Edison ResearchとAmazon adsは「Audio in Evolution」という調査結果を公開しました。この調査では音声メディアの発展を支える5つのメガトレンドが紹介されています。
近年、ストリーミングオーディオはデジタル化と共にリスナーにとって手軽なコンテンツ購入や共有の手段として登場し、オーディオメディアの進化を牽引してきました。最新の研究「Audio in Evolution」は、本調査は2022年第4四半期に実施された米国成人1058人を対象にした調査および30人に対するオーディオ聴取傾向の変化に関するインタビューの分析を基にしています。
音声メディアの発展を支える5つのメガトレンド
- 継続するストリーミングの成長
- 音声広告が新たな顧客との接点を創出
- スマートスピーカーの普及が音声コンテンツを推進
- 音声コンテンツとプラットフォームの多様化
- 自宅での音声利用があたりまえに
1.継続するストリーミングの成長
まず第一のトレンドは、オーディオストリーミングの継続的な成長です。米国成人の75%が過去一か月間にストリーミングを利用しており、過去5年間で27%の増加を見せています。また人々は日々の音声コンテンツ消費時間の41%を、ストリーミングサービスを使って過ごしています。
2.音声広告が新たな顧客との接点を創出
ストリーミングサービスは企業にとって顧客との接触を増やし、より深くオーディエンスと関与する新たな方法を提供しています。実際、広告をつけたコンテンツに月間で78%もの人が接触しています。また、リスナーの63%はストリーミングオーディオの広告がビデオ広告よりも中断が少ないと感じています。
3.スマートスピーカーの普及が音声コンテンツを推進
オーディオストリーミングの進化は新しい技術によっても部分的に促進されています。とくに、スマートスピーカーの所有者の91%が過去一か月間になにかしらのストリーミングオーディオを利用しており、所有者でない人々よりも20%多くなっています。これは、一日のストリーミングの音声を聴く時間が12%長くなることを意味しています。
4.音声コンテンツとプラットフォームの多様化
コンテンツとプラットフォームの選択肢が増えたことによってもリスナー数が増加しています。2014年では米国成人がオーディオリスニングの20%をトーク型の音声コンテンツ(ポッドキャストなどの音楽ではない音声コンテンツ)に費やしていましたが、2023年にはそれが29%に増加し、過去10年と比較し42%のシェア増を遂げています。2022年には、月間ストリーミングオーディオリスナーは平均で2.4個のサービスを利用し、複数のサービスを利用するリスナーは週に30%も長くストリーミングサービスを利用しています。
5.自宅での音声利用があたりまえに
最後に、新しい技術はオーディオコンテンツをさらに家庭に持ち込みこの傾向は今後も続くと予想されています。音声の聴取の58%が家庭内で行われており、2015年から21%増加しました。パンデミック前の日常が戻ってきたにも関わらず、この数字は2020年から2022年にかけて横ばいを保っています。また米国成人の42%が、3年前と比べて自宅での音声コンテンツの利用頻度が増加したと報告しています。
音声メディアの展望
音声メディアの成長を促進するこれらのメガトレンドは、音声広告を通じて消費者との関わりを深めたいブランドにとって、新たな機会を提供していくと考えられます。あくまで米国の調査ではありますが、日本市場も音声コンテンツや企業のポッドキャスト活用が増加しているため参考になる部分がありそうです。
エジソンリサーチとは
エジソンリサーチ(Edison Research)は、市場調査と世論調査の分野で国際的に活動する企業です。特に、音声領域におけるリスナーの行動や嗜好に関する研究で知られています。毎年、「InfiniteDial」という調査を通じて、米国のポッドキャストをはじめとした音声メディアに関する調査を公開しています。
参照/引用元:Audio in Evolution: Five Megatrends from a Decade of Streaming Research
相変わらずエジソンリサーチはいい仕事するよな。