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OTT(オーバー・ザ・トップ)とは?動画は次の時代へ!映像業界収益の28.1%まで成長するOTT市場の解説

コンテンツマーケティング

OTTとは?映像業界収入の28.1%まで成長するOTT市場の解説

近年、インターネット動画広告の市場は、急速に拡大しています。サイバーエージェントの研究機関「オンラインビデオ総研」が示したデータによると、2021年の動画広告市場規模は、4,195億円(前年対比142%)になるという調査結果が出ています※1。

動画広告市場が成長した背景には、OTTサービスの利用が増加したことも考えられます。ICT総研の調査によると有料動画配信サービス利用者数は2021年に3,160万人、2023年に3,970万人へ拡大するという結果があります※2。

今回は、OTTの概要から利用方法、普及背景、マーケティング活用について説明します。

*1参照元:サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査を発表
*2参照元:2021年 有料動画配信サービス利用動向に関する調査|ICT総研【ICTマーケティング・コンサルティング・市場調査はICT総研】 (ictr.co.jp)

OTTについて

テレビやラジオなどの成熟産業から派生し、OTTは近年目覚ましい成長を遂げています。

OTTとは?〜OTTの意味〜

OTTとは、「オーバー・ザ・トップ(Over The Top)」の略称で、インターネット回線によってアクセスできるコンテンツ配信サービスの総称です。
テレビやラジオのような電波による「放送」や「ケーブル」ではなく、インターネットによる配信によって動画や音声コンテンツが楽しめるサービスを指します。

かつては、株式会社NTTドコモのiモードのように、通信事業者がインフラの構築・維持からコンテンツの提供、代金回収までサービス全体をカバーしてきたが、通信の高速化やインターネットの普及、決済方法の多様化によって、それらを利用して提供される、上位階層であるコンテンツやサービスはOTTプレーヤーが扱うといった構造に変化してきた。まさに、通信事業者を飛び越えて(=オーバー・ザ・トップ)、直接ユーザーにコンテンツなどを提供できるようになったのだ。

引用:COMZINE by NTTコムウェア

一方、OTTは従来のインフラを「飛び越えて」インターネット回線によって届けられます。映像配信ならYouTube、音楽配信ならSpotify、SNSならFacebookなど、各種OTTサービスが実在します。

インターネットの”上”で構築されているサービスという背景から、サービス名称が航空用語で「雲の上」を表す「オーバー・ザ・トップ(Over The Top)」と称されるようになりました。

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具体的なOTTサービス

「インターネット回線を通して行われるコンテンツ配信サービス」なので、現在の生活に密接なサービスの多くが、OTTに含まれます。OTTサービスはコンテンツの種類によって、大きく映像、音声、SNSの3つに分類できます。

映像配信

OTT 映像配信サービス

映像を配信するOTTサービスには、YouTube、TVer、ABEMAのような無料サービスや、Netflix、Hulu、Amazonプライム・ビデオ、DAZN、FODなどの有料サービスがあります。無料サービスは主に広告費で、有料サービスはユーザーからの課金によってサービスが成り立っていることが多いです。

経済産業省がPwCコンサルティングと平成31年に行った「世界のコンテンツ市場の現状と展望に関する調査」によると、OTT市場(映像)の年平均成長は10%で推移し、2022年には国内の映像業界の収入のうち約28.1%(SVOD:定額+TVOD:ダウンロードの合算)がOTTサービスによるものになると予想されています。

• OTT市場はSVOD(定額)、TVOD(ダウンロード)ともに増加の見込みである一方、ホームビデオ(DVD・Blu-ray/セル・レンタル含む)市場は縮小が進む。
• テレビからOTTへのシフトが進み、テレビ、映画館の市場規模は相対的に縮小していく見込み。

参照元:「コンテンツの時代」研究会 世界のコンテンツ市場の現状と展望に関する調査

音声配信

OTT 音声配信サービス

Spotify、Apple Music、Amazon Music、LINE MUSIC、YouTube Musicなどの音楽配信を中心としたサービスの他にも、radikoやラジオクラウドなどのインターネットラジオ、voicyやRadiotalk、SPOONなどの音声配信サービスがあります。
ICT総研の調査によると、音楽配信サービス利用者は消費者の32.5%にものぼり、2023年末には2,930万人まで増えることが予想されています。

参照元:株式会社ICT総研『2020年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査』

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SNS

OTT SNSサービス

映像配信サービス・音声配信サービスのほかにも、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSや、LINEやFacebook MessengerなどのメッセンジャーサービスもOTTに含まれるとされています。

