Spotifyは2020年に各国で広告のセルフサーブ型広告マネージャーSpotify Ad Studioを展開しました。「Spotify Ad Studio(スポティファイ アド スタジオ)」とは、Spotify広告のセルフサーブ型サービスの名称です。meta広告やX広告のように誰でも管理画面からSpotifyの音声広告や動画広告を出稿することができます。
日本国内ではしばらくサービスが提供されていませんでしたが、2024年5月に日本国内でも一部の広告代理店限定でサービスが提供されはじめました。
今回は、Spotifyへの音声広告出稿に特化したセルフサーブ型広告プラットフォームSpotify Ad Studioの機能の解説と、同サービスを利用する際の注意点をご紹介します。
Spotify Ad Studioとは?
Spotify Ad Studioは、Spotifyの音声広告とポッドキャスト広告枠を簡単に購入することできるセルフサーブ型の広告マネージャーです。Spotify Ad Studioでは、広告代理店を介さずに、広告主もSpotify広告の出稿が可能です。下記の動画から、入稿のイメージを掴むことができます。
また、同サービスでは、出稿した広告に対し一定の広告効果を確認できる指標データが開示されています。そのため、サービス内で必要最小限の運用効果検証も行うことができます。なお、日本国内では一部の代理店にのみ機能開放が行われています。
\話題の音声ストリーミングサービスSpotify/
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Spotify Ad Studioの機能
ここでは海外で先行で展開されていたSpotify Ad Studioの紹介します。
①最小規模の広告予算からでも広告出稿が可能
Spotify Ad Studioを通じて、英語圏では250米ドルからSpotify広告の出稿が可能となっています。なお、日本国内での最小広告出稿額については公式に発表されていません。
You can advertise on any budget with Spotify ads and run campaigns that help drive results. Whether you’re a global brand or a local business, get your message heard and spend what’s right for you.
参照:Spotify Ads Pricing and Costs | Spotify Advertising
②Spotifyの詳細な広告ターゲティングを指定可能
「属性(年齢、性別、滞在地、言語)」「興味関心」「文脈(OS・デバイス、特定の音楽ジャンル)」のカテゴリーでターゲティングが可能です。これらの使用は既存のSpotify音声広告の純広告やプログラマティック広告と同様の仕様となっています。
When people immerse themselves in music and podcasts on Spotify, they trust us to know their taste and get their algorithm just right. The same applies to the ads they experience on our platform. Our audience targeting tools get your message to people in moments relevant for them—and your business.
参照:Audience Targeting - Find your people. Reach Your Customers. | Spotify Advertising
③Spotifyの全面的な支援で最適なデジタル音声広告を作成
Spotifyによるクリエイティブツールやプロダクションツールを利用できます。そのなかで、BGM、声優、プロのオーディオミキシングなどの利用が可能です。なお現在、英語サイトは非公開(404エラー)になっているため、サービスを縮小した可能性もあります。
Need some help finding your voice? Ad Studio offers a range of free services—from voiceover actors to script guidance—to help you create audio ads from scratch in minutes.
参照:Create with Spotify | Spotify Advertising
④広告の運用効果を検証し、リアルタイムな解析を入手可能
Spotifyの広告フォーマット(「デジタル音声広告」「動画広告」「ポッドキャスト広告」)に適するレポートツールとリスナーのインサイトを入手できます。Spotify Ad Studioの管理画面では、「Ads served」「リーチ」「FQ」「1日ごとの予算配分管理」「聴取完了率」「クリック」「CTR」の広告指標が開示されており、キャンペーンの効果を解析し、リアルタイムに広告設定を調整できます。
Track performance and get real-time insights
Whether you’re running digital audio, video, or podcast ads on Spotify, you can track your campaign's impact and make real-time adjustments with built-in reporting tools and audience insights.
参照:Spotify Ads Reporting And Measurement | Spotify Advertising
\独自ターゲティングで消費者にリーチする!/
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Spotify広告を運用型広告としてセルフサーブ型で買い付ける別の方法
Spotify広告の運用型メニューは、もともとDSPを使用したプログラマティック広告という形で以前から存在していました。日本国内においてはSpotify Ad Studioを使わなくともDSPを用いたプログラマティック広告の形で現在も買付を行うことができます。
DSPを用いてプログラマティック広告でハイレベルなセルフサーブ広告出稿を実現
DSPを利用する広告主や広告代理店は、Private Marketplaces(PMP/広告主・媒体社が限定された広告買付)またはProgrammatic Guaranteed(PG/広告配信プラットフォーム経由で実施する予約型広告買付)によって、Spotifyの広告在庫への買付を行うことができます。PMPは、オークションベースのモデルを採用しており、フロアプライスを設定したダイナミックな入札が可能です。
また、他の3rdParty Dataとの連携も可能で、広告の運用効果を確認しながら、戦略やターゲティング、広告クリエイティブへの改善も加味したハイレベルな広告出稿を実現できます。
なお日本国内においては、一部のDSPからしか広告買付を行うことができないため、注意が必要です。
Advertisers working with DSPs can access Spotify inventory through Private Marketplaces (PMPs) or Programmatic Guaranteed (PG) buys. PMPs rely on an auction-based model allowing for dynamic bidding with a set floor price.
