ポッドキャストリスナーとマーケターの間には、ブランドの安全性に対する捉え方に大きな隔たりがあるようです。Audacy社が実施した、広告業界のリーダーやブランドマーケターへのインタビューおよび6,000人のポッドキャストリスナーへの調査により、マーケターが危険だとみなすコンテンツが実際にはリスナーによって肯定的に受け入れられていることが明らかになりました。
ジャンルの壁を越えた広告チャンスの創出
調査ではマーケターが安全志向のために出稿を回避するようなジャンルでも、十分広告効果が発揮される可能性が示唆されています。
例えば、企業のマーケターが敬遠しがちなクライムポッドキャスト(いわゆる犯罪モノ)がリスナーにとって「考えさせられる」とか「ストレスが減る」といった理由で肯定的に認識されているという結果が出ました。このジャンルには主にミレニアル世代やジェネレーションXの女性リスナーが多く、広告主にとって魅力的なターゲットとなっています。
引用元:Is Your Brand Playing It Too Safe in the Podcast Space?また議論を呼ぶようなトピックに関しても、リスナーの73%が購入の検討などには直接影響しないと回答しており、また約半数がそのようなコンテンツに関連するブランドをより好意的に見ると答えています。特にコメディーポッドキャストにおける過激な言葉遣いは、このジャンルに期待される要素であることが示されました。
しかし、リスナーの61%は人種差別的な発言を聞いた場合にはポッドキャストの聴取をやめると回答しており、広告のブランド安全性には一定の線引きが必要となりそうです。
鍵となるのは広告の質とホスト(パーソナリティ)への信頼
調査によれば、重要なのはどのジャンルに広告を出すかよりも広告の質だということです。ポッドキャストリスナー全体の80%は広告を聞いており、37%が特定のブランドを記憶していることから、トピックの適合性よりも広告のスタイルやコピー、クリエイティブな要素がより重要とだと考えられます。
またホストに対する信頼は極めて重要で、リスナーの80%がホストのリサーチを重視し、54%がホストが推奨する企業を信頼しているとのことです。
この調査結果を踏まえると、企業は新しい出稿先ジャンルや広告スタイルに挑戦することで、リスナーとのより深い関係を築きブランドの価値を高めるチャンスがポッドキャストにあると言えそうです。
今回の調査を行なった「Audacy」とは?
Audacyは、アメリカのラジオ会社で、音楽、ニュース、トークショーなどのコンテンツを提供しています。また、Audacyはポッドキャストやストリーミングサービスも提供しており、リスナーに多様なエンターテイメント体験を提供しています。235のラジオ局を所有する米国第2位のラジオ会社です。
参照/引用元:Is Your Brand Playing It Too Safe in the Podcast Space?
一度の人生、攻めていかないとね。