※ロゴの著作権は各ロゴの企業に帰属します。

OTTの普及背景

上記のサービスを見てもわかるように、OTTサービスは生活になくてはならないものとなっています。OTTサービスがここまで普及したのには、ネットワーク・デバイスの充実とライフスタイルの変化が大きな要因だと考えられています。

ネットワークとデバイスの充実

ネットワーク環境が整備され、大きな通信容量を必要とするような高品質な動画コンテンツでも、インターネット経由での配信が容易となりました。また、PCやスマートフォンの普及に寄って、そうしたサービスを誰もが利用できる環境になりました。今後、5Gによる通信回線の高速化や、デバイスのさらなる進化によって、サービス・コンテンツがますます高品質なものになっていくことが考えられます。

ライフスタイルの変化によるニーズ増加

ライフスタイルの変化も、OTTサービスの普及の大きな要因です。近年、フレックスタイム制の導入や、パラレルワークでの労働が増加など、多様な勤務形態が認められるようになったことで個人の生活時間が大きく変化しました。
また、取得できる情報量が増大したことで趣味趣向が多様化してます。ひと昔前のように、多くの人が決まった時間に同一のコンテンツを視聴するような生活様式ではなくなったことで、好きな時間に好きなコンテンツを視聴できるOTTサービスが普及したと考えられます。

\ライフスタイルの変化で普及されているOTT/
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OTTサービスの利用方法

OTTサービスには、大きく分けてテレビ・PC・スマホ(タブレット含む)の3つの利用形態があり、それぞれのサービスは、これら複数のデバイスをまたいで利用することもできます。生活のいたるところで視聴可能な点がOTTサービスの大きな特徴ともいえます。

OTTサービス

テレビ

テレビでOTTを利用するには、インターネット回線への接続が必要で、内臓タイプ、STBタイプ、スティックタイプの3種類の方法があります。

※こうしたインターネット回線で接続されたテレビを総称してコネクテッドTVと呼ばれています。
詳しくは、『コネクテッドTVとは?5年で8倍!急成長の広告市場規模も解説』の記事をご参照ください。

従来は地上波やCS、BS放送などの番組しか視聴できなかったテレビで、多様なコンテンツを視聴できるようになっている点は、非常に大きな変化といえます。Unrulyの調査によると、既に消費者の68%がテレビからインターネット接続可能な状態であるという結果がでており、生活への浸透度が高いことが見て取れます。

参照元:Unruly、コロナ状況下における消費者のコネクテッドTV視聴や広告に対する態度変容傾向を公開

内蔵タイプ

最近のテレビやレコーダーはデフォルトでOTTに対応しているものも多く、インターネットにテレビやレコーダーを接続さえすれば簡単にOTTを楽しむことが可能です。

STBタイプ

STB(セットトップボックス)タイプは既存のテレビに接続することでOTTが利用可能になるというシステムで、代表的なものにApple TVやXboxを経由したサービスがあげられます。

スティックタイプ

スティックタイプは中にOS、アプリ、ネットワーク接続機能が既に盛り込まれている端末を指します。配線や新たな設定が必要なく、端末をテレビに接続するだけで利用可能です。国内では、Amazon Fire TV Stickが代表的です。

PC

PCではブロードバンド回線を経由して、ブラウザ上でOTTサービスにアクセスすることによってコンテンツを視聴することができます。テレビのように視聴環境が固定されず、スマートフォンよりも大画面での視聴が可能なので、あらゆる生活シーンで利用しやすいのが特徴でしょう。

スマートフォン(タブレット)

利用出来るサービスは、テレビやPCと大きな差異はありませんが、小さな画面サイズへの最適化や通信料抑制のために、専用のアプリがリリースされていることもあります。SNSの利用や短尺のコンテンツへの接触が多く、また、Spotifyやradikoなどのオーディオコンテンツとの相性も良いと考えられます。ワンクリックで他のメディアに遷移できるため、ECサイトへの連動や、ソーシャルメディアでの拡散がしやすいことが特徴といえます。

具体的なOTT広告配信の広告商品概要は『デジタル音声×プレミアム動画 OTT広告配信』でご紹介しています。

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OTTサービスによるマーケティングへの影響

OTTサービスによって、メディアと広告の在り方が大きく変化しています。マーケティングコミュニケーションに関わる際には、OTTサービスが広告コミュニケーションにどのような影響を与えているかを考える必要があります。

Reaching A Targeted, Niche Audience
Unlike traditional TV broadcasting, which has to cater to a broad audience, OTT services can target niche audiences. By advertising on an OTT platform, your ad dollars can go further to reach a more targeted, niche audience than with traditional forms of advertising.

