英国の放送通信庁(Ofcom)が、英国におけるオーディオ聴取に関するレポートを公開しました。レポートでは、英国の成人の5分の1が毎週ポッドキャストを聴取していることや、35歳未満と社会的・経済的地位が高い人々はポッドキャスト聴取率が高いことが明らかになりました。
レポートは2023年に行われたオーディオとポッドキャストに関する調査をもとにして作成され、放送通信庁が実施した調査だけでなく、イギリスのラジオ調査会社RAJAR(Radio Joint Audience Research)などによる調査も用いられています。
英国の10人中9人が毎週オーディオコンテンツを聴取
英国の10人9人が毎週なんらかのオーディオコンテンツを聴取しています。音楽ラジオが最も人気で、オンラインの音楽サービスがそれに続きます。35歳未満ではオンラインの音楽サービスの利用の割合が高く、高齢層では音楽ラジオの利用の割合が高い結果となっています。
音楽とポッドキャストの双方でSpotifyが最も人気
オーディオプラットフォームに関する調査では、Spotifyが音楽とポッドキャストの双方で最も利用されており、35歳未満ではさらにその傾向が強いです。音楽ではYouTubeが、ポッドキャストではBBC SoundsがSpotifyに続いています。
また、ラジオのインターネット聴取ではBBC Soundsが、オーディオブックではAmazonのAudibleが最も利用されています。
成人の5分の1が毎週ポッドキャストを聴取
英国の成人の5分の1が毎週ポッドキャストを聴取しています。特に35歳未満と経済的・社会的地位が高い層では割合が高く、4分の1が毎週ポッドキャストを聴取しています。
一方で、55歳以上では毎週ポッドキャストを聴取しているのは13%で、回答者全体のうち44%がポッドキャストを1度も聴いたことがないという結果になっています。
また、ジャンルではエンターテインメントが最も人気で、ニュース・時事問題やコメディ、ディスカッションなどが続いています。
ポッドキャストの聴取シーンは家事中が最多
ポッドキャストの聴取シーンでは家事中が最も多く、34%が料理中や掃除中にポッドキャストを聴取しています。車での移動中と歩行中がともに32%と続いています。
各国で異なる音声市場の状況
今回のレポートでは英国の成人の5分の1が毎週ポッドキャストを聴取していることが示されましたが、米国のミレニアル世代の3分の1以上が毎日ポッドキャストを聴取しているという調査もあり、同じ英語圏でも国によってポッドキャストなどオーディオ聴取の傾向が異なることが分かります。
日本のオーディオ聴取に関しては、オトナルが『ポッドキャスト国内利用実態調査』を行っています。2024年3月に公開された第4回『ポッドキャスト国内利用実態調査』では、ポッドキャストをはじめとする24メディアの利用実態比較を交えた調査レポートを行っています。『ポッドキャスト国内利用実態調査』の資料ダウンロードはこちらからどうぞ。
放送通信庁(Ofcom)とは
放送通信庁ことOfcom(Office of Communications)は、英国の通信規制機関です。2003年に設立され、電気通信、放送、郵便サービスなど、様々な通信関連の分野における規制と監督を行っています。Ofcomは、市場競争の促進、消費者の保護、適切なサービスの提供を目的としており、放送番組のコンテンツ規制、ライセンス付与、市場競争の調査などを行っています。
参照元:Audio listening in the UK 2024
英国では音声市場でもBBCの影響力がとても大きいことが分かるね。