2024年5月に、Interactive Advertising Bureau(IAB)が主催するイベント「IAB Podcast Upfronts」が開催されました。
同イベント内で、ポッドキャストホスティングサービス大手のLibsynが登壇し、ABC Audioの副社長リズ・アレッセ氏や「The Viall Files」のホストであるニック・ヴァイアル氏と共に、それぞれの取り組みやポッドキャストの可能性について議論を展開しました。
ポッドキャストの未来について語り合う
ABC Audioが語るストーリーテリングの革新と消費習慣への対応
ABC Audioは、ポッドキャストの自由度を活かし、ABCニュースやディズニーと協力して独自のリスナーを惹きつけるためのストーリーテリングの革新に取り組んでいると語りました。さらに、ABC Audioは変化する消費習慣に対応し、「Start Here」という毎日20分でその日の主要なニュースをカバーするポッドキャストを配信しています。
また、最新の政治動向を科学的に分析する「FiveThirtyEight Politics」という番組を配信では、特定のイデオロギーに過度に偏ることを防ぐための取り組みに着手しています。同番組ではデータ活用を通じて広告主に敬遠されがちだった政治ジャンルへの出稿促進を目指すと語りました。
Libsynのデイブ・ハンリー氏「ポッドキャストはマーケターとリスナーを結びつける強力な手段」
LibsynのCRO(最高収益責任者)であるデイブ・ハンリー氏はポッドキャストのマネタイズについて触れました。ポッドキャスト広告技術の進化と動画やライブイベントからの新しい収益源の重要性を強調し、ポッドキャストがマーケターにとってリスナーと深い繋がりを築くための強力な媒体であると述べています。
ポッドキャストへの取り組みとビデオポッドキャストの可能性
ポッドキャスト「The Viall Files」のパーソナリティのニック・ヴァイアル氏は、自身の番組を活用して、新しいメディア会社Envy Mediaを立ち上げました。同社はポップカルチャーやリアリティショー、人間関係についてのコンテンツを扱うポッドキャスト企業です。
ヴァイアル氏はポッドキャストの映像要素の重要性を強調しており、ビデオポッドキャストがソーシャルメディアでのショート動画の共有を通じてリーチを拡大し、広告効果を高められると述べています。
5月の米国におけるポッドキャスト広告料金の動向も発表
2024年5月の米国におけるポッドキャスト広告の平均CPMは21.63ドルで、前月の21.89ドルや前年同月の23.34ドルよりも低い値を示しています。最も高いCPMカテゴリーはテクノロジー(27ドル)、ビジネス(25ドル)、教育(24ドル)であり、逆に、CPMが低いカテゴリーには芸術、フィクション、テレビ&映画などがある模様です。
Lybsynとは
Lybsyn(リブシン)は、ポッドキャストホスティングサービスを提供する米国企業です。2004年に設立され、ポッドキャスターがオーディオコンテンツをアップロードし、配信するためのプラットフォームを提供しています。ユーザーフレンドリーなインターフェースと、統計データ分析ツールを備え、ポッドキャストのリーチとリスナーの理解を深めることができます。RSSフィードの生成や、主要なポッドキャスト配信プラットフォームへの簡単な配信が特徴です。
参照元:Libsyn Reveals 2024 IAB Podcast Upfront Takeaways and May 2024 Podcast Advertising Rates
ポッドキャストもショート動画で拡散されるとなると、YouTubeやTikTokがポッドキャストにとっても重要なメディアだってことになるよなー?