アメリカの調査会社Spherical Insights & Consultingによる調査で、2023年に1億7040万ドルだった世界のオーディオインターフェース市場は、2033年までに2億9820万ドルに達する見込みがあると明らかになりました。
高品質な音声コンテンツには必要不可欠なオーディオインターフェース
オーディオインターフェースは、外部の音源やマイクからの音声をデジタル信号に変換し、コンピューターで扱えるようにする機器です。またスピーカーやヘッドフォンに音を出力する機能も持っています。音楽制作、ポッドキャストの収録、ライブ配信など、高品質なオーディオを扱う際に重要な役割を果たします。オーディオインターフェースを使わずにこのような作業を行うとPCのCPUやメモリに大きな負荷がかかり、PCの動作や音声の品質の低下を引き起こします。
具体的な成長の予測
レポートでは、今後の成長の仕方についても言及されています。具体的には、USBで接続するタイプの機器が予測期間中に市場の最大のシェアを占めると予測されています。これは、USBが幅広いデバイスとの互換性があり手頃な価格で利用しやすいためです。また耐久性と信頼性の高さから、仮想オーディオインターフェースよりもハードウェアのオーディオインターフェースが市場シェアの大部分を占めると予想されています。このほか、オンデマンドのオーディオコンテンツの人気やポッドキャストコンテンツへの需要の高まり、オンライン音楽制作の成長によって、プロのスタジオ仕様のオーディオインターフェース市場が大きく成長を見せると予測されています。
アジア地域市場が急成長見込み
北米は予測期間中に最大の市場シェアを占めると予想されています。これはハリウッドを中心とした映画産業でのオーディオインターフェースの広範な使用が見込まれているためです。一方市場の成長率では、アジア太平洋地域が経済成長とメディアやエンターテインメント産業の拡大に伴い、予測期間中に最も速い成長を遂げると予測されています。
オーディオインターフェース市場から見えてくる音声コンテンツの成長
前述したように、オーディオインターフェースは音声コンテンツを制作する上では非常に重要なアイテムとなります。そのため今回発表された予測は、今後も音声コンテンツ市場が発展していく可能性を示しているともいえます。オーディオインターフェースを用いるコンテンツには、ポッドキャストや音声ライブ配信、ストリーミング音楽など多くの種類が存在していますが、これらの今後のコンテンツの成長にも注目していく必要がありそうです。
仮想オーディオインターフェースとは
仮想オーディオインターフェースとはソフトウェアベースのオーディオインターフェースで、複数のオーディオソースを一つに混合することができます。これにより、異なるアプリケーションからの音声を一つにまとめたり、特定のアプリケーションにのみ音声を送信することが可能です。一方、ハードウェアのオーディオインターフェース、マイクや楽器からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、コンピューターで処理できるようにします。仮想インターフェースは柔軟性が高く、設定のカスタマイズが容易ですが、音質は使用するソフトウェアの品質に依存します。
参照元:Global Audio Interface Market Size To Worth USD 298.2 Million By 2033 | CAGR Of 5.76%
初心者DAWユーザー、入出力チャンネルが多いインターフェースに憧れがち説。