
Netflix広告は、没入感の高い視聴体験を保ちながら、高精度なターゲット設定が可能な動画広告を配信できる新しい広告手法です。特定の年齢層・地域・視聴傾向に基づいた柔軟な配信設計により、ブランド認知や顧客獲得に効果的です。
一方、Netflix広告は比較的最近の広告であるため、内容についてあまり知られていません。そのため、以下のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
「どうやって出稿すればいいのだろうか?」
「ターゲティングはどれくらい細かくできる?」
「どれくらい効果があるのだろう?」
今回は、Netflixの運用型広告について、概要から出稿方法、ターゲティングの精度、効果まで徹底解説します。
あわせて、成果を出すためのポイントや、効果的な広告運用をするために不可欠な「DSP」についても解説します。
Netflixとは?

Netflix(ネットフリックス)は、世界190以上の国と地域で展開されている定額制の動画配信サービスです。
いわゆる「サブスク型動画配信サービス」の代表格のひとつで、豊富な映画やドラマ、アニメ、ドキュメンタリーに加え、人気の高いNetflixオリジナルの作品がNetflixの競争力を支えています。
日本では2015年のサービス開始以降、国内シェアNo.1※の動画配信プラットフォームとなりました。スマートフォンやタブレットだけでなく、PCやコネクテッドTVなど、さまざまなデバイスで利用できる点も人気の理由です。
幅広い年齢層に利用されていますが、特に若年層の利用比率が高いことが特徴です。また世帯年収が高い層の利用率も高いとされ、広告媒体としても注目されており、出稿先としてのニーズが高まっています。
※参照:GEM Standard「動画配信(VOD)市場5年間予測(2024-2028年)レポート」
海外でのオンデマンドストリーミング市場のシェア
近年、オンデマンドストリーミング市場は急速に拡大しています。2022年6月時点のデータによると、ストリーミングサービス全体の視聴シェアは33.7%に達し、ケーブルテレビや地上波放送を上回る規模になりました。
その中で、Netflixは7.7%のシェアを獲得しており、YouTubeを上回る存在感を示しています。
出典:Nielsen「6月、ストリーミングがテレビ総視聴時間の3分の1以上を占め、4ヶ月連続で月間視聴記録を更新」
世界中にユーザーの推移が伸びている
Netflixは、世界中でユーザー数を着実に増やし続けている動画配信サービスです。
特に近年は、安価な広告付きプラン導入をきっかけに新たな利用者層を獲得し、その成長スピードを加速させています。
実際、2024年5月には広告付きプランの月間アクティブユーザーが4,000万人に到達し、2024年初頭の2,300万人からおよそ2倍に増加しました。
さらに、2024年11月時点では全世界の広告付きプラン利用者が7,000万人を突破し、過去1年で急激な伸びを記録しています。
同一世帯外でのアカウント共有制限や、手頃な価格設定の広告付きプランへの移行が後押しとなり、新規ユーザーの半数以上が広告付きプランを選択しています。今後さらにユーザー層の拡大が見込まれており、Netflix広告の可能性も高まっていくでしょう。
日本国内のNetflix普及
日本国内で、Netflixは21.7%と高いシェアを獲得しており、抜群の存在感を示しています。
主要なストリーミングサービスの国内シェア率は以下の通りです。
| サービス | シェア(2023年2月時点) |
|---|---|
| Netflix | 21.7% |
| U-NEXT | 15.0% |
| Amazonプライム・ビデオ | 12.9% |
| DAZN | 9.7% |
| ディズニー+ | 8.9% |
| Hulu | 6.3% |
このように、主要ストリーミングサービスの中でも、Netflixは利用者数・視聴時間ともに他サービスを上回っており、業界トップクラスの存在感を誇ります。
※参照:GEM Standard「動画配信(VOD)市場5年間予測(2024-2028年)レポート」
Netflixの広告付きプランとは?
