オーストラリアの民放ラジオ放送業界団体のCommercial Radio & Audio(CRA)がラジオの広告収入について、四半期および年間ベースで集計されたデータを発表しました。これによると、放送ラジオ広告収入が厳しい市場状況の中でも業績を維持していることが示されています。
5大都市市場全体ラジオ広告収入は減少、市場全体は安定傾向
2023年の5大都市市場全体の放送ラジオ広告収入は6億7,325万2,000ドルであり、これは前年の7億140万2,000ドルからの4%の減少となりました。しかし、CRAのCEOであるフォード・エナルズ氏は、商業ラジオ広告収入全体が厳しい市場にもかかわらず安定しており、放送ラジオ収入が好調を維持し、さらにデジタル音声収入も記録的な伸びを示したことを強調しています。
首都圏のラジオ放送広告収入は増加
その一方で、首都圏ラジオの放送広告収入は増加しています。これは、年間27%増となったデジタル音声ストリーミングとポッドキャストの収入を除いた、地上波ラジオ広告の売上であるといいます。
特に旅行と自動車分野の広告費が多く、今後の1年間のラジオの業績についてもとても前向きであるということです。
ラジオは費用対効果を得られる媒体である
今回のレポートを受けて、エナルズ氏は次のように述べています。
ラジオは、予算が限られている中で、代理店が費用対効果を得られる媒体であることに変わりはない。代理店やクライアントがラジオの能力を認めているため、今年も同様の水準で投資が続くと思われます。
本レポートは、デジタル音声広告だけではなく、ラジオ広告収入も増加している地域があるという、今後のラジオ広告のあり方を考えさせられるレポートでした。
日本でも、ラジオ広告においては、定量的な効果のレポーティングやデジタル広告と連携した活用が可能なラジオ広告出稿ソリューションなども提供されています。CRAの広告主の状況からもわかるように、ラジオ広告は自動車移動中や生活時間へのリーチを実現できる貴重な媒体であるといえるでしょう。
Commercial Radio & Audioとは
Commercial Radio & Audio(CRA)は、オーストラリアの民放ラジオ放送業界の団体であり、広告主や聴取者のニーズを代表し、業界の発展と利益を促進することを目的としています。CRAは、放送ラジオとオーディオメディアに関連する様々な問題に取り組み、業界全体の成長や技術革新を支援します。
参照/引用元:COMMERCIAL RADIO ANNUAL AD REVENUE HOLDS STEADY IN A CHALLENGING MARKET
自動車ジャンルが強いのは、ラジオが運転時間との相性が良いってこと。