YouTubeにポッドキャストをRSSフィードで送り込む方法のまとめ


こんにちは、オトナルの八木たいすけです。
10月中旬から日本でもポッドキャストをRSSフィード経由でYouTubeに送り込めるようになりました。その手法を前提とともにまとめておきます。

YouTubeにポッドキャストをRSSフィードで送り込む方法のまとめ

YouTubeでの「ポッドキャスト配信」とは?

ポッドキャスト配信に使われてるRSSフィードという配信の仕組みを使用してYouTubeにも音声コンテンツを一括アップロード、そして自動更新ができるようになりました。(こんな感じで音声再生中も↓画像部分にはポッドキャストのアートワークが表示されます)

YouTubeにもポッドキャストをRSSフィードで送り込む方法のまとめ

YouTubeにRSSでポッドキャストをアップすると番組アートワークが動画のビジュアルになるってわけ

すでに米国でもっとも利用されているポッドキャスト聴取プラットフォームはYouTube?

英語圏ではこの機能の実装前からApplePodastやSpotifyと並行してポッドキャストをYouTubeにアップロードするのは当たり前に行われていました。
Cumulus MediaとSignal Hill Insightsが2023年6月に発表した調査では、「米国でもっとも利用されているポッドキャスト聴取プラットフォームはYouTubeである」という調査結果もでています。

YouTubeにもポッドキャストをRSSフィードで送り込む方法のまとめ

引用元:10th edition of the Podcast Download study

YouTube は現在、米国で最も利用されているポッドキャスト視聴プラットフォームです。29% が YouTube を最もよく利用しているプラ​​ットフォームであると回答し、次いで Spotify (17%)、Apple (16%) となっています。(翻訳)

参照元:Is YouTube Eating Podcasts? Cumulus Media And Signal Hill Insights’ Podcast Download – Spring 2023 Report

そもそも「ポッドキャスト」って?

「ポッドキャスト」はインターネットラジオの手法のひとつで、MP3などの音声ファイルをサーバーにアップして音声配信を行う仕組みです。そこから派生して音声メディアのひとつとして捉えられています。

YouTubeにもポッドキャストをRSSフィードで送り込む方法のまとめ

RSSフィードを使用したポッドキャスト配信の仕組み

仕組みとして、サーバーに(最近ではポッドキャストCMS経由で)アップした音声ファイルを「RSSフィード」で外部に配信するのが一般的です。
たとえば、Apple PodcastやSpotify、Amazon Musicなど、よく使用されているポッドキャストアプリの場合、このサーバー側で生成した「RSSフィード」のURLを各サービスに最初に設定しておくと、エピソードを配信するたびに自動的に音声番組が公開されるようになります。
今回のYouTubeのアップデートでは、この従来のポッドキャストで使われている仕組みが導入され、ApplePodcastやSpotifyに配信するのと同時に新着のポッドキャストエピソードをポッドキャストCMSからYouTubeに公開できるようになりました。

これまでのYouTubeにおけるポッドキャスト

実はYouTubeにはこれまでも「ポッドキャスト」というアップロード機能はありました。ただ実際は音声コンテンツ配信機能ではなく、ラジオっぽい(音声主体の)動画コンテンツをYouTubeにアップロードする機能でした。
つまり、"一般的な「ポッドキャスト」の定義とは異なるラジオっぽい動画"をアップする機能だったわけです。ちなみにこのような動画付きのポッドキャスト(らしきもの)は「ビデオポッドキャスト」と呼ばれたりします。
それが今回の2023年10月のアップデートで、これまでのポッドキャスト配信で使われていた「RSSフィード」経由での番組公開方法が使えるようになったわけです。
ただ、実際にはRSSフィード経由で送り込んだコンテンツは動画コンテンツに変換されます。(くわしくは最後に書きます)

そもそもRSSフィードとは

ここはマニアックになるので詳細は割愛しますが、こういうものです↓

Subscribing to RSS feeds can allow a user to keep track of many different websites in a single news aggregator, which constantly monitor sites for new content, removing the need for the user to manually check them.
(中略)RSSフィードを購読すると、ユーザーは 1 つのアグリゲーターサービスでさまざまなコンテンツ更新を追跡できるようになり、新しいコンテンツがないか常に監視され、ユーザーが手動で もとのコンテンツを確認する必要がなくなります。※一部意訳

具体的には、https://feeds.megaphone.fm/otomarkeなどのURLにあるソースコードがRSSフィードです。このURLはポッドキャストCMSから吐き出すことができます。

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ポッドキャスト「オトマーケ」のRSSフィード

このRSSフィードのURLをSpotifyやApplePodcastへの初期設定で登録しておくと、ポッドキャスト番組で新着エピソードの公開時に複数のサービス側が連動して自動で新規エピソードが公開されるようになります。

YouTubeにRSSフィード経由でポッドキャストを配信する方法

前置きが長くなりましたが、実際にYouTubeにRSSフィード経由でポッドキャストを配信する方法について具体的に解説していきます。具体的には以下の2ステップです。

