カナダの通信規制当局が、SpotifyやNetflixなどの大手ストリーミングサービス事業者に対して、カナダ国内での収益の5%を支払うよう義務づけると発表しました。支払われた金額は、カナダ国内のメディアや国産コンテンツへの支援資金として充てられる予定です。
個人制作コンテンツは対象外
今回の措置は、2023年に国会で可決されたオンラインストリーミング法に基づいて導入され、通信規制当局であるカナダ・ラジオテレビ電気通信委員会が実施するものです。SpotifyやNetflix、Amazon Prime Video、Disney+といった大手ストリーミングサービスを対象としています。カナダ国内の放送局と提携しているサービスや、個人が制作したコンテンツは対象外とされています。
措置は2024年から2025年の放送年度に開始され、年間で約2億カナダドル(約230億円)が集まると見込まれています。納められた金額は、カナダ国内のメディアや国産コンテンツへの支援資金として充てられる予定です。
今回の措置について、監督やメディアプロデューサーなどの組合が賛成している一方で、Netflixなどが加盟するカナダ映画協会は反対を表明しています。また措置の反動として、ストリーミングサービスの撤退や利用料金の値上げが行われる可能性があるという指摘もあります。
同様の措置はフランスでも
今回のようにストリーミングサービスを対象として、収益の一部を支払うよう命じた国にフランスが挙げられます。フランスは2021年にカナダと同様の措置を定め、収益の最大25%をフランス国内での投資に充てています。
今回の措置はカナダ国内で大きな議論となり、国際的にも注目されていました。数年にわたる議論の末に実施された今回の措置に対しては、今後のストリーミングサービス各社の対応や、諸外国の動きが注目されます。
カナダ・ラジオテレビ電気通信委員会とは
カナダ・ラジオテレビ電気通信委員会(CRTC)は、カナダの電気通信および放送に関する独立規制機関で、主に料金審査や通信および放送規則の制定、免許の付与、放送などに関する紛争の調停などを担当しています。
参照元:Foreign streamers must pay into fund to boost Canadian content, CRTC says
カナダ出身のジャスティン・ビーバーの曲がカナダ国内のコンテンツとして認められないかもしれないらしいよ。