近年、動画広告市場が拡大しており、電通が調査した「2021年日本の広告費」によると、動画広告費は前年比132.8%の5,128億円と大きく伸長し、初めて5,000億円を突破したという調査結果が出ています。(※1)
動画広告の普及の要因として、オンラインストリーミングサービスが増えていることが挙げられますが、そのサービスのひとつが2015年から開始された動画配信サービスのTVerです。
今回は、TVerのサービス内容をはじめ、同サービスが成長し続けている背景やプラットフォームとしての魅力、TVer内に配信できる広告の詳細についてご紹介します。
※参照:2021年 日本の広告費
TVerとは?
TVerは民放テレビ局と広告代理店が連携して運営する公式テレビポータルサイトです。違法動画アップロードの防止対策を目的に2015年からサービスが開始されています。またサービスの総ダウンロード数は4,000万を超え、CU全体のMUBは2,300万を超えています(2023年1月現在)。
サービスを運営するのは、在京民放キー局5社、在阪民放5社、広告代理店4社が共同出資し運営されている株式会社TVerです。
在京5社(日本テレビ、TBS、テレビ朝日、フジテレビ、テレビ東京)の番組を中心に、約400番組を全て無料で視聴できます。TVerで配信されている番組は、地上波放送と同様に、広告枠が挿入されて配信しています。
TVerが配信されているデバイスは多様にあり、例えばスマートフォン、パソコン、タブレットの他、インターネットに接続されたテレビでもTVerを視聴できます。
そして、2021年1月クール時には動画の月間再生数が1億8,305万回を記録しました。TVer自体の成長に伴い、TVer広告の需要も高まることになっています。
※参照:TVer、ユーザー増加が加速で月間再生数1億8305万回到達 サービス認知率は63.2%に〜TVer Biz Conference 2021レポート(前編)
TVer 広告
プラットフォームのターゲット層
TVerのユーザー属性の特徴は、F1(女性20歳〜34歳)層とF2(女性35歳〜49歳)層の女性が34.2%(2021年1月クール時点)を占めていることです。その背景を踏まえて、女性の消費者に商品を届けるには、TVerを使用するのは最適な手法のひとつです。
また、サービス認知率は、2021年5月時点で15〜69歳男女において63.2%に達しており、幅広い年齢層に認知されている傾向にあります。
また認知率だけでなく、サービス全体のUB数(サイトにアクセスしたユーザー数)も増加傾向にあります。2021年時点の傾向としては、M層(男性)全体の伸び率が高い割合を維持しています。
T(男女13〜19歳)層のUB数も2021年1月クール時点で上昇しています。
性別と年齢を問わず、幅広くの方に広告を届けられるのが、TVerの魅力です。
※参照:TVer、ユーザー増加が加速で月間再生数1億8305万回到達 サービス認知率は63.2%に〜TVer Biz Conference 2021レポート(前編)
TVerが伸びている背景
TVer社員がTverについて語ったイベントレポートによると、同サービスの利用者が伸びていると思われる背景は大きく3つあります。
①番組の増加
初めに、番組は常に増加しています。2021年時点で400番組以上のレギュラーコンテンツがTVerで配信されているほか、東京オリンピック2020年では公式競技動画を特設サイト「gorin.jp」にて配信しました。TVerでも特設サイト内の動画を閲覧できたため、オリンピックをきっかけに多くの人が利用したようです。
②番組の無料視聴
さらに、公式の番組コンテンツを無料で楽しめるのもユーザー増加理由のひとつです。違法でアップロードされた動画と異なり、TVerのコンテンツは放送基準に則って内容や表現がチェックされています。品質が担保されているコンテンツが無料なのは、民放テレビ局が連携してサービスを実行するTVerだからこそのメリットです。
テレビ番組の違法アップロード動画において見受けられる「シーンが切り取られている」「タイトルと内容が異なる」「画質が極端に悪い」といった問題点に対し、「民放公式テレビポータルであるTVerでは、すべて権利処理をクリアした公式動画を高画質で楽しめる」といい、「こうした点がユーザーに支持していただけている」と語る。
参照:TVerのユーザー数と広告は、なぜ右肩上がりで伸び続けているのか?〜Ne Plus U 2021セッションレポート
③番組制作における企画力
最後に、TVerでは企画にも力を入れている傾向にあります。
2021年10月期には、俳優の窪田正孝、米倉涼子が出演するドラマを特集して配信。民放公式ポータルの強みを活かし、民放各局から番組提供を受けることにより、ユーザーに対して満足度の高いコンテンツを展開していることをアピール。最近では、新ドラマの予告動画をつなぎ合わせての配信など、「見逃しに限らず、将来のコンテンツのご案内にも力を入れている」とした。
参照:TVerのユーザー数と広告は、なぜ右肩上がりで伸び続けているのか?〜Ne Plus U 2021セッションレポート
上記の企画のように、TVerがコンテンツの種類を活かし、利用者にサービスの充実性をアピールしています。
参照:TVerのユーザー数と広告は、なぜ右肩上がりで伸び続けているのか?〜Ne Plus U 2021セッションレポート
\サービスが普及され続けているTVer/
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TVerの広告について
TVerでは番組の冒頭、半ば、最後に広告が流れます。広告はスキップできないため、非常に高い完全視聴率:約95%を占めています。
TVer広告ではテレビCMと異なる層にもリーチできます。テレビCMがリーチできる層はリアルタイムでテレビを視聴している方に対し、TVerはユーザーが好きな時間に視聴できるため、リアルタイムの放送を見逃してしまった消費者にも広告が届きやすくなります。
