オーストリアがポッドキャストに50万ユーロの資金援助を検討中。与党が法案を提出


オーストリアの政権与党である国民党と緑の党が、ポッドキャストを含めた民間放送に資金援助を行う法案を国民議会に提出しました。ポッドキャストには50万ユーロの補助金が支給される予定です。この情報は、Radiozeneが6月13日の記事で報じたものです。

オーストリアがポッドキャストに50万ユーロの資金援助を検討中。与党が法案を提出

質の高い報道の担保が目的

国民党の広報担当者によると、今回の資金援助は質の高い報道を担保するために行われるもので、これまで資金援助が行われていた民間テレビ局とラジオ局では数百万ユーロの増額が行われる予定です。また、ポッドキャストは「新しいメディアカテゴリ」に位置づけられ、50万ユーロの財政支援が行われる予定となっています。

また、緑の党の広報担当者は、ポッドキャストはこれまで資金援助を受けていなかったものの、近年はポッドキャストで優れたジャーナリズムが確立されるようになっており、ポッドキャストへの資金援助は喜ばしいことであると語っています。

法案は連立与党内やポッドキャスト業界などの合意のもとで作成されました。野党もこの法案に賛成しており、夏までに国民議会で成立する予定です。

どのようにポッドキャストを資金援助するのか

50万ユーロの資金援助の対象となるポッドキャストは、定期的に公開されているメディア、デジタル、情報、文化、教育、科学、研究をテーマにした番組となる予定です。

資金援助を受けるには申請が必要で、法案提出者によると、資金援助の要件には、1ヶ月あたり少なくとも1万回のダウンロードが必要とされています。長期間の運用も要件に含まれており、毎日更新の場合は最低10分のエピソードが年間210回、週1回更新の場合は最低30分のエピソードが年間42回必要とされています。

こうした要件を満たしたポッドキャストには年間で最大5万ユーロ、完了したシリーズの場合でも最大2万5千ユーロが提供されます。資金はオーストリアの通信規制当局であるRTRが管理する予定です。

ポッドキャストの公益性

今回の資金援助は、フェイクニュースなどに対抗して質の高い報道を確保するための取り組みのなかでポッドキャストの公益性が認められて実現したものです。YouGovが行った調査では、オーストリアで毎週1時間以上ポッドキャストを聴く人の割合は27%と決して高くはありませんが、若い世代の間でポッドキャストの利用が拡大する中で、テレビやラジオだけではなくポッドキャストも支援することは先進的な決定であると言えます。

RTRとは

RTRはオーストリアのメディア、通信、郵便サービスに関して規制、開発、促進を行う法的権限を持つ国営機関です。2001年に設立され、メディア部門と通信・郵便サービス部門に分かれています。このうちメディア部門が民間放送などへの資金を管理しています。

参照元:Österreich plant mehr Fördergelder für Privatfunk, DAB+ und Podcasts


AMI(エイミー)

50万ユーロは今のレートで約8600万円らしい。円安のせいで一層すごく見える。

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