  1. YouTubeで「ポッドキャスト」を新規作成

  2. RSSフィードをYouTubeに登録

Step1: YouTubeで「ポッドキャスト」を新規作成

まずはYouTubeをアップする管理画面であるYouTubeStudioを開き、右上の「作成」→「新しいポッドキャスト」を選びます。

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YouTubeStudioの「作成」→「新しいポッドキャスト」

すると、新しいポッドキャストの作成方法として3つの選択肢が表示されます。3つ目の「RSSフィードを送信する」を選択しましょう。
ちなみに、以前はこの画面の選択肢は上の2つしかありませんでしたが、今回のアップデートで「RSSフィードを送信する」という3つの選択肢が追加されました。

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3つ目の選択肢の「RSSフィードを送信する」を選択

Step2: RSSフィードをYouTubeに登録

画面を進めると、RSSフィードの登録画面が表示されるため、ここにRSSフィードのURLを登録します。
ちなみに、「そもそも自分の番組のRSSフィードがどこにあるかわからん」という人は、自分の番組の使用しているポッドキャストCMS(旧AnchorことSpotify for Podcastersや、OmnyStudio、SoundCloudなど)にRSSフィードは記載されているので確認してみてください。

YouTubeにもポッドキャストをRSSフィードで送り込む方法のまとめ

自分の番組のRSSフィードのURLを登録

その後、所有権の確認が行われるのでメールをチェックして認証します。
すると以下の様なアップする対象コンテンツを選択する画面になるので、アップロード対象を選択します。下記の3つから選択できます。

  • すべてのエピソード

  • 特定日以降のエピソード

  • これからのエピソード(古いエピソードは表示しない)

YouTubeにもポッドキャストをRSSフィードで送り込む方法のまとめ

初回のアップロード対象エピソードを選択

次に進むと公開設定が完了し、アップロードが開始されます。
コンテンツ本数が多いと数分待たされます。

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ポッドキャストのYouTubeへのアップロード中画面

【完了】無事RSSフィード経由でポッドキャストコンテンツの登録完了

登録が完了すると無事、ポッドキャストコンテンツのアップロードが完了します。

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ポッドキャスト「オトマーケ」をRSSフィード経由で公開完了

YouTubeにRSSフィード経由でポッドキャストを公開する際の注意点

YouTubeにポッドキャストをRSSフィード経由で公開できるようになったことで、ApplePodcastなどと別でYouTubeにコンテンツをアップするなどの手動作業をしなくても、YouTubeプラットフォーム上にコンテンツが上がるようになりました。
しかし序盤で説明した通り、YouTubeのポッドキャスト公開は厳密にはポッドキャストコンテンツをYouTubeにビデオポッドキャストとして自動変換してアップロードするということになるため、従来のポッドキャストのコンテンツ配信とは異なる注意点もあります。

注意点1: 原則はポッドキャストCMSのアナリティクスに再生数が帰ってこない

Spotify for Podcasters(旧Anchor)やOmnyStudio、SoundCloudなどのポッドキャストCMSでは、その管理画面で、ApplePodcastやSpotify、AmazonMusic、GooglePodcastsなどの分析画面であるアナリティクスで再生数を一元管理して確認することができました。これは、各プラットフォームが直接CMS側のサーバーにある音源ファイルを取りに来てくれることで、実現できていました。(これがポッドキャストの良いところでもあった)
しかし、YouTubeへの配信ではYouTube側にコンテンツが格納されてしまうため、YouTube上の再生数はポッドキャストCMSの分析画面であるアナリティクスにはデータが表示されません。そのためYouTube上でのポッドキャストコンテンツの再生数を確認するためには、YouTubeStudioの管理画面を確認する必要があります。

注意点2: ポッドキャスト側の挿入した挿入型広告(DAI:Dynamic Ad Insetion)が正しく配信されない

これは、広告を挿入する媒体社限定の課題です。これもYouTube側にコンテンツが格納されてしまうために発生します。ただ、この説明は個人の方にはあまり関係ないので割愛します。
気になる方は質問などお気軽にお声がけください。

でも連携される機能もでてきそう?

YouTubeでのポッドキャスト配信の場合、配信は劇的に楽になるものの、前述の通り通常のポッドキャスト配信と比べると計測の仕組みの違いによるデータの分断が発生します。
しかし、ポッドキャストCMSのOmnyStudioを提供するTritonDigitalの動向を見ると、YouTubeとの統合を発表していることから、各ポッドキャストCMSごとにYouTubeとの共存や連携機能を模索していく可能性があります。これ以外のサービスでも連携機能はなにかしらでてきそうな気がします。

まとめ:YouTube連携でポッドキャストのリーチ増大に期待

YouTubeはなんだかんだで世界最強のコンテンツプラットフォームです。そのYouTubeでポッドキャストとの連携性が強化されたことで、ポッドキャストや音声配信のリーチを大きく広げられる可能性があります。
YouTubeがポッドキャストに参入したり、音楽ストリーミングサービスのSpotifyがビデオポッドキャストに参入したりと、これからますます動画と音声の境目がなくなっていくように思います。色々な変化はありつつこれからも音声主体のコンテンツの発展に期待したいと思います。


AMI(エイミー)

アメリカのある調査だと、ポッドキャストを聞くのに最も利用されているのは、YouTubeだという調査結果もあるらしい。

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