米国で2番目の規模を誇るラジオ会社であるAudacyは、債務削減のため破産法第11条の適用を受ける再建計画を申請したと発表しました。これにより、約16億ドルの資金調達債務を解消し、その額は約19億ドルから80%減の3億5,000万ドルになる見込みであるということです。Audacyはこの再編によって、強固な資本構造を確立し、長期的な成長を促進する強力なポジションを築くことにつながるとしています。
AudacyのCEOは次のように述べています。
過去数年間、業界をリードする補完的なポジションを築き、マルチプラットフォームのオーディオコンテンツおよびエンターテインメント企業に変革してきました。競争力が高まった一方で、広告市場の持続的な課題に直面し、これに対処するためにバランスシートの再構築が必要でした。しかし、Audacyは引き続きダイナミック・オーディオ・ビジネスにおいて革新と成長を続けることができるでしょう。
再編の一環として、連邦破産法第11条の申請を開始
再編の一環として、Audacyとその子会社はテキサス州南部地区連邦破産裁判所において連邦破産法第11条の申請を開始しました。Audacyは再建支援契約(RSA)の条件を組み込んだ更生計画案を提出し、裁判所の承認を得たと発表しています。この計画により、Audacyの資金調達債務は約19億ドルから約3億5,000万ドルに減少し、債務者は再建されたAudacyの株式を受け取ることになります。
Audacyは、裁判所が計画の承認を検討するための公聴会を2月に開催し、連邦通信委員会からの規制当局の承認を得た後に破産から脱却することができると予想しています。
デジタル面での変革を計画
この再編により、Audacyはデジタル変革を進めていくとしています。独占的なプレミアムオーディオコンテンツにより差別化され、マルチプラットフォームのオーディオコンテンツとエンターテインメントのリーディングカンパニーとしての地位を維持することができる見通しであるとのことです。
現在も業務は継続している
再編プロセス中も通常の業務を継続しています。Audacyは新規タームローン3200万ドルと既存の売掛金融資枠を増額する2500万ドルを含む資金調達を計画しており、承認が得られれば、再編プロセスを通じて従業員、広告主、パートナー、ベンダーに対するコミットメントを果たしていくということです。
Audacyとは
Audacyは、米国の大手メディア企業で、ラジオ放送、デジタルメディア、エンターテインメントの分野で活動しています。同社は音楽、ニュース、トークショー、スポーツなどの多岐にわたるプログラムを提供し、国内外で数多くのラジオステーションを所有・運営しています。また、デジタルプラットフォームを通じて、オーディオコンテンツのストリーミングやポッドキャストの提供も行っています。
米国の最大のラジオ局「iHeartMedia」も、2018年に破産申請して事業再編していたよね。ラジオ局のデジタル化の波がきている…!?