ブランディング広告とは?
今やマーケティング活用の一つとして日常的に使われる「ブランディング」。「ブランディング」はブランドを形作るための活動をさす言葉です。
商品を提供する企業が、その他存在する競合商品や類似商品と区別するために、デザインやキャッチフレーズ、名称などを用いて形成していくのが「ブランド」であり、その過程で企業や商品、サービスのブランド情報をユーザーに伝え、認知や好意的なイメージを定着させることを「ブランディング」と言います。「◯◯(商品)といえばここのブランド」というイメージをターゲット市場に浸透させることで、自然に商品が売れる流れを作ることが主な目的です。
「ブランディング広告」は、そのブランディングを実現するための広告手法です。ブランディング広告とは、直接的に購入につなげる目的ではなく、ブランドの認知拡大や理解度を深めるための広告を示します。
ブランディング広告を出稿するメディアは、テレビCMや新聞、雑誌、ラジオなど、多岐に渡ります。特に近年では、SNSやウェブ上の広告欄で動画や音声を用いたブランディング広告が多くみられています。
ブランディング広告とレスポンス広告の違いとは?
ブランディング広告と同じように挙げられる広告の種別に「レスポンス広告」というものがあります。
レスポンス広告とブランディング広告は目的が異なり、ブランディング広告が商品の好意的なイメージや認知を目的とする一方、レスポンス広告は見込み顧客からの申込みや商品購入をするユーザーの獲得を目的とします。そのため広告の出稿メディアや出稿方法が異なり、ダイレクトに届くダイレクトメールやWEBのリスティングやバナー広告、新聞の折込などが主力のツールです。直接的に商品を購入すること、もしくは資料請求や問い合わせなどのユーザーからのアクションを得ることが広告出稿の目的となります。
ブランディング広告の手法と特徴について
今やブランディング広告はネット上で多く見られる広告の一つとなりましたが、もともとたくさんの消費者にブランドを認知させることを目的としていたため、マスメディアに出稿するマス広告として存在してきました。テレビ、新聞、雑誌、ラジオを基盤としたマス広告にはどのような特徴があるのかを説明していきます。
マス広告の特徴
マス広告は交通広告や看板広告などと比較した時には、ある程度ターゲットを絞り込むことができ、ウェブ上の広告に比べて広告接触あたりの単価が安いため、大衆にリーチしやすいという特徴があります。さらにメディア媒体自体の規模が大きかったり知名度が高かったりと信憑性のある情報源として受け取りやすいという利点もあります。
マス広告の種類について
マス広告は先に挙げたようにテレビ、新聞、雑誌、ラジオの4種類があります。それぞれ広告の出し方が異なるため以下簡単に説明します。
テレビ
テレビCMには長期間出稿のタイム広告(基本1本あたり30秒)と、短期間出稿のスポット広告(基本1本あたり15秒)の2種類があります。1クール(3ヶ月間)での出稿が基本でスポンサーのクレジットも載るため露出効果が期待できます。
また番組の合間にCMが流れるので、ターゲット層に合わせて広告を出すこともできます。もっとも多くの人にリーチできる広告だと言えるでしょう。
ラジオ
ラジオCMはテレビCMと同様、プログラムの中盤に広告が流れます。また、タイム広告とスポット広告があるのもテレビ同様です。ラジオ局は地方ごとに存在するので、土地に合わせた広告を打ち出すことも可能です。さらに番組によってはスポンサー絡みの企画を番組内に取り込むこともあるため、よりリスナーにブランドのイメージを伝えていくことができます。
新聞
全面広告から、記事下部に掲載するような小さい枠での広告まで、新聞も地方紙から全国紙まで様々な種類があります。文字とイラスト・写真を使って訴求できるためインパクトを与えることができます。
雑誌
雑誌の広告はタイアップ広告と純広告の2種類。タイアップ記事は、雑誌内のコンテンツとして自社の作品を使ってもらうもので、純広告は新聞の広告のように各ページの広告枠に対して広告を掲載します。
雑誌は、主に趣味・関心などごとに購読者がわかれており、ターゲット層が絞られて作られるため、他の3つのマスメディアに比べてさらにターゲットを絞った広告を打つことができます。
マス広告における特徴について
マス広告は2018年に50%を切って以降減少し続けており、その代わりにウェブ広告が主な広告手法へと台頭しつつあります。確かに、上記で触れたレスポンス広告の場合、どのサイトから流入したか、などの結果がすぐ測れるため、ウェブ広告が合っているといえるでしょう。
しかし企業の「ブランド」を消費者に知らせるブランド広告においては、街頭広告よりも目につきやすく、記憶に残りやすい、何よりも多くの人の目や耳にメッセージを伝えることができるマス広告は今でも最も効果的な方法だと言えます。もちろん、そのぶんウェブ広告よりも出稿費用がかかるため、費用対効果を考えつつ広告を打ち出していく必要があります。
新しいブランディング広告「デジタル音声広告」
ブランディング広告に最適な新しいインターネット広告手法として「デジタル音声広告」にも注目が集まっています。「デジタル音声広告」はマス広告であるラジオ広告のように音声で訴求する広告で、ウェブサイトやスマートフォンアプリで楽しめる音声メディアに音のデジタル広告出稿を行うことが出来ます。代表的なデジタル音声広告の出稿可能メディアとしては、Spotify、radiko、ポッドキャストなどが挙げられます。
プログラマティック広告にも対応しているSpotify、radikoは、電波配信のラジオ広告とは違い、ユーザー情報を取得しているため、音声メディアによりますが性別、年齢、興味関心データに合わせた細かいターゲティングが可能です。