Netflixの広告付きプランは、月額料金を抑えつつ、動画視聴中に広告が表示されるプランです。
2022年11月に「広告付きベーシック」として開始され、2023年4月には画質と同時視聴可能台数が向上し、「広告付きスタンダード」に名称変更されました。
通常のスタンダードプランと同等の機能を備えつつ、より手頃な価格で利用できる点が、多くの支持を集めています。
Netflixは今後も新規顧客の獲得のため、広告事業(広告付きプラン)に注力しています。ユーザー数拡大とともに、さらなる広告価値の向上が見込まれるでしょう。
Netflixの運用型広告の概要
Netflixの運用広告の基本的な構造を見ていきます。
まず配信形式は、主に動画配信サービス内で展開される「インストリーム広告」です。
インストリーム広告とは、ユーザーが視聴する映画やドラマの「本編開始前(プレロール)」や「本編の途中(ミッドロール)」に自動的に広告が表示される仕組みです。
広告フォーマットは10秒~60秒の長さの動画広告で、ユーザーによるスキップやクリックができない仕様です。広告配信先はコネクテッドTV、PC、タブレット、スマートフォンなど、幅広く端末に対応しているのが特徴です。
また、以下のようにターゲティングオプションも充実しています。
- 年齢
- 性別
- 都道府県
- 視聴時間帯
- 視聴しているコンテンツジャンル
- 個別タイトルの除外
- 人気上位コンテンツ(TOP10)への広告配信 など
Netflixへの登録情報や、視聴行動等をもとにターゲティングが可能です。
広告主の目的に合わせて細かく設定が可能です。Netflixの広告メニューについてまとめると、下記のようになります。
| 配信形式 | インストリーム広告 |
|---|---|
| 広告時間 | 15秒・30秒 |
| 課金形態 | インプレッション課金(CPM) |
| ターゲティング | 年齢・性別・エリア・ジャンル等 |
| 対応デバイス | TV・PC・スマホ・タブレット |
Netflix広告は視聴体験を重視しつつ、ブランド認知やターゲット接触を効率的に実現できる広告手法です。
Netflix広告のフォーマット

Netflix広告の主要な2つのフォーマット、プレロール広告とミッドロール広告について、詳しく見ていきましょう。
プレロール広告
Netflix広告のプレロール広告とは、Netflixで視聴する作品の「本編が始まる前」に再生される動画広告です。
主な特徴は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 再生タイミング | 本編開始前 |
| 広告の長さ | 10, 15, 20, 30秒に対応 |
| スキップ機能 | なし(ノンスキッパブル) |
| クリック誘導 | 不可(純粋に動画広告のみ) |
ユーザーの視聴体験を損なわないよう、広告量は1時間あたり4分以内など厳格にコントロールされています。
プレロール広告は、作品の導入部分に自然に挿入されるため、視聴者の注目度が高いタイミングでブランドメッセージを届けられるのが魅力です。
ミッドロール広告
ミッドロール広告は、Netflixの動画コンテンツの視聴中、「本編の途中に」挿入される動画広告です。主に、長編映画やドラマのエピソードなどで活用されており、視聴体験への配慮として、作品の流れの中で自然なブレイクポイントに挿入されるよう設計されています。
ミッドロール広告の特徴は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 再生タイミング | 本編の途中で、適切な場面転換や休憩ポイントに挿入 |
| 広告の長さ | 10, 15, 20, 30,45,60秒に対応 |
| スキップ機能 | なし(ノンスキッパブル) |
| クリック誘導 | 不可(純粋に動画広告のみ) |
ミッドロール広告は、ユーザーがストーリーに没入しているタイミングで表示されるため、視認性・訴求力が高く、ブランドの認知や印象形成に効果的です。
Netflixの運用型広告の特徴
Netflixの運用型広告の特徴について、以下の視点から解説していきます。
- 広告が出ている頻度
- 没入型の広告体験
広告が出ている頻度
広告の頻度はユーザー体験に直結する重要な要素であるため、視聴の妨げとならないよう慎重に設計されています。まず、Netflixでは、広告付きプランにおいて「1時間あたり約4分」の広告配信がされる設計です。
個々の広告の長さは10秒から60秒ですが、テレビ放送や他の動画配信サービスと比較して、1時間あたりの広告総量が4分と厳しく制限されています。ユーザーにとった過度な広告配信を抑えることができます。
以下は広告頻度をまとめた表です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1時間あたりの広告量 | 約4分(15秒/30秒単位) |
| フリークエンシー(配信頻度)の上限 | 1回/時間、3回/日、14回/週 |
| 配信タイミング | 本編前(プレロール)、途中(ミッドロール) |
このように、Netflix広告は視聴満足度を損なわないように、広告表示は最小限に抑えられています。
没入型の広告体験
Netflixの広告は、視聴者の没入感を損なわないよう緻密に設計されています。
広告表示時間と頻度を制限
ユーザーへの負担を抑えるため、広告は1時間あたり約4分、1日3回までに制限されています。
過度な広告表示を避けることで、ユーザーの視聴継続率の向上にもつながる設計です。
動画の冒頭と途中の適切なタイミングに挿入
広告は、動画の冒頭や場面転換、休憩ポイントなど、視聴の妨げにならないタイミングで挿入されます。
