視線追跡で広告効果を数値化、アテンションエコノミーについて電通が解説


国内外で広告・マーケティング戦略を展開する電通ジャパン・インターナショナルブランズは、最新のVision AIと視線計測技術を活用した大規模調査を実施し、デジタル広告の視聴時間とブランド想起率の関係をまとめたレポートを公開しました・

視線追跡で広告効果を数値化、アテンションエコノミーについて電通が解説

引用元:電通ジャパン・インターナショナルブランズ、広告視聴のアイトラッキングデータに基づいたアテンション調査レポート「広告効果における新指標:アテンションエコノミー]発表

アテンションエコノミーとは?広告効果の新指標

デジタル広告の効果測定で、「アテンションエコノミー」の考え方が注目されています。従来の広告効果測定はクリック数や視聴回数が用いられていました。近年の研究では、広告が実際にどれだけ視聴者の視線を捉え、認知されているかが成果に直結することが示されるようになってきました。

電通ジャパン・インターナショナルブランズが実施した最新の大規模調査では、視線追跡技術とVision AI技術を組み合わせ、様々な広告フォーマットにおけるユーザーのアテンション(広告が視認された時間や度合い)が分析されています。その結果、広告の視聴時間とブランド想起率(広告を見た後にそのブランドを思い出せる割合)の間に相関があることが明らかになりました。

アテンション調査の詳細

視線追跡で広告効果を数値化、アテンションエコノミーについて電通が解説

引用元:電通ジャパン・インターナショナルブランズ、広告視聴のアイトラッキングデータに基づいたアテンション調査レポート「広告効果における新指標:アテンションエコノミー]発表

本調査では、ユーザーの広告への注目を「能動的アテンション」「受動的アテンション」「アテンションなし」の3つのカテゴリーに分類。以下の2つの仮説に基づいて検証が行われました。

  1. 広告が視認される時間が長いほど、ブランド想起率は向上する
  2. 自発的に広告を視認した場合、強制的な視認よりもブランド想起率が高まる

調査は日本国内の8,000人以上のモバイルユーザーを対象に実施されました。最新のVision AI技術と視線計測技術を組み合わせ、広告視聴時のアテンションをリアルタイムで測定しています。ディスプレイ広告、リッチメディア広告、SNS広告など、7種類の広告フォーマットにおける視線の動きを追跡し、ユーザーの視認度を数値化しました。

さらに、広告の視聴時間や視線の動きに加え、アンケートデータを組み合わせて分析することで、ブランド想起や購買意欲との関連性を明確にしました。

視線追跡から明らかになった広告の効果

調査結果から、広告視聴時間とブランド想起率の間に明確な比例関係が確認されました。

  • 1秒未満の視聴:ブランド想起率21%
  • 10秒以上の視聴:ブランド想起率41%(約2倍の効果)

さらに注目すべきは、広告視聴の能動性がもたらす効果の差です。強制的に視聴させる広告フォーマットと比較して、ユーザーが自主的に視聴する広告の方が大幅にブランド想起率が高いことが明らかになりました。

  • 5〜10秒の自発的視聴:強制視聴と比較して想起率18ポイント上昇
  • 10秒以上の自発的視聴:強制視聴と比較して想起率79ポイント上昇

この調査結果で、今後のデジタル広告戦略において「『視聴者のアテンションをいかに獲得し、維持するか』が成功の鍵になる」ことが改めて証明されたといえるでしょう。

視線追跡技術とは

視線追跡技術(アイトラッキング)は、ユーザーの視線の動きをリアルタイムで測定し、どの位置をどの程度の時間見ているかを分析する技術です。カメラや赤外線センサーを用いて目の動きを追跡し、視認率や注視時間をデータ化します。この技術は、広告やウェブサイトのUI/UX改善、マーケティング調査などに活用されており、特にデジタル広告分野では、広告の視認効果を測定し、最適な配置やデザインの検証に役立っています。

参照元:電通ジャパン・インターナショナルブランズ、広告視聴のアイトラッキングデータに基づいたアテンション調査レポート「広告効果における新指標:アテンションエコノミー]発表


AMI(エイミー)

情報多すぎて「広告を見た」だけじゃ全然覚えてないもんな。

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