デジタル音声広告の基礎を解説!2つの実施方法「ベイクドイン」と「DAI(動的挿入広告)」とは?


こんにちは、オトナルの八木たいすけです。「デジタル音声広告」は米国では第5のデジタル広告と位置付けられ、デジタル広告の一翼を担う新興フォーマットとして注目を集めています。

IAB(Interactive Advertising Bureau)による2023年の市場調査では、米国のデジタル広告のシェアはディスプレイ(バナー)広告とリスティング広告が過去5年で1〜4%ほど低下しており、動画広告と音声広告が増加しています。

今回の記事では、デジタル音声広告の基礎編として、広告の種類や配信手法などについて解説します。

デジタル音声広告の基礎を解説!2つの実施方法「ベイクドイン」と「DAI(動的挿入広告)」とは?

そもそもデジタル音声広告とは?ラジオ広告の違いとは?

デジタル音声広告(デジタルオーディオ広告)とは、インターネット上の音声メディアに配信される広告です。これまで音声メディアといえばラジオ局の放送をベースとしたラジオでしたが、インターネットの普及により、地上波とインターネットの同時配信が可能となったことから、音声コンテンツのインターネット配信が普及しています。

このデジタル音声広告の手法は大きく分けると2つに分かれます。下記ではそれを説明していきます。

デジタル音声広告の実現方法1.ベイクドインアズ(焼き付け型/完パケ型)

ベイクドインアズ(Baked In Ads)は、特定のエピソードに広告を挿入し、そのエピソード限定の広告形態です。昔ながらのラジオ広告などで行われてきた、いわゆる「完パケ」型の広告手法です。

例えば、100話のエピソードを持つポッドキャスト番組の中で、50話・51話・52話でその広告枠を挿入していた場合、 3つのエピソードの中にしか広告が入っていないという状態になります。

エピソードに広告が焼き付けられる(Baked in)ため、エピソードが残る限り広告が継続して配信されることから、長期的な広告効果が期待できます。

広告クリエイティブに「CM素材」を使うか、「ホストリード」で行うか

挿入する広告のクリエイティブの考え方として、広告主や代理手が作成した「CM素材」を使うか、「ホストリード」にするかの2つの選択肢があります。ホストリードとは、番組のパーソナリティによる広告を読み上げる広告手法です。日本のラジオだと「インフォマーシャル」などと呼ばれ、昔から存在する手法でもあります。ウェブ広告でいうところのタイアップ広告のイメージです。

広告とコンテンツの親和性が高く、ブランド認知度を高めることが期待できます。またポッドキャストなどに代表されるデジタル音声広告では、リスナーが能動的に再生ボタンを押してコンテンツに触れるオンデマンド再生であることが多いため、よりその広告効果が高いとされています。

米国で行われた調査では、ホストリード広告はナレーターによる読み上げの音声広告と比較して、91%高いブランドリフト効果が出るなど、高い効果が実証されています。

デジタル音声広告の基礎を解説!ベイクドインアズとダイナミックインサーションって?

引用元:Podcast Ads Perform, Host Reads Outperform

引用/参照元:Podcast Ads Perform, Host Reads Outperform

デジタル音声広告の実現方法2.DAI(動的挿入広告)

DAI(動的挿入広告/Dynamic Inserted AdsまたはDynamic Ad Insertion)は、アドサーバーなどのテクノロジーを用いて全ての過去エピソードに動的に広告を挿入することができる方法です。英語圏のポッドキャスト広告業界では「DAI(ディーエーアイ)」などと呼ばれています。動画広告などでも行われている広告挿入手法であり、イメージとしては、YouTubeに挿入される広告などを思い浮かべるとわかりやすいかも知れません。

たとえば、100話のエピソードを持つポッドキャスト番組の場合、広告配信期間中は過去100本のエピソードすべてに広告が挿入され、配信期間が終了すると広告配信が停止する、といった広告キャンペーンを実現できます。

音声広告における「DAI(動的挿入広告)」のメリットとデメリット

DAI(動的挿入広告)のメリットとして、過去のエピソード全てが広告枠として活用できるため、配信対象エピソード分の露出が期待できます。期間が決まっているキャンペーンに向いているといえるでしょう。

一方、デメリットとしては、配信期間が終わると全ての広告がストップするため、アーカイブ性が期待できません。また全エピソードへの一斉配信となるためホストリード広告の実施が難しい点が挙げられます。

デジタル音声広告の課金形態

デジタル音声広告の課金形態は、再生数やダウンロード数に応じたものが一般的です。DAI(動的挿入広告)の場合は、再生数やダウンロード数に応じて広告費用が発生します。

  • 1配信あたり◯円(CPM:1000配信あたり◯円)

という風にCPM(Cost Per Mile)あたりの料金であることが多いです。

一方ベイクドイン型の場合は、原則タイアップ広告と同様の考え方になり。基本的には広告の配信数を保証しません。

  • 1タイアップあたり◯万円
  • 1ヶ月分、4週分のエピソードへの出稿で◯万円

というような料金の考え方になります。アーカイブされ続けることや高いエンゲージメントを期待できることに対価を払う形となります。

デジタル音声広告の出稿方法

DAI(動的挿入広告)への出稿の場合、『オトナルポッドキャストアドネットワーク』を活用することで、Apple podcastsやAmazon Music、Google podcasts、Spotifyなど各種ポッドキャストを聴くことができるプラットフォームに、アドサーバーから広告を挿入した音声コンテンツを配信できます。

また、ベイクドイン型のホストリード広告への出稿の場合は、ポッドキャスト配信者が音声広告を読み上げる音声広告プラン『PODCASTER PROMOTION(ポッドキャスタープロモーション)』を活用して、最適な番組とのタイアップを実施することができます。ゲーム内音声広告『GainAds(ゲイン アズ)』などではゲーム内にDAI(動的挿入広告)型で音声広告出稿が出来ます。

今回は、デジタル音声広告基礎編1として、音声広告の2つの実現手法「ベイクドイン」と「DAI(動的挿入広告)」について解説しました。次回以降もデジタル音声広告の基礎について解説をしていきたいと思います。

この内容は下記のポッドキャストでもお聴きいただけます。

この内容は下記のポッドキャストでもお聴きいただけます。

※本記事は2021年4月20日に公開されたポッドキャストをベースに記事化したものです。記事内では2024年の情報に一部修正を行っています。


AMI(エイミー)

ホストリード広告って嫌悪感がなくていいよね。あとDAI(動的挿入広告)は、YouTube広告の音声版みたいな感じ?

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