業そのものを作りだすことは人間にしかできません。」
こちらを先ほどの3要素と本文に分離して見ると以下のようになります。
①「状況」→ IT技術は他の業界に比べるととても進歩の早い業界であり、それはウェブマーケティングの世界でも例外ではありません。
②「複雑化」→ ウェブマーケティングの世界にも人工知能(AI)による変革が起きようとしています。今後ますます広がる人工知能やロボットによる業務効率化の流れの中で、人間が介在することにはどのような意味や役割はあるのでしょうか。
③「解決」→その答えは人間の創造性にあります。人工知能に仕事を生み出す、事業そのものを作りだすことは人間にしかできません。...
この後、本文に続きます。
いかがでしょう。導入部をスムーズに読み進めることができたのではないでしょうか。
「状況」からスタートするのは、主題に対して読み手が合意するとわかっていることから始めるためです。
また「複雑化」状況を受け手の"問題"であり、その次の「疑問」や「解決」のパートにつながります。
この流れを使うことでスムーズに主題に入ることができ、本文に読み手を誘うことができます。
◯本文は見出しを先に決めて整理された文章を組み立てる。
それ以後の「本文」部分では、h2やh3などの見出しタグを先に決め記事を作成していくと、思考も整理しやすく、効率的に文章を書き進められます。
◯まとめ
今回はライティングの基礎として文章冒頭部の構造のポイントについて書いてみました。
文章を書くのが苦手なウェブ担当者さまの手助けに少しでもなれば幸いです。
titleタグやhタグなどのSEOを意識したウェブライティングのための基礎知識についてはまた次回以降で触れていこうと思います。