Axiosが報じたところによれば、音楽配信大手Spotifyは広告取引の自動化を拡大するため、新たな広告取引プラットフォームである「Spotify Ad Exchange (SAX)」の試験運用を開始した模様です。
複数の関係者の情報によると、同社は米国のアドテク企業The Trade Desk (TTD)と提携し、まずは動画広告を対象に効果を検証する予定とのことです。
取引の利便性向上でGoogleなど大手に対抗
Spotifyは本取り組みによって、中小企業からの広告収入を増やすとともに、大手ブランドを含む既存の広告主に対する広告出稿の利便性向上も図ります。MetaやGoogleといった大手広告プラットフォームに対抗し、広告市場での競争力を強化する目的があるといえるでしょう。
Spotify Ad Exchange (SAX)で円滑な広告取引が可能に
SAXは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)と連携し、広告主が直接Spotifyの広告在庫にアクセスできる仕組みを提供します。The Trade Deskが提供する「オープンパス」技術を活用し、迅速な広告取引の実現を目指す模様です。また動画広告に続き、今後は音声広告在庫も対象として追加されると予想されます。
クッキーレスターゲティングにも対応
加えて、SAXは「Universal ID 2.0(UID 2.0)」と呼ばれる、クッキーレスのターゲティング技術にも対応します。これにより、プライバシーに配慮した広告配信が可能となり、Spotifyはログインユーザーを中心に精度の高いターゲティングが可能になります。
さらなる広告取引拡大を狙うSpotify
これまでSpotifyは、直販での広告枠を主に提供してきましたが、この取り組みにより広告取引自動化の拡大を目指しています。
動画広告分野での成長を目指しており、近年は音楽ビデオ市場やテレビアプリ向け動画広告にも力を入れてきました。今後もさらなる広告ネットワークの拡充が期待されます。
The Trade Deskとは
The Trade Deskは、広告主がターゲティング広告を効率的に配信できるよう支援するプラットフォームを提供するアメリカの企業です。デジタル広告市場におけるプログラマティック広告取引を専門とし、人工知能やデータ分析技術を活用して、広告主が最適なタイミングと場所で広告を配信できるようにします。The Trade Deskのプラットフォームは、動画やディスプレイ広告、ソーシャルメディア広告など多様な形式に対応し、広告パフォーマンスの最大化とリターン向上を支援しています。
参照元:Scoop: Spotify launching an ad exchange, will partner with Trade Desk
Spotifyは、YouTubeやインスタとかの他社サービスをかなり意識しているっぽいね。