Spotify広告は、音楽を聴いているリスナーの日常に自然と溶け込む、新たな広告接点として注目を集めています。
本記事では、Spotifyでの広告出稿を検討しているマーケティング担当者・広報担当者の方に向けて、最新の媒体資料や活用事例をもとに、Spotify広告のフォーマット種類・特徴・ターゲティング手法を網羅的に解説します。
「どのフォーマットが目的に合っているか」「出稿の流れは?」「他社の事例は?」といった疑問を一気に解消できる内容です。
Spotify広告とは?今注目される理由
Spotify広告とは、音楽ストリーミングアプリ「Spotify」の無料プラン利用者に向けて配信される音声広告・動画広告です。Spotifyはフリーミアムモデルを採用しており、無料で音楽を楽しめる代わりに広告が挿入される仕組みになっています。
Spotifyユーザーの特徴
国内の月間アクティブユーザー(MAU)は1,450万人以上とされ、その約7割にあたる1,015万人以上が広告に接触可能な「フリープラン」ユーザーです。若年層を中心に日常的に使われており、出勤・通勤・運動・家事といった生活シーンの中で自然に広告を届けることができます。
さらに、無料で音楽を楽しむ代わりに広告を受け入れているという背景から、一般のネットユーザーと比べて1.7倍も広告に対してポジティブな姿勢を持っているという調査結果*もあります。また、楽曲と楽曲の間に挿入される広告はスキップできないため、完全聴取率は95%超という非常に高い水準を誇ります。
ブランドの認知向上やファン獲得に高い効果
没入感のあるリスニング体験の中で届けられるSpotify広告は、映像広告以上に印象に残りやすく、ブランドの認知向上やファン獲得に高い効果を発揮します。特に、「若年層に届く広告手段を探している」、「生活導線に入り込むナチュラルな形でブランドを届けたい」というマーケティング課題に対して、Spotify広告は最適な選択肢のひとつと言えるでしょう。
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Spotify広告のフォーマット一覧と特徴
Spotify広告は、音声・映像・バナー・プレイリストなど、多彩なフォーマットを組み合わせて展開できるのが大きな魅力です。ユーザーの生活導線やアプリ利用状況に応じて、自然に広告を届けられるよう設計されています。
ここでは主な5種類の広告フォーマットを、それぞれの特徴や活用イメージとともにご紹介します。
01. オーディオ広告(音声のみ+バナー付き)
Spotify広告の基本ともいえるのが、楽曲と楽曲の間に配信される「オーディオ広告」です。最大30秒の音声広告に加え、アプリ画面にはバナー(コンパニオンバナー)を表示。バナーをタップすると遷移先のURLに誘導できます。
スキップができない仕様のため、完全聴取率は95%以上と非常に高く、ブランドの世界観やメッセージをしっかり届けたい企業に向いています。スマートスピーカーやウェブプレイヤーなど、幅広いデバイスに対応しているのも強みです。
▶ ブランド認知・メッセージ浸透に最適。高い完全聴取率で世界観を深く伝えたい施策に向いています。
02. 動画広告(ビデオテイクオーバー・スポンサードセッション)
「動画広告」は、ユーザーが画面を見ているタイミングで自動再生される30秒以内の映像フォーマットです。モバイル・タブレット・デスクトップに対応しており、動画の再生後に表示されるエンドカード(640×640px)やバナーとあわせて訴求力の高いプロモーションが可能です。
特に注目なのが「スポンサードセッション」。こちらは動画を視聴したユーザーに対し、30分間広告なしで音楽を楽しめる特典を提供するプレミアム枠で、高いエンゲージメントとブランド好感度が期待できます。
▶ エンゲージメントを高めたいプロモーションや、商品理解を深めたい動画訴求に効果的です。
03. ディスプレイ広告(モバイル・デスクトップオーバーレイ、リーダーボード、ホームページテイクオーバー)
Spotifyには音声や動画だけでなく、視覚的に訴求できる「ディスプレイ広告」も用意されています。
- モバイルオーバーレイ:アプリ起動時に表示される全画面バナー
- デスクトップオーバーレイ:デスクトップアプリでの全画面バナー
- リーダーボード:アプリの最上部に30秒間表示される横長バナー
- ホームページテイクオーバー:デスクトップのトップページをジャックできる大型バナー
いずれも画面占有率が高く、視覚インパクトで印象に残りやすいのが特長です。静止画でもブランドの世界観をしっかり伝えたい場合に最適です。
▶ ビジュアルでの訴求に優れ、店舗誘導や商品想起を促したいキャンペーンに適しています。
04. プレイリスト広告(スポンサード/ブランド)
Spotifyが保有する人気プレイリスト枠を活用できるのが「プレイリスト広告」です。
- スポンサードプレイリスト
「Tokyo Super Hits」や「Workout Mix」など、27種類の公式プレイリストに対してブランド露出が可能。バナー広告とオーディオ広告を組み合わせて展開できます。 - ブランドプレイリスト
企業独自のオリジナルプレイリストを制作し、ブランドの世界観を音楽で表現。よりパーソナルな関係構築を狙うBtoCブランドに適しています。
▶ 長期的なブランド育成や“世界観共感”を重視するコミュニケーション施策におすすめです。
05. ヘッドライナー広告(一日集中型パッケージ)
「ヘッドライナー」は、1日限定でSpotify内の複数広告枠をジャックする集中型の広告パッケージです。オーディオ・動画・ディスプレイを組み合わせて、多方向からブランドを訴求。商品ローンチやキャンペーンの初日など、「話題化させたいタイミング」での活用に向いています。
露出量と印象付けの両方を重視したプロモーションに最適で、広告枠のプレミアム感が強いのも特長です。
▶ 商品ローンチや周年施策など、短期間での話題化・到達を狙いたい時に最も効果を発揮します。
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Spotify広告のターゲティングの種類と精度
