イギリスのラジオ聴取率調査を行うRAJARが最新の「MIDAS Autumn 2023」レポートを発表しました。このレポートでは音声コンテンツがどのように消費されているかの調査結果を発表しています。
調査の対象と方法
このレポートでは9月の2週間にわたり、イギリスの15歳以上の2,410人の成人を対象にした7日間のデータを使用して構成されています。データは年齢層別に分類されており、異なる世代がオーディオサービスをどのように利用しているかについて分析しています。
調査結果のハイライト
インターネットオーディオの台頭
レポートでは、ラジオ、ポッドキャスト、オンデマンド音楽サービスなど、インターネットを介して聴取される音声コンテンツのシェアがここ数年で拡大しているデータが示されました。従来のAM、FMラジオなどからインターネット中心の音声コンテンツ消費にユーザーが移行していることを示しています。
多様なデバイス、多様な利用シーン
調査では使用されるデバイスの種類についても詳細に分析しており、スマートフォンからスマートスピーカーまで、多様なデジタルデバイスが利用されていることがわかりました。また、聞くときの状況も重要な要素として取り上げられており、運転中、家事をしながら、リラックスしている時など、様々なシチュエーションでのオーディオの利用が明らかになっています。
ポッドキャスト市場について
ポッドキャストの聴取習慣についてのデータでは、多くのポッドキャストリスナーがいわゆる「ながら聞き」をしており、仕事中や移動中にポッドキャストを聴く傾向があることがわかりました。またポッドキャストのリスナーの3分の1以上が15歳から34歳までの若年層であることも示されています。このほか、ポッドキャストをどのように見つけるかについては「口コミ」や「ソーシャルメディア」という回答が多かったようです。
時間帯別の聴取傾向
時間帯と曜日によるリスナーのリーチ率に関するデータも提供されており、一日の中でどの時間帯に最も多くの人々がオーディオコンテンツを消費しているのかを示されています。
特に朝の通勤や家事を行う時間帯におけるラジオのリーチ数が顕著です。また帰宅時間におけるポッドキャストのリーチ数増加も見られます。これら媒体に音声広告出稿を考えている広告主にとっては有益なデータとなりそうです。
オンラインの音声コンテンツにどう向き合うかが鍵
このレポートは、インターネット時代における音声コンテンツの消費がどのように変化しているかを示しています。この変化の最も大きな潮流はやはりインターネットを中心としたコンテンツが大変広い領域で消費されていることでしょう。メディアやマーケティングに関わるうえでは、こうした変化の波をとらえ従来のメディアからどうシフトするかがカギとなりそうです。
RAJARとは
RAJAR(Radio Joint Audience Research)は、イギリスにおけるラジオ聴取率調査を行う会社です。この組織はラジオ放送局や広告主が共同で設立し、イギリス全土でのラジオ聴取の傾向や統計を提供しています。RAJARの調査は、ラジオ放送業界にとって非常に重要なデータソースとなっており、放送局のプログラム計画や広告主のマーケティング戦略の策定に役立っています。RAJARは、その広範な調査手法と精密なデータ収集で、ラジオ聴取率に関する信頼性の高い情報を提供していると評価されています。
ラジオもスマホで聴く時代だもんね…