Forbesによれば、OTTサービスへの広告掲載は、従来のテレビ放送の広告形態よりもターゲットを絞ったニッチな視聴者に情報を届けることができるとされています。
テレビ放送は多くの生活者が同一の番組を視聴することになるので、幅広い視聴者に対応したコンテンツを配信する必要がありますが、OTTサービスは、ターゲティングによってパーソナライズ化した広告配信が可能です。

Increasing Engagement
When you incorporate OTT into your overall marketing strategy, you can re-target your audience through OTT, social media, audio ads, your website and any other channel that you use. Bringing your audience into your ecosystem can increase engagement from users across channels.

さらに、OTTはユーザーエンゲージメントの向上にも役立ちます。
OTTサービスはインターネット回線を通じて配信されるため、ソーシャルメディア、音声広告、Webサイトなどの複数のタッチポイントで、一元的にオーディエンスをターゲティングすることが可能です。複数のメディアで一貫した施策を実施することができるため、個別に施策を実施するよりも、より良い顧客体験を作り出すことに繋がります。

Minimizing Ad Spend Waste
Through audience targeting, OTT ads can stretch your marketing budget further and dramatically reduce spend waste. They make it more likely that your ads are only shown to people who are likely to be interested in your brand. Essentially, with OTT advertising, I've found that you're less likely to waste time or money on people who are never going to buy your product.

従来のテレビ放送は、広く情報をリーチさせることができた反面、その中には自社商品を購買する可能性のない人も多く含まれていました。OTTのオーディエンスターゲティングでは、自社ブランドに興味を持っている人に広告を表示させることができるため、広告の無駄打ちを削減しマーケティング予算の効率的な配分が可能になります。

参照元:Forbes『What Is OTT Advertising, And Why Is It A Trend?』

プロダクトプレイスメント

OTTサービスには、Netflixに代表されるような、CMの入らないコンテンツ配信サービスも多く存在しています。
その中で注目されている手法がプロダクトプレイスメントです。プロダクトプレイスメントとは、広告ではないコンテンツ内に、特定の商品などを移りこませる手法のことで、Statisticaの調査によると、アメリカにおけるプロダクトプレイスメントへの広告費は、2012年の47.5億ドルから2019年には114億4000万ドルに増加したとされています。

参照元:statista『Product placement spending worldwide and in selected countries in 2012, 2014 and 2019』

国内においても、大ヒット映画となった新海誠監督の「天気の子」の作品中に、特定企業のの商品が多く描かれていたことで、その手法の注目を集めました。
今後、非広告モデルのコンテンツ配信サービスの普及に伴って、さらなる活用が期待される手法と考えられます。

さらに詳しく知りたい方へ

音声広告とプレミアム動画広告の連携配信サービスである『デジタル音声×プレミアム動画 OTT広告配信』の資料でもコネクテッドTVへの広告配信について詳しくご紹介しています。無料で資料ダウンロードできますので、ぜひ参考にしてみてください。

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このテーマに関するよくある質問はこちら

Q1.「OTT(オーバー・ザ・トップ)」ってなに?

OTTとは、オーバー・ザ・トップ(OverTheTop)の略称で、インターネット回線を通して行われるコンテンツ配信サービスの総称です。

Q2.OTTの種類にはどんなものがあるの?

OTTサービスはコンテンツの種類によって、映像、音声、SNSの大きく3つに分類できます。 映像コンテンツには、YouTube、TVerのような無料サービスや、Netflix、Hulu、Amazonプライム・ビデオなどの有料サービスがあります。 音声のOTTサービスには、Spotify、Apple Music、YouTube Musicなど音楽配信を中心としたサービスの他に、radikoなどのインターネットラジオ、voicyやSPOONなどの音声配信サービスも含まれます。 TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSや、LINEやFacebook MessengerなどのメッセンジャーサービスもOTTに含まれるとされています。

Q3.OTTが普及し、今後も成長する理由は?

OTTサービスが普及した要因は、大きく二点あげられます。一つ目は、通信回線の高速化やPCやスマートフォン利用者の拡大といった「ネットワーク・デバイスの充実」です。二つ目はフレックスタイム制の導入やパラレルワークでの労働が増加など、多様な勤務形態が認められることで生じた「ライフスタイルの変化」です。

Q4.OTTの市場はどれくらいの規模か?

経済産業省の「世界のコンテンツ市場の現状と展望に関する調査」によると、映像コンテンツのOTTサービス市場の年平均成長は10%で推移し、国内の映像業界の収入のうち約28.1%を占めると予想されています。また、Unrulyの調査では、既に消費者の68%がテレビからインターネット接続可能な状態であるという結果がでており、生活への浸透度が高いことがわかります。

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