音楽ストリーミングサービス「Spotify」を運営するSpotify Technology S.A.は、3月31日に現在の最高財務責任者(CFO)であるポール・ヴォーゲル氏が同社を離れることを発表しました。
後任のCFO探しにあたり、同社は外部からの採用を行う予定です。その間、財務計画および分析担当の副社長であるベン・クン氏が、財務リーダーシップチームの再編を支援する業務にあたるようです。
大規模リストラの渦中で…
Spotifyの創設者であり、最高経営責任者(CEO)のダニエル・エク氏は、
「Spotifyは過去2年間にわたり進化を遂げ、市場の期待に沿った支出をしながら、重要な成長機会への資金提供を両立させる必要がありました。このバランスについてポールとは沢山話し合いましたが、Spotifyは新しいフェーズに入っており、様々な経験の組み合わせを持つCFOが必要だと結論づけました。そのため、彼との別れを決めましたが、彼が世界的なパンデミックと前例のない経済的不確実性を通じて私たちのビジネスの拡大を支えるために提供してくれた安定した手腕に非常に感謝しています」
と述べています。先日Spotifyは従業員の17%にあたる約1500人を解雇すると発表しており、今回のCFO交代はこの人員整理の一環とも考えられます。
激化する市場競争をSpotifyはどう戦うのか
市場の期待に沿った支出と成長機会のバランスを取るという課題を背景に、Spotifyは今後、大きな財務戦略の見直しを進める可能性が高いです。Spotifyは、音楽業界のデジタル化の先駆者として長年その地位を確立してきましたが、音声コンテンツの分野での競争が激化する中で、さらなる革新と成長戦略の実行が求められています。先日の従業員の大規模解雇劇のからその動向が大きく注目されるSpotifyですが、これら一連の発表は次のフェーズでSpotifyがどう戦うかという、ある種の決意表明のようにも受け取ることができます。
ポール・ヴォーゲル(Paul Vogel)氏とはどんな人物か
ポール・ヴォーゲル氏は、Spotifyの最高財務責任者(CFO)で、2016年からの約8年間Spotifyで活躍しました。彼はウォールストリートで20年以上の金融テクノロジー/メディア業界に精通した経験を持っています。Spotifyでは、ユーザーの大幅な増加とパンデミックを経験し、またSpotifyの株式公開にも貢献しました。彼は長年Spotifyを支えてきた、いわば影の立役者的存在でした。
参照元:Spotify Announces CFO Transition March 31, 2024
いったいSpotifyはどこへ向かっていくのだ…