電通グループは、2024年から2026年までの世界広告費成長率予測を上方修正しました。前回2023年12月の発表から0.4ポイント上昇し、2024年の成長率を5.0%と見込んでいます。主要市場である米国、英国、ドイツ、フランス、日本での広告費支出の見通し改善がこの上方修正に寄与している模様です。
2024年の世界の広告費は7,544億ドル(約117兆円)に達する見通しです。複数の大型スポーツイベントや多くの国で予定されている国政選挙がプラス成長に寄与しているとされています。地域別では、米州が5.9%、EMEAが4.0%、環太平洋地域が4.2%の成長を見込んでおり、広告費成長率がGDP成長率と同等かそれ以上になる国もあります。
媒体別にみる成長率
媒体別の成長率をみると、デジタル広告の成長が引き続き広告市場を牽引し、2024年のデジタル広告のシェアは59.6%、2025年には60.9%、2026年には62.0%に達する見込みです。また、リテールメディア(32.0%増)、ペイド・ソーシャル(13.7%増)、プログラマティック(10.9%増)、ペイドサーチ(7.7%増)が高い成長を予測されています。一方で、テレビ広告は2.6%増、新聞・雑誌広告はマイナス2.6%の成長と低い予測が示されています。
日本の広告市場も成長見込み
日本の広告市場も成長が期待されており、2024年は3.1%の成長が予測されています。デジタル広告は8.0%の成長を見込み、AIの活用やコネクテッドTVの普及がその成長を支えていく模様です。また、デジタル広告と連動したOOHやラジオの広告も拡大が期待されています。
音声広告市場はどうなる?
世界的な音声広告市場は2023年に比べてわずかに増加する見込みです。2024年の成長率は0.4%、2025年は1.3%、2026年は1.4%と予測されています。音声広告市場の規模は、2023年の35.5億ドルから2026年には36.4億ドルに増加すると見込まれています。
こうした予測は音声広告市場が成熟しつつあることを示しており、急激な成長は見込まれていませんが、安定した増加傾向が続くと見られています。一方で、日本の音声広告市場は海外に比べると未だ成熟しているとは言い難く、今後も音声ストリーミングやポッドキャストなどの領域で市場拡大の可能性があります。
「世界の広告費成長率予測」とは
電通の世界の広告費成長率予測は、広告市場の将来の成長を予測するための年2回のリポートです。この予測では、世界中の広告支出の成長率を地域ごとやメディア別に分析しています。デジタル広告、テレビ広告、ラジオ広告、印刷広告など各メディアの成長トレンドを示します。電通は過去のデータや市場動向を基に、今後の広告市場の動向を予測し、広告主や広告代理店に有益な情報を提供しています。
参照元:電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2024~2026)」改定版を発表
正直、AIの問題とかで不確定な要素が大きいよな…。