米ラジオ局Audacyが定額制ストリーミングサービスを計画。デジタル収益での事業成長を見込む


ウェブメディア「Inside Radio」によると、米国2位のラジオ企業であるAudacyがデジタルビジネス強化の一環として、定額制ストリーミングサービスの計画を発表したことが明らかになりました。同社は今年に入り破産法を申請しており、ストリーミング広告収入のシェア拡大やデジタル広告市場での収益強化が課題となっています。

Audacyが定額制ストリーミングサービスを計画。デジタル機能導入で事業成長を見込む

定額制ストリーミングサービスでデジタルオーディオ市場への浸透を加速

この新たな取り組みはデジタル音声市場への参入強化を目的としており、同社は2027年までに2,000万ドルの収益を見込んでいます。この計画には強力なストリーミング音声アプリの構築やポッドキャストへの数千万ドルの投資が含まれています。

TuneInなどとのパートナーシップで、広告販売のシェアも拡大し収益増大を狙う

Audacyは、音声ストリーミングプラットフォームであるTuneInなどとのパートナーシップを通じて放送コンテンツやポッドキャストをストリーミング・リスナーに提供し、同時に広告主向けに広告を販売することで収益を増大させる戦略を展開していくということです。これにより、広告販売のシェアを拡大し、デジタル在庫を求めるマーケターとの取引を拡大していくことを計画しています。

ストリーミング・プラットフォームの機能強化も

Audacyは今年初めにストリーミングの機能強化を行い、プラットフォーム上でパーソナライズされたインタラクティブなラジオ体験を提供することで、リスニング機会と聴取時間を増やす計画も掲げています。今回の取り組みはその新しいデジタル配信から獲得したリスナーに、定額制の音楽ストリーミング・オプションを提供するアップセル戦略の一環ともとれます。

デジタル機能の導入で大幅な事業成長を見込む

同社は、これらのデジタル機能の導入により、2027年までにストリーミング広告収入のシェアを2.0%まで拡大できると予測しています。

破産申請前に立案された事業計画では、ポッドキャスト事業の成長も見込んでおり、2027年までに年率25%で事業が成長し、利益率も改善する見通しを発表しています。

事業計画の実行には株主との合意が不可欠

Audacyの今後の展望について、同社が法廷に再建計画を提出した際、CEOのデビッド・フィールド氏は次のように述べています。

我々は戦略的にAudacyをマルチプラットフォーム・オーディオ・コンテンツとエンターテインメントのリーディングカンパニーへと変貌させてきた。規模を拡大したリーダーとしての地位、独自に差別化されたプレミアム・オーディオ・コンテンツ、そして強固な資本構造により、Audacyはダイナミックなオーディオ・ビジネスにおける革新と成長を継続するための好位置につけると確信しています。

ただし、Audacyのこれからの計画の実行には貸し手との合意が不可欠です。Audacyは1月7日に連邦破産法第11章の申請を行い、未払い債務を大幅に削減することで更生を図っています。金融機関からのDIP融資も受け入れ、デジタルの進化を続けるための資金を確保しているということから、引き続き今後の動向に注目していく必要がありそうです。

TuneInとは

TuneInは、オンラインラジオストリーミングプラットフォームであり、世界中のラジオ放送局やポッドキャストを聴取できるサービスです。ユーザーは、音楽、ニュース、トークショーなどのコンテンツを無料で楽しむことができます。また、プレミアムサブスクリプションを通じて、広告なしで楽曲を再生したり、オンデマンドコンテンツにアクセスしたりすることもできます。

参照/引用元:Audacy Plans for Subscription Streaming Service in Response to the Growing Digital Trend.


AMI(エイミー)

やっぱりデジタル面への強化は不可欠だよね。頑張れ〜。

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