米国のラジオ企業Westwood oneが、米国における広告付き音声コンテンツ(ラジオやポッドキャスト、ストリーミング)の消費動向や音声広告市場の現況について発表しました。本発表は、調査会社Edison Researchが行った2023 年第4四半期の「Share of Ear」調査をもとにしています。
依然高いシェアを誇るAM/FMラジオ
米国において、AM/FMラジオが依然として広告付き音声コンテンツ市場を牽引しています。特にカーオーディオ分野では、86%のシェアを占めていることが分かりました。
成長著しいポッドキャスト
一方で、ポッドキャストのシェアは20%に達し、広告付き音声コンテンツのシェアの5分の1を占めるまでに成長しました。若年層を中心に、ポッドキャストを日常的に聴いているリスナーが著しい成長の要因となっているようです。
広告業界の認識と現実とのズレ
調査では、広告主や広告代理店がSpotifyやPandoraを過大評価している一方で、AM/FMラジオのリーチを過小評価している可能性があるといいます。Spotifyにおける広告つき音声の実際の利用時間と広告主側の認識を示した調査ではいびつな結果が示されています。
スポークン・ワード・コンテンツの需要の高まり
調査では、スポークン・ワード・コンテンツ(話し言葉によるポッドキャストやラジオなどの音声コンテンツ)のシェアが40%に達し、パンデミック前の27%から大幅に増加したことが明らかになりました。この変化は、ニュース、トークショー、スポーツ番組など、情報提供を目的としたオーディオコンテンツの人気が高まっていることを示唆します。
今回の調査結果では、AM/FMラジオが依然として強力な広告媒体であること、そして新しいメディア形式であるポッドキャストが市場に大きな影響を与え始めていることが明らかになりました。
本調査はあくまで米国市場に限定したもので、日本市場について検討する場合には適切な情報を参照する必要があります。
Share of Earとは
「Share of Ear」とは、米国の調査会社エジソンリサーチが実施している、アメリカ合衆国における音声消費の全体像を把握するための研究プロジェクトです。ラジオ、テレビ、ポッドキャスト、オーディオブック、音楽ストリーミングサービスなど、様々な音声メディアの利用状況が含まれています。本研究は、人々がメディアの利用動向を理解し、音声メディア市場の現状や変化を捉えるのに役立てられています。
Westwood oneはラジオ系企業。調査内容を見るにSpotifyが相当嫌いなんだろうな...。