Spotify広告の強みのひとつが、音楽ストリーミングならではの精緻なターゲティング精度にあります。ユーザーの行動や音楽の嗜好、さらには接触しているデバイスや時間帯まで含めて、文脈に合わせた広告配信が可能です。
デモグラフィック(性別・年齢・地域など)
まず基本となるのは、ユーザーの登録情報に基づいたデモグラフィックセグメントです。性別や年齢、都道府県単位でのエリア指定が可能で、年齢は13歳以上から1歳刻みで設定できるという精度の高さを誇ります。
音楽趣向・プレイリスト・ジャンル
Spotify独自の1st Partyデータを活用することで、音楽の趣向やプレイリストの聴取傾向に基づくターゲティングが可能です。たとえば「K-POPファン」「チルアウト系プレイリストの常連」「朝の通勤時にポッドキャストを聴いている」といったように、音楽の好み × 行動文脈で絞り込めます。
行動・利用シーン(例:通勤中、ランニング中など)
「通勤中」「ランニング中」「クッキング中」など、利用シーン別に分類されたセグメントも特徴的です。Spotifyは、時間帯・デバイス・再生コンテンツなどから「今この瞬間の利用文脈」を分析し、たとえば「ヨガ中のユーザーにリラックスグッズを」「深夜のユーザーにサブスクサービスを」など状況にマッチした配信が可能です。
アーティストアフィニティ、In-Car配信などの独自セグメント
特定アーティストのファンを狙う「アーティストアフィニティ」や、Bluetooth・USB接続に基づき車内再生中のユーザーを狙う「In-Carターゲティング」など、プレミアムなセグメントも利用可能です(※予約型限定)。なお、運用型/予約型で使えるセグメントが異なるため、施策目的に応じた設計が重要です。
これらのターゲティングは、運用型/予約型それぞれで使えるセグメントが異なるため、施策の目的に応じて最適なプランニングを行うことが重要です。
Spotify音声広告の事例について
ここでは、実際にSpotifyの「音声広告」を活用した企業の事例一覧をご紹介します。各ブランドが、音声広告をどのように使い、どんな目的でどんな表現を選んだのかに注目すると、自社の施策にも応用しやすくなります。
三井住友カード|ナンバーレスカードの認知獲得
三井住友カードは、デジタルクレジットカード「ナンバーレスカード」のプロモーションにSpotify広告を活用。社会人1年目の初々しさやデビューする高揚感やフレッシュ感を一人語りの演出に落とし込んでいます。
明治ブルガリアのむヨーグルト|音で商品を想起させる施策
明治は、「ブルガリアのむヨーグルト」LB81 無添加プレーンの音声広告を制作。定年後の夫婦の日常をVlog風に表現した音声クリエイティブ。朝の食卓の「音」を取り入れることで、リスナーが実際に「明治ブルガリアのむヨーグルト」のある生活をイメージしやすいよう構成しています。。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会|試験の認知と受験促進を狙った展開
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は、TOEIC Bridge® Tests および TOEIC® Tests の認知拡大・受験促進を目的に、Spotifyのオーディオ広告を展開しました。「英語が使えることが、未来につながる」というメッセージを、落ち着いたトーンでナレーション。自己成長や将来のキャリアに関心を持つ若年層に向けて、受験のモチベーションを自然に喚起する構成となっています。
資生堂ジャパン株式会社|ブランド世界観を“声”で届ける
資生堂は「ファンデ美容液」の認知拡大を目的に、楽曲CMを制作しました。このCMでは、音声広告を活用し若年層へのアプローチを強化しています。ジャズを基にしたテイストで大人らしさを演出しつつ、全年代に親しみやすいクリエイティブを実現しました。新しいベースメイクの魅力を効果的に伝える手段となっています。
視覚的な演出が難しい音声広告でも、言葉選びやナレーションのトーンによって美容商材の世界観を丁寧に伝えることが可能であることを示した好例です。
その他、オトナルで制作した音声CM・楽曲CMクリエイティブはこちらからご覧いただけます。
Spotify広告の出稿は公式認定パートナー「Spotify Advertising PARTNER」へ
Spotifyは、公式の認定パートナープログラム「Spotify Advertising PARTNER」を設けています。Spotifyのサービスや広告商品を活用し、広告主のキャンペーンに対しての貢献度が高いと評価された広告代理店や広告関連企業が認定を受けています。
デジタル音声広告代理店のオトナルは、前身の「Spotify for Brands PARTNER」プログラムから認定を受けており、その販売実績や広告枠取り扱い量がSpotifyから認められています。Spotify広告出稿の詳細は『Spotify広告メディアガイド』をダウンロードください。
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さらに詳しく知りたい方へ
いかがでしたでしょうか。本記事ではSpotifyについて、また特徴的なSpotify広告の種類についてご紹介しました。
Spotifyのようなストリーミングサービス、オンラインラジオやポッドキャストなどを筆頭に、新しいサービスや音声メディアの配信者が増えたりと日々日本の音声市場が成長しています。
オトナルでは今回ご紹介したSpotifyだけでなく、『ゲーム内音声広告「GainAds」』や『YouTubeオーディオ広告』など様々な広告出稿可能な媒体を揃えており、現在も媒体の拡大を進めています。デジタル音声広告などに興味がある方、新たな広告戦略をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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その他音声広告の出稿にご興味がある方はデジタル音声広告媒体資料一覧からご覧ください。