こんにちは、オトナルの八木たいすけです。
2023年9月に公開されたiOS17で、Apple Podcastにおいても仕様変更がありました。その中でも「自動ダウンロード」に関する仕様変更はポッドキャストの配信数(ダウンロード数)に直接的な影響を与える可能性があります。今回の記事では、Apple Podcastにおけるポッドキャストの再生と自動ダウンロードに関する変更について解説していきます。
Apple Podcastで自動ダウンロードの仕様が変更に
2023年の9月にリリースされたiOS17で行われたアップデートにより、エピソードの「自動ダウンロード」の仕様が変更されました。以前は再生していないエピソードでも自動的にダウンロードされることがありましたが、新しい仕様ではアクティブなリスナーのみに自動ダウンロードが継続するようになります。
具体的には、特定の条件を満たさずアクティブなリスナーではないと判断される場合、自動ダウンロードが自動で止まり、制限されるようになっています。
仕様変更により、ポッドキャストの再生数が減る可能性があり
このアップデートは、リスナー数を把握する上での本質的なアップデートではありますが、ポッドキャストの配信数が減る可能性があります。Spotify for PodcastersやOmnyStudio、SoundCloudといったサードパーティーのポッドキャストCMSを使用している場合、iOS17のユーザーの「自動ダウンロード」がアクティブリスナー以外は解除されいくためアナリティクスの配信数値が減少することが考えられます。
ただ、実際のところは「ダウンロードされたものの再生されていない」というケースが減少するため、ポッドキャストエピソードのより正確な「再生数」の把握ができるようになります。
これまでのダウンロード数のカウント方法は?
これまでのAppleポッドキャストは、Wi-Fi環境でアプリを開いた場合、フォローしている番組のうち新規エピソードが公開されているものについて、自動でダウンロードされる仕様になっていました。そのため、たとえば1ヶ月間Appleポッドキャストを開いておらず、久々にWi-Fi環境でアプリを開いた場合、大量のエピソードが自動的にダウンロードされていたというわけです。
実際は聴いていないかもしれないのに、配信者側ではダウンロード数で分析をする仕様になっていたため、正確ではない数値となっている可能性が指摘されていました。
自動ダウンロード一時停止の条件とは
現在も自動ダウンロード機能は引き続きデフォルトでオンになっています。今回新たに設けられた自動ダウンロードの一時停止の条件は、以下の2点です。
- 自動ダウンロードは、デバイスのストレージ空き容量が不足すると一時停止され、ストレージ空き容量が増えると再開される。
- フォローしている番組をリスナーが15日を超えて再生しておらず、かつ最新の5つのエピソードを再生していない場合、その番組の自動ダウンロードは一時停止される。
つまり、再生する期間のインターバルが長いか、もしくは直近のエピソードを聴いていない、という場合、それはすなわちアクティブリスナーではない、という判断がされ、それぞれの番組におけるアクティブなポッドキャストリスナーのみ「自動ダウンロード」という挙動が実行されることになります。これはより本質的なアップデートだと感じます。
今後はより正確な視聴計測が可能となる
今回の仕様変更により、今後は本当にポッドキャストを再生している状態に近い人にのみ自動ダウンロードが行われるようになるため、 より本質的な再生の評価ができるといえるでしょう。
なお、SpotifyやAmazon Musicにおいては、再生数をエピソードのダウンロードではなくストリーミングを基準にしており、再生ボタンを押したときに計測されるという仕組みとなっています。この計測の仕組みとApplePodcastの配信数の計測の仕組みに違いがあることはこれまでも課題とされていました。
今回のAppleポッドキャストの仕様変更により、各プラットフォームでも比較しやすい正しい再生数の計測が行われるようになるといえるでしょう。ポッドキャストの数値計測については、今後の指標の統合が期待されているところでもあり、今後のさらなるアップデートに期待をしたいところです。
この内容は下記のポッドキャストでもお聴きいただけます。
この内容は下記のポッドキャストでもお聴きいただけます。
ぜひ、家事や移動時間の合間の情報収集にお聞きください。
Apple Podcast
Spotify
参照/引用元:Apple Podcast App 自動ダウンロード
ダウンロード数が減るとネガティブになりがちだけど、とってもポジティブな変化だ。