テレビCMに出稿している場合は、並行してTVer広告を出すことでリーチ拡大も期待できます。
参照:TVerのユーザー数と広告は、なぜ右肩上がりで伸び続けているのか?〜Ne Plus U 2021セッションレポート
TVer広告のフォーマット
TVer広告の種類は大きく分けるとふたつになります。1つ目は広告放映枠辺りの単価が決まっている純広告、2つ目は広告表示1,000回辺りの単価が決まっているPMP広告です。
TVerの動画広告の長さは6秒、15秒、30秒、60秒のいずれかに分かれています。動画広告の出稿にはアスペクト比16:9のMP4ファイルが必要です。テレビで放映されたCM素材がある場合、同じ素材を流せるケースもあります。
TVerの広告枠構成
引用:TVer 広告
番組によって、TVer広告の配信タイミングが異なります。
一方、UXを考慮した時点で広告が配信されるように設計しています。
- プレロール:番組の配信前に配信される傾向にある広告枠
- ミッドロール:番組中に自然なタイミングで配信される傾向にある広告枠
- ポストロール:番組の配信後に配信される傾向にある広告枠
TVerの広告配信枠について
TVerの広告配信タイミングは、動画の冒頭、途中、最後のいずれかです。しかし、TVerのシステムによって広告の配信時間が選択されるため広告配信枠の指定はできません。
TVer広告の課金方法
2021年10月7日より、TVerでは広告主のニーズと課金のタイミングを一致させるためCPCV課金を導入することになっています。CPCV課金の導入は日本の大手動画媒体としては初めてのことです。
2021年10月以前までTVer広告の課金方法は、広告表示のタイミングで料金が発生するCPM課金モデルのみでした。
新しく導入されたCPCV課金は広告の完全視聴を前提とした課金形態です。課金方法は広告主の要望が強かったオークション形式です。これにより単価固定ではできなかった細やかな広告運用が可能となっています。
TVer広告の特徴
ここからはTVer広告の特徴を3つご紹介します。
1. 視聴完了率が高いこと
TVer広告の大きな特徴がスキップ不可の広告という点です。完視聴率は15秒素材で96.2%、30秒素材で95.2%です。60秒素材でも93.2%と、無料動画投稿サイトの46%と比較しても高い割合を示しています。
広告の完全視聴率がどのデバイスでも90%以上と非常に高く、広告視聴後に商品やサービス内容を想起されやすくなります。
2. ターゲティング方法が豊富なこと
TVer広告では、サードパーティーデータ(第三者が提供するデータ)を利用したターゲティングが可能です。
性別や年齢、天候の状況などといった要素に応じたターゲティング手段があるため、他社サービスよりも詳細にターゲティングが可能です。
3. 通常テレビCMを見ない層にも広告がリーチしやすいこと
TVer広告では詳細にターゲットを絞り、広告を出稿できます。そのため、通常テレビを見ない層にも広告をリーチさせやすいです。
特にテレビ離れが進んでいるとされる10〜20代の若年層、または属性比率で高い比率を誇るF1層とF2層に対するリーチが期待できます。
またテレビでは利用者の属性によるターゲティングができませんが、TVerではターゲティングが可能です。したがって、テレビ放送よりも広告主がリーチしたい層に届く可能性が高い媒体となっています。
そしてそれぞれの特徴を理解し、TVer広告とテレビCMを組み合わせて出稿することで、さらに幅広い視聴者にリーチできる相乗効果が生まれます。
\テレビ離れの層にもリーチできるTVer/
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TVer広告の活用事例
TVer広告はデータ検証やターゲティングなどを行うことで、よりサービスの効果を発揮できます。デジタル広告だからこそできる効果検証や、高い視聴完了率などを誇るTVer広告を活かせる活用事例をご紹介します。
1. テレビCMのクリエイティブを新しいオーディエンスに届けたい時
テレビCMを出稿している企業の場合は、テレビCMの素材をTVer広告として再利用することが可能です。
TVer広告は10〜20代の若年層やF1とF2層、リアルタイムでテレビ番組を見逃した方にも届けられる広告です。視聴完了率も約90%と高いため、広告主が伝えたいメッセージが消費者に届く確率が高まります。
2. 動画広告の詳細なターゲティングを実施したい時
TVerにおいて、性別や年齢、天候の状況などの複数の要素に関連するターゲティングが可能です。そのため、従来の広告より細かくターゲティングができます※。
※広告代理店によって利用できるターゲティング手法は異なります。
ユーザーが実登録したデータを基にした高精度のクリエイティブを作成し、ターゲティング効果を最大化することが可能です。
3. 広告の効果を検証したい時
TVer広告はデジタル広告であるため、効果検証が可能です。認知から誘導まで、クリック率から獲得までも、さまざまなデータを検証できます。
またデータ検証結果からはオーディエンスの購買意欲や認知度の変化を調査できます。テレビCMの場合は効果を検証しづらい一方、TVer広告を通して、データを蓄積することで素材の効果を数値化し、今後の広告戦略に反映できます。
もう一つの検証活用方法としては、デジタル広告で効果の高いクリエイティブを検証することで、テレビCM出稿前のテストとして利用をすることも可能です。
\サービスが普及され続けているTVer/
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さらに詳しく知りたい方へ
本記事ではTVerの特徴と、TVerの広告の概要についてご紹介しました。
TVerのような動画配信サービス、オンラインラジオやポッドキャストなどを筆頭に、新しいサービスや音声メディアなどの利用者が増加することで、日本の音声市場が成長しています。
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