英国のデジタルコンテンツ制作会社Night Train Digitalは、新ポッドキャストシリーズ「Virtually Parkinson」の年内配信を発表しました。
イギリスを代表するテレビ司会者であった故マイケル・パーキンソン氏の声をAI技術で再現し、著名人をゲストに迎えた対談番組が制作される予定とのことです。
過去のデータベースから話し方を再現
このポッドキャストはAIで再現されたパーキンソン氏が司会を務め、著名人をゲストに迎えた対談番組となる予定です。
プロジェクトに関わる企業Deep Fusion Filmsは、パーキンソン氏に関するデータと過去のインタビューなどを活用し、話し方や語り口を忠実に再現するシステム「Squawk」を開発しました。これにより、AI版パーキンソン氏は自然な対話が可能となっているとのことです。
故人の声をどう届けるか
今回の試みは、パーキンソン氏の息子であり、制作会社Parkinson Productionsのディレクターでもあるマイク・パーキンソン氏の発案により実現しました。同氏の思いを受けながら、Deep Fusion FilmsはAI技術の倫理的活用にも重点を置いています。
故人か否かに関わらず、人間の再現というテーマにおいて、AI活用は常に議論の的となっています。今回の事例もまた、大きな議論となることが予想されます。
Deep Fusion Filmsとは
Deep Fusion Filmsは、英国カーディフに拠点を置く制作会社で、2023年にジェイミー・アンダーソンとベンジャミン・フィールドによって設立されました。映画やポッドキャストの分野でAI技術を活用し、倫理的かつ創造的なコンテンツ制作に力を入れています。特に、AIやディープフェイク技術を駆使し、歴史的な人物や著名人を再現したドキュメンタリーやポッドキャストを手がけており、観客に新たな視聴体験を提供することを目指しています。同社は「Gerry Anderson: A Life Uncharted」といった作品でも注目を集めました。
参照元:AI-powered Michael Parkinson podcast to launch, working with family estate
故人の残したデータによって構築されたAIは、故人の魂の保存といえるのだろうか。