デジタル音声広告関連のサービスを手掛ける米国Triton Digitalが、2023年の米国におけるポッドキャスト聴取の展望とトレンドを調査したレポートを発表しました。ポッドキャスト市場の安定的な成長や、YouTubeでのポッドキャスト聴取が拡大していることが記されています。
YouTubeでのポッドキャスト聴取が拡大
プラットフォーム別の調査では、YouTubeが33.5%を占め、2022年と比較すると6%以上増加しています。Spotifyの24.6%、Apple Podcastの15%が続きます。
米国ポッドキャスト市場自体も安定的に成長
過去1ヶ月のうちに「ポッドキャストを聴いた」と答えた人の割合は40%を超え、2022年と比較すると12%増加しました。
特に、55歳以上の聴取者が22%、女性の聴取者が19%増加し、これまでポッドキャストを聴いていなかった層の聴取率が増加しています。
年齢やリスナー属性で、利用プラットフォームに違いも
35歳未満はSpotifyでの聴取が最も多く、55歳以上はYouTubeでの聴取が最も多くなりました。また、ここ1年でポッドキャストを聴き始めた人の半数近くがYouTubeを利用し、4年以上ポッドキャストを聴き続けている人はApple Podcastをよく利用しています。このことから、新規のリスナーほどYouTubeやSpotifyの利用率が高いことがわかります。
ポッドキャストの聴取に利用しているデバイスは、スマートフォンなどモバイルデバイスで利用率は94%を超えています。
ニュース、トゥルークライム、コメディが人気
ジャンル別では、ニュースが最も人気で32%を占め、18%のトゥルークライム(犯罪ドキュメンタリー)、15%のコメディが続きます。ジャンルによって聴取者層に違いがあり、ニュースは男女問わず広く聴かれ、55歳以上が多くなっています。トゥルークライムは女性が多く、特に35歳未満の女性によく聴かれています。一方でコメディは男性が多く、24歳未満によく聴かれています。
今後もYouTubeでのポッドキャスト聴取が拡大か
今回のレポートでは、米国においてYouTubeでのポッドキャスト聴取が拡大していることが示されました。YouTubeはポッドキャストに注力しており、2024年4月には従来のGoogle Podcastsを廃止してYouTube Musicに機能が移行されています。
Google PodcastsからYouTube Musicへの移行は、2024年6月に日本を含む世界各地で行われる予定です。米国ではYouTubeが主要なポッドキャスト聴取プラットフォームとなっていますが、米国以外においてもYouTubeによるポッドキャスト聴取が一般的になっていく可能性があります。
Triton Digitalとは
Triton Digitalは、米国のアドテク企業で、ラジオ放送、ポッドキャスト、ストリーミングサービスにおけるデジタルオーディオのプラットフォームやソリューションを提供しています。同社はデジタルメディア業界におけるオーディオ体験と広告の向上にも焦点を当てており、放送局や出版社などのクライアントに対して包括的なデジタルメディアソリューションを提供しています。
参照元:Triton Digital U.S. Podcast Report 2023
プラットフォームとしての「YouTubeつよすぎ問題」がポッドキャストでも。