Spotify音声広告
世界3.2億人以上のユーザー数を誇る定額音声サービス。
Spotifyのリスナーデータを活用することで、年齢(13歳以上1歳刻みから対応)、性別、習慣、気分、季節的なイベントなどのモーメントに合わせた「プレイリストカテゴリー」やヒップ・ホップやジャズ、オルタナティブといった「ジャンル」などを組み合わせることでシーンに合わせたターゲティングができます。広告が表示されている時は、コンパニオンバナーが表示され、バナーからHPへ遷移させることも可能です。さらに、Spotifyは音声だけでなく、動画の配信をすることもできます。
Spotifyへの広告出稿をお考えの方は、詳細について『Spotify音声広告配信』から資料ダウンロードが可能です。
ラジコオーディオアド
国内最大規模のインターネットラジオアプリ。
地上波ラジオでの一律広告配信枠と、radikoユーザーの一人ひとりに合わせた個別の配信が可能となっています。プログラマティック広告のradikoでは、これまでラジオを聴く人に一律に同じ広告を配信していた広告手法でなく、過去に聴いた番組の履歴や会員データ、位置情報からユーザーを可視化した独自の自社データを活用した配信が可能です。
radiko(ラジコ)オーディオアドの詳しい内容は、『ラジコ(radiko)オーディオアド プログラマティック広告配信』から確認することができます。
ポッドキャストオーディオアド
いつでもどこでも無料で聴けるインターネットラジオアプリ。
iPhone標準搭載の「Apple Podcasts」、Androidで使用可能な「Googleポッドキャスト」のほかに、「Spotify」、「Amazon Music」、「Castbox」をはじめとした各種ポッドキャストアプリなど複数の音声聴取チャネルで聴取が可能です。ターゲティング手法としては、配信日時、曜日、国や県などのエリアターゲティング、特定のデバイスだけに配信するデバイスターゲティングができます。
ポッドキャストへの広告配信については、『ポッドキャストオーディオアド』からオーディオアド配信可能な各メディアの資料をご確認いただけます。
朝日新聞アルキキ
朝日新聞社が提供する音声ニュース配信サービス。スマートフォンと、アレクサ(Amazon Echoほか)、Googleアシスタント(Google Homeほか)で広告出稿が可能です。
音声でニュースが流れ、そのあとに広告メッセージが挿入されます。Spotify同様に、クリック可能なバナー表示が可能です(スマートフォンのみ)。
ブランディング広告としてのデジタル音声広告の特徴について
デジタル音声広告には下記の特徴があります。
聴取率が高い
音声広告は動画やSNS広告と違いスキップされにくく、音声アプリの完全再生率は平均で90%以上と非常に高い数値傾向があります。最後まで広告をユーザーに届けられる という特徴があります。
ながら聴取
音声は動画と違い、歩きながらや作業をしながらの「ながら」ユーザーに対して、情報を音声で届けることが可能です。徒歩での通勤中や家事や運動中などの何かをしながらの人に対して、コンテンツを提供できるのが強みです。
記憶に残る
米MIDROLLがNielsenを通じて行った調査では、ディスプレイ広告にくらべて、音声であるポッドキャスト広告では、ブランド認知が4.4倍高くなるというデータが出ています。
BGMや効果音、メロディを「どこかで聴いたことがある」と記憶に残りやすいと言われています。
ブランディング広告の効果測定について
デジタル音声広告×ブランドリフト
ブランドリフトは、ブランディング広告に触れた人と触れていない人で、ブランド認知や購買欲がどれくらい変化するのかを測る方法です。
インターネットの広告においては調査パネルとCookieや広告IDなどのデータを連携させることで広告接触者を特定し、精緻なブランドリフトの調査が可能になります。 申込みや購買を目的としたレスポンス広告に比べて、「ブランドの認知を高める」ことを目的としたブランディング広告は短期的な効果の見える化を行うことが難しいといえます。そのためブランディング効果を図る手法として、ブランドリフト調査を行うことでPDCAを回すことも可能になります。
デジタル音声広告におけるブランドリフトとは?
デジタル音声広告のブランドリフト調査は、「Spotify」「radiko」「朝日新聞アルキキ」などの媒体で実施が可能です。広告IDを連携させてパネル調査を行います。
デジタル音声広告に接触した広告接触者と非接触者に分けてアンケートを行い、広告の認知〜購入意向までの効果を図ることができます。認知、興味関心、商品理解、購入意向を問いかけるアンケート調査を広告接触者と広告非接触者に行うことで、実施した広告の効果を見える化します。
カスタマイズをすることで、広告配信のプランニングにより音声配信のエリアや、日時、音声広告クリエイティブごとのパフォーマンスの計測比較をすることも可能です。
デジタル音声広告は出稿した広告分のみを支払う配信量課金で、柔軟な予算でブランディング広告をはじめられることも特徴です。
インターネットの広告の中でもデジタル音声広告はブランディング広告に最適な広告面の一つです。
デジタル音声広告によるブランディングについては、音声広告のブランディング広告プランである「オーディオアドブランドリフトサーベイ」の資料でも詳しくご紹介しています。
ご興味あればぜひご覧ください。
オトナルでは日本でも注目されるデジタル音声広告の市場について、『音声マーケティング最前線2024(成長する音声コンテンツとデジタル音声広告市場)』というレポートに市場とその動向についてまとめています。
音声広告について興味のある方はぜひ参考にしてみてください。