ロンドンに拠点を置くAI音声のスタートアップ企業ElevenLabsは、AI音声技術の研究と製品開発に競争力を強化するために、8千万ドルの追加資金を調達したと発表しました。
大規模資金調達で新技術、新製品開発につなげる
ElevenLabsは、音声合成のソリューションを手がける企業で、様々な言語やアクセントでAI音声を作成したりデザインしたりする機能をユーザーに提供しています。また、新たな製品として、映画のローカライズなどを支援する「Dubbing Studio」、自分の声をもとにしたAI音声を販売できる「Voice Library」、文字から音声を生成するアプリなどを、開発した模様です。これらの製品や技術は教育、エンターテインメント、出版など、様々な分野での活用を想定しています。
AIの倫理的利用も促進
同社の新たな資金調達と製品開発は、AI音声技術の安全な展開と製品提供を目指す取り組みの強化にも貢献する模様です。特に、AI音声の識別をすることが可能な「AI Speech Classifier」という技術の強化を同社は発表しています。また他社の音声配信プラットフォームなどに技術提携することを通して、AI技術の倫理的な開発と利用促進を行っていく模様です。
ElevenLabsの今後に注目
Google出身者でありElevenLabsのCTOのピョートル・ダブコウスキー氏は、
「我々のチームの努力は既にAI音声において持続的な影響を与えており、この新しい資金調達によって、さらに大きな挑戦に取り組み研究と製品開発における競争力を維持することができる」
と述べています。ElevenLabsが言語や倫理の壁を乗り越え、今後どのような技術を生み出すのか、また加速する音声AI開発競争の中でどのように戦っていくのかに注目したいところです。
ElevenLabsとは
ElevenLabsは、ロンドンを拠点とするAIスタートアップで、元Googleのピョートル・ダブコウスキー(最高技術責任者)と、パランティア出身のマティ・スタニシェフスキ(CEO)が共同で創業しました。彼らはさまざまな言語の音声合成ボイスオーバーや音声吹き替えを作成できるプラットフォームを開発しています。2023年1月にサービスをリリースし、その後、シリーズAラウンドで1900万ドル(約27億円)の資金を調達しました。また、音声クローニングの問題に対処するため、AI Speech Classifierという判定ツールを公開しています。
参照元:ElevenLabs Releases New Voice AI Products and Raises $80M Series B
さすが海外は出資額の規模が違うね。