音声テクノロジーを手掛ける米国企業のSuper Hi-Fiが、ラジオ向け新ストリーミング技術「HLS+」を発表しました。これはラジオ放送とデジタル音声コンテンツの統合して配信するもので、双方向性とパーソナライゼーションを実現する音声ストリーミング技術です。
「HLS+」とは
日本でいうとラジオ放送のライブストリーミング配信は、インターネットラジオのradikoやNHKラジオ らじる らじるなどで実現されています。電波を使った「放送」とは別に、インターネット回線を通じてライブ音声を配信するのがラジオのライブストリーミングです。
HLS+は、タイムシフト再生や楽曲の高度なスキップ機能、パーソナライズされたコンテンツの配信が可能になります。リスナーは能動的にラジオを楽しめるようになり、かつ自分の好みに合わせたコンテンツ聴取ができるようになります。
HLS+ ラジオ体験
HLS+ を使用すると、ラジオ局は従来のライブ ストリーミングと同様の音声と操作感を維持しながらリスニング体験は大幅にレベルアップすることができるといいます。下記はその一例です。
- 生放送のラジオ局でも、曲を最初から開始することが可能。楽曲のランダムな場所から始まることがなくなる。
- コンテンツがパーソナライズされる。たとえば、天気予報では各リスナーの聴取エリアに応じたものが再生されるなど。
- 広告付きの電波のラジオ放送と同時に流れてるストリーミングでは、その同じ放送を広告を削除してオンラインで配信できるようになる。
既存デバイスとの互換性を保証
HLS+は世界中の多くの既存デバイスと互換性があり、Amazon Alexa、iPhone、Android、車載エンターテイメントシステムなど、広範なデバイスで利用できます。さらに、既存のプレイアウトおよび放送システムともシームレスに統合され、広告にも対応しています。
Audacyがパートナーとなり、700以上のステーションがHLS+にアップグレード
HLS+の公開と同時に、米国2位のラジオ企業であるAudacyがHLS+ストリーミング・プラットフォームのパートナーになることも明らかになりました。Audacyが提供する700以上の独占放送局が、HLS+にアップグレードされる予定ということです。
また、この新たな技術に対して、Audacyをはじめ、Telos Alliance、Barix、Orban、Xperi and the AIM app platform、StreamGuysなど、ラジオ業界を代表する多くの企業がサポートを行うとしています。
ライブラジオがいつでも楽しめるように
Super Hi-Fi CEO の Zack Zalon 氏は次のように述べています。
HLS+は単なる技術的なブレークスルーではなく、ラジオ業界全体にとってのステップチェンジです。私たちはライブストリーミングサービスのエッセンスを取り入れ、これまでになかった機能を備えることで、次世代ラジオのビジョンを明確に打ち出しました。それを高めました。放送局とリスナーの両方にとって有益だと信じています。
デジタル音楽サービスが進化する一方、ラジオのデジタル化がやや遅れをとってきたことは否めません。今回の新たなストリーミング技術により、ラジオの聴取体験が向上し、さらに多くの人に親しみを持ってもらえるメディアとして成長していくことが期待されます。
Super Hi-Fiとは
Super Hi-Fiは米国に拠点を置く音声テクノロジー企業で、AIを用いてデジタル音楽体験を向上させる製品を開発しています。音楽ストリーミングサービスやラジオ放送局向けに、音声コンテンツの品質改善ツールなどを提供しており、曲間の無音時間の最適化や異なる曲のスムーズな繋ぎ合わせ、またリスナーの好みに合わせたプレイリストのカスタマイズ機能などを使用することができます。Super Hi-Fiはテクノロジーは、音楽業界におけるリスニング体験の改善に貢献しています。
たくさんの番組があるラジオの中から、パーソナライズしてくれる機能はめちゃくちゃ嬉しいかも。どうやってやってんのこれ?