参照:Spotify Ads Pricing and Costs | Spotify Advertising
詳しくは下記からお問い合わせください。
\データを活用したSpotifyのプログラマティック広告配信/
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Spotify Ad Studioの運用における注意点
Spotify Ad Studioを運用する際には、気を付けるべき注意点もあります。
①獲得データが限られている
データ取得が可能な広告指標は、「Ads served」「リーチ」「FQ」「1日ごとの予算配分管理」「聴取完了率」「クリック」「CTR」などの一部のみです。そのため、DSPなどでデータを連携して行う一部のデータ(獲得や来店計測など)は取得ができません。
「リーチ」を重視するブランディング目的であればSpotify Ad Studioによる出稿・運用でも実用に耐えられますが、獲得までの貢献などを可視化したい場合はより指標データの連携性が高くハイレベルなレポーティングを実現可能できるプログラマティック広告での配信をおすすめします。
②デジタル音声広告に関する知識の必要性
日本の広告業界においては、デジタル音声広告は新しい領域です。そのため、捉えるべき最適な数値や運用効果の判断基準が広く知られていません。Spotify広告の運用でも、音声広告は指標の判断基準を明確にしないと適切に運用結果を判断するのが難しい広告フォーマットです。
最適な広告運用をするため、自社のマーケティング担当者、もしくは広告の運用担当者がSpotify広告に関する知識を身に付ける必要があります。
\音声広告の最適な指標判断を行うために/
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Spotify広告の6つの音声クリエイティブ事例
ここからは実際にSpotifyでどのような音声広告が配信されているのか、事例を見てみましょう。Spotify Ad Studioと同じセルフサーブ型広告である、プログラマティック広告での配信された事例です。
1.イッツ・コミュニケーションズ株式会社
高速インターネット回線「イッツコムひかり」のSpotify広告事例です。人と人をつなぎ、生活者を支えるインターネットサービスであることを伝えられるように“会話型”広告で訴求を行いました。
2.富士通クライアントコンピューティング株式会社
富士通のパソコンブランド「FMV」のSpotify広告です。若年層の顧客獲得とブランド認知の向上をはかるための広告配信を実施しました。
さらに詳しく見る:【デジタル音声広告出稿事例】音声広告は若い世代にリーチできる。FMVの価値を広げる音声広告の訴求力
3.サイボウズ株式会社
サイボウズのメール共有システム、「メールワイズ」のSpotify広告です。企業が抱えるメールに関する悩みを解決できるという製品特性をラップやアニメなど様々なテーマと掛け合わせて訴求しました。
さらに詳しく見る:【音声CM・広告クリエイティブ事例】メールワイズ(サイボウズ株式会社様)
4.株式会社池田屋
池田屋ランドセルのSpotify広告です。物語性の強い音声クリエイティブを作ることを意識し、完聴率を高め、興味をもってもらえるような広告に仕上がっています。
さらに詳しく見る:【デジタル音声広告事例】物語性のあるメッセージで認知拡大と注文増を実現。池田屋ランドセルの魅力を伝える音声広告
5.三井住友カード株式会社
三井住友カード株式会社の「ナンバーレスカード」のSpotify広告です。配信ターゲットを「若年層」「女性」「男性」「家族」の4つに分け、さらに訴求ポイントも4つ分け、計16パターンの音声クリエイティブを作成して配信を行いました。
さらに詳しく見る:【音声広告事例】ブランディングと獲得、三井住友カードで実施した音声広告の2つの効果。
6.株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ
クラウド型のホームページ作成サービス「ジンドゥー(Jimdo)」のSpotify広告です。多くの人に馴染みあるABCの歌のリズムに乗せて、Jimdoというスペルが記憶に残るようなクリエイティブです。
さらに詳しく見る:【音声CM・広告クリエイティブ事例】ジンドゥー(株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ様)
広告主自らSpotifyの広告出稿が可能になるSpotify Ad Studio
本記事ではSpotify Ad Studioの詳細をご紹介しました。同サービスのメリットは、「広告主でもSpotify広告出稿が可能なこと」です。
一方、サービスによる取得が可能なデータが限られているのと、広告運用効果を正確に判断するための知識も求められています。
オトナルは、Spotify広告の公式認定パートナープログラム「Spotify Advertising PARTNER」に認定されています。主要音声ストリーミングプラットフォームSpotifyの出稿については『【媒体資料】Spotify音声広告配信サービス/資料DL』をご参照ください。
注目を集めている音声広告の出稿にご興味がある方は、デジタル音声広告媒体資料一覧に出稿可能な媒体別に詳しい資料をご用意しています。