IABとPwCが共同で実施した、米国のインターネット広告に関する最新レポートが発表されました。本調査は毎年、米国のネット広告業界団体Interactive Advertising Bureau(通称IAB)が1年に1回公開している米国デジタル広告市場についての調査レポートです。
同レポートでは各広告フォーマットの成長が示されており、特にデジタル音声広告はまだシェア自体は大きくないものの3年連続で最も高い成長率となっています。このデジタル音声広告には、ポッドキャスト、音楽配信サービス、ラジオプラットフォームなどが含まれます。
2023年にデジタル音声広告市場は大幅に成長を遂げ、前年比で18.9%の増加を記録しています。音声サービスにおける広告モデルの増加や、AIを活用した広告のパーソナライゼーションが成長に影響している模様です。一方、バナー広告ことディスプレイ広告は前年成長率が4%と鈍化傾向にあります。
米国のデジタル音声広告市場は1兆円*を突破
米国のデジタル音声広告は、媒体社ネットで70億ドルを突破しており、日本円で1兆円*以上のデジタル広告市場となっています。(*1ドル=150円計算)
デジタル音声広告の市場シェアは3.1%に。ディスプレイ広告とリスティングは成長鈍化
広告費全体に占める割合は3.1%とまだまだ大きくはありませんが、毎年少しずつシェアを増やしています。その一方で、ディスプレイ広告とリスティング広告は市場シェアでは過去5年で1〜4%の減少となっています。広告主の広告予算が動画広告や音声広告といった新興のリッチフォーマットに移っているといえるでしょう。
デジタル音声広告の市場成長の背景
広告モデルの増加による利用ユーザーと広告枠在庫の拡大
複数の音声サービスでサブスクリプションの前段階としてフリーミアムの「広告モデル」が導入されており、多くのリスナーが配信される音声コンテンツを利用できるようになっています。その結果、利用ユーザーや広告枠の在庫が拡大しています。
AIによるパーソナライゼーション
AIによるパーソナライゼーションもデジタル音声広告の市場の拡大にも寄与していると思われます。ユーザーの利用データに基づく広告ターゲティングや、AIによる音声の文字おこしをベースとしたコンテキストターゲティングなど、AIを活用したパーソナライゼーションの向上が広告費の増加につながっています。
2024年のデジタル音声広告市場の展望
多くの市場関係者が、2024年の米国市場に対して、今後も継続的に成長する見込みであるとしています。AI技術の飛躍的な進歩や個人情報の利用規制が進む中、デジタル音声広告市場がどのように展開していくのか、2024年も目が離せない年となりそうです。
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IABとは
IAB(Interactive Advertising Bureau)は、米国のインターネット広告業界の発展をサポートする非営利の業界団体です。広告基準の開発、業界のリサーチ、教育プログラムの提供を通じて、デジタル広告の効果を最大化し、産業の透明性と成長を促進しています。また、プライバシー、広告技術のイノベーション、広告配信の効率化など、多岐にわたる問題に取り組んでおり、その活動は広告業界において重要な役割を担っています。
参照元:IAB PwC Internet Ad Revenue Report 2024
こうやってみると動画広告と音声広告が、ディスプレイ広告とリスティング広告のシェアを少しずつ奪っていっているんだな〜。