米国のラジオ企業Westwood Oneが、2024年第2四半期の米国における広告付き音声コンテンツ(ラジオやポッドキャスト、ストリーミング)の消費動向に関するレポートを発表しました。同レポートは米国の調査会社エジソンリサーチによる「Share of Ear」調査をもとにしています。
2024年第2四半期の米国の広告付き音声コンテンツの利用実態とは
ポッドキャストの利用率は7年で3倍
18歳以上の米国人の間では、ポッドキャストの利用率は7年前の調査と比べて3倍以上に拡大しています。AM/FMラジオは約10%減少している一方で、ラジオストリーミングは8%から11%に微増しています。
広告付き音声コンテンツはラジオが優位?
ポッドキャストの利用が拡大する一方で、広告付き音声コンテンツの聴取時間においてはAM/FMラジオが約70%を占め、ポッドキャストは約20%という結果になっています。
また、車内での広告付き音声コンテンツの聴取時間ではAM/FMラジオが86%と、ポッドキャストを含め他の媒体を圧倒する結果となっています。
Spotifyは過大評価されている?
調査では、広告主や企業がSpotifyを過大評価しており、Spotify利用者の広告聴取時間は広告主や企業の予想よりもはるかに下回っているという結果が示されています。一方で、ラジオは広告主や企業から過小評価されており、ラジオ利用者の広告聴取時間は高いという結果になっています。
Pandoraの凋落
今回の調査で強調されたのは、AM/FMラジオとポッドキャストの競争の陰で、米国で展開されている音楽聴取サービスでSpotifyなどの競合でもある「Pandora」の利用率が激減している点です。Pandoraはかつて音声聴取プラットフォームとしては米国でトップクラスの利用率を誇っていましたが、2012年から利用率が減少し始めました。
2017年と2024年の年代別のPandoraでの広告聴取時間の割合を比べると、65歳以上を除くすべての年代で50%から80%近く減少しています。
今回の調査では、ポッドキャストと比べてラジオの優位性が強調される結果となりました。これは2023年第4四半期の調査とも同様の結果となっています。ただし、本調査はあくまで米国市場を対象にしたものであり、必ずしも日本市場に当てはまることではないことに注意が必要です。
Share of Earとは
「Share of Ear」とは、米国の調査会社エジソンリサーチが実施している、アメリカ合衆国における音声消費の全体像を把握するための研究プロジェクトです。ラジオ、テレビ、ポッドキャスト、オーディオブック、音楽ストリーミングサービスなど、様々な音声メディアの利用状況が含まれています。本研究は、人々がメディアの利用動向を理解し、音声メディア市場の現状や変化を捉えるのに役立てられています。
調査主体のWestwood Oneは「ラジオ系企業」だから、このレポートはそのへんは理解したうえで読み進める必要あり。