電通が、「2023年 日本の広告費」に関する調査レポートを発表し、日本における広告費が過去最高を更新したことが明らかになりました。2023年の総広告費は7兆3,167億円(前年比123.0%)となりました。
コロナ禍収束により、広告市場全体が成長した
新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、広告市場全体が成長した一年となりました。上半期では、リアルイベントの増加や観光・旅行の活性化により回復が見られました。下半期には猛暑や中東問題などの影響を受けたものの、社会・経済活動の活発化に伴い、「交通・レジャー」「外食・各種サービス」「飲料・嗜好品」などの広告需要が高まりました。
インターネット広告費は広告費全体の45.5%
特に目を引くのは、インターネット広告費の増加です。インターネット広告費は3兆3,330億円(前年比107.8%)となり、広告費全体の45.5%を占める結果となりました。コネクテッドTVの利用拡大やデジタルプロモーション市場の成長がこの増加に寄与したといえます。
ラジオデジタルも着実に伸長
「ラジオデジタル」の広告費は28億円(前年比127.3%)と、こちらも前年に続き大きく伸長しています。ポッドキャストなどの音声メディアがデジタル分野で高い注目を集めており、radikoを含むラジオデジタル広告における新規出稿数が増加の傾向にあります。
エンターテインメント施設関連の広告費が大幅に増加
プロモーションメディア広告費における「イベント・展示・映像ほか」は3,845億円(前年比128.7%)でした。コロナ禍で中止や小規模化されていたイベントの再開や大規模化、インバウンド需要の回復によりエンターテインメント施設における催事企画の増加が要因とされています。
今後はインターネット動画広告の増加が見込まれる
2023年の日本の広告費を総括すると、マスメディア四媒体の広告費は減少傾向、インターネット広告費は増加傾向であることが明らかになりました。一方で、マスメディア四媒体由来のデジタル広告費は前年に続き増加しました。
また、コネクテッドTVの普及とともに、見逃し無料配信動画サービスなどのインターネット動画の視聴者数が着実に増加していることもあり、インターネット動画広告の効果に対する期待が高まっています。ラジオデジタル広告の増加も含め、年々変化を続けるインターネット広告の動向に今後も注目が集まります。
電通による調査「日本の広告費」とは
電通の調査「日本の広告費」は、日本国内の広告市場の規模やトレンドを把握するための定期的な報告書です。広告出稿先やメディアの傾向、各業界の広告支出動向など、幅広い情報が提供されます。企業や広告業界関係者にとって、市場動向や競合情報を把握し、戦略立案に活用する貴重な資料となっています。
参照/引用元:2023年 日本の広告費
ラジオデジタルの広告費、前年比127.3%ってなかなかやるじゃん。