以上の特徴により、Netflix広告は視聴者の注意を自然に引きつけ、メッセージを効果的に届けることができます。
【2025年最新】Netflix運用型広告の出稿方法
Netflixの運用型広告を出稿するには、まずNetflixが連携しているDSP(デマンドサイドプラットフォーム)、たとえばThe Trade Deskなどの媒体から申し込みを行う必要があります。
※DSPやThe Trade Deskについて詳しくは、「Netflixの運用型広告の運用ならThe Trade Desk」の箇所で解説しています。
広告出稿の一般的な流れは以下の通りです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. DSPもしくは代理店選定 | Netflix対応のDSPや広告代理店に相談 |
| 2. 媒体枠の選定 | 配信したいターゲットや予算に応じて枠を選択 |
| 3. クリエイティブ制作 | Netflix基準に沿った広告素材の準備 |
| 4. 配信設定 | 配信期間・ターゲティングを設定 |
| 5. 運用・レポート | 効果測定や改善を行い運用を継続 |
Netflix広告は、ターゲティングや配信タイミングも柔軟に設定できるため、ブランドイメージの向上や新たな顧客獲得に効果的です。
プラットフォームの詳しい情報については、公式パートナーや代理店を通じて確認できます。
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Netflix運用型広告の運用時に意識すべきポイント
Netflix運用型広告を運用する際には、以下のポイントを意識しておくことが重要です。
- ユーザー層やデバイスの特徴を理解する
- クリエイティブの質にこだわる
①ユーザー層やデバイスの特徴を理解する
広告が配信されるユーザー層や視聴環境を把握することが重要です。
Netflixの広告付きプランは導入から日が浅く、現在はコストを重視する若年層や新規ユーザーが主な利用者層です。
マルチデバイスに対応しているため、クリエイティブは画面サイズや視聴態度に合ったものを用意する必要がある点も抑えておきましょう。
②クリエイティブの質にこだわる
Netflixは没入感を重視しており、広告挿入の回数や尺に制限があります。そのため、1インプレッションごとのクリエイティブの質が問われます。単に出稿するだけでなく、ターゲットに響くメッセージや映像表現、短い尺の中でも伝えたいことを凝縮するといった効果的な設計により、広告の成果が高まります。
| 意識すべきポイント | 解説 |
|---|---|
| ユーザー属性の把握 | 年齢層や視聴傾向など、広告配信先の分析を行う |
| クリエイティブ最適化 | デバイス別・尺別の最適な動画素材を準備する |
| 配信データの分析・改善 | 配信結果をもとにターゲティングや表現を調整する |
Netflixの運用型広告の運用ならThe Trade Desk
Netflixの運用型広告の運用においては、The Trade Deskを利用することで、より効果的な運用を行うことができます。
The Trade Deskとは、オムニチャネルで最適な広告リーチを実現する広告配信プラットフォーム(DSP)です。
DSP (Demand-Side Platform) は、広告主が広告枠の買い付けや配信、効果測定などを一元的に管理・最適化する広告配信プラットフォームを指します。DSPを経由した広告配信をすることで、複数のプラットフォームで効率的に広告を配信できます。
NetflixはThe Trade Deskと連携しており、The Trade Deskを通じてNetflix広告枠を直接購入することが可能です。
The Trade Deskを利用するメリット
The Trade Deskを利用することで、以下のメリットが得られます。
| メリット | 説明 |
|---|---|
| プライベートマーケットプレイス(PMP)取引 | Netflixと1対1のPMP取引を設定することで、広告在庫への優先的なアクセスや、より詳細なターゲティングが可能になります。 |
| 多様なバイイングタイプ | プログラマティックギャランティを含む様々なバイイングタイプに対応しており、予算や目的に合わせた柔軟な広告購入が可能です。 |
| 拡張性の高いプラットフォーム | The Trade Deskは世界中の広告取引所に接続しており、大規模なリーチと効率的な配信を実現します。 |
| 詳細なレポート機能 | 配信結果をリアルタイムで確認できるため、PDCAサイクルを回し、広告効果の最適化を図ることができます。 |
このようなメリットから、The Trade Deskは、広告効果を高めるうえで非常に有効な選択肢のひとつです。
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オトナルでは、TTDのメディアプランニング・代理運用に加え、サポートリセラー企業としてTTDのアカウント発行も行なっております。
オトナルは、Netflix広告をはじめ、デジタル音声広告運用におけるリーディングカンパニーです。これまで3,500件以上の音声広告プランニング、1,000件以上のクライアントの出稿・運用改善サポートの実績があります。
豊かな実績と運用ノウハウを基にNetflix広告の価値を最大限引き出す広告プランニング、運用を実施いたします。Netflix広告に限らず、デジタル音声広告に興味がある方や、新たな広告戦略をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。











