音声編集ソフトウェアの開発などを行うiZotopeが新製品「Voice Enhancement Assistant (VEA)」を発表しました。この製品はAIを活用した音声処理ツールで、ポッドキャスター等のコンテンツ制作者を対象に、音声の品質向上を支援することを目的としているとのことです。
専門的知識がなくても扱える音声編集ツール
ここ数年、ポッドキャストのような音声コンテンツ制作は急速な成長を見せています。しかし、高品質の音声コンテンツを制作するには、技術的な知識や専門的なオーディオ機材が必要であり、これが多くのクリエイターにとっての障壁となっていました。VEAはそういった背景を受けて技術や専門知識が限られているユーザーでも、簡単にプロフェッショナルな音質のコンテンツを制作できるように開発されています。この製品ではAI技術を駆使することで、ユーザーが行うべき処理を自動的に分析、実行し、音声の品質を向上させることが出来るようになるとのことです。
わずか3つのパラメーター操作で音声処理が可能に
VEAは入力される音声信号を分析し、それに応じた処理を実行します。ユーザーはノイズをコントロールする「Clean」、声質調整を行うための「Shape」、ダイナミクスのコントロールを行うための「Boost」という3つのパラメーターを操作するだけで、どの程度の処理を適用するかを決めることが出来ます。また、動作環境としては、主要なDAW(Logic、Ableton、Cubase)のほか、アドビのAuditionやPremiere上で、プラグインソフトとして動作するとのことです。
駆け出しの音声クリエイターにおすすめ
音声コンテンツの制作は、録音や編集などの専門的な知識がないと難しいケースが多々あります。特に音声の品質処理についてはイコライザーやコンプレッサーの様々なパラメーターを正確に処理する技術が求められます。しかしこのVEAはそういった処理を簡略化し直感的に編集を行えるようになっています。もちろんプロ向けのソフトのように細かい調整ができないというデメリットはありますが、このソフトは現在29ドル(日本では4200円)という手ごろな価格帯で販売されているということもあり、駆け出しの音声クリエイターにとってはかなり勝手の良いソフトといえるのではないでしょうか。
iZotopeとは
iZotopeはオーディオ技術の分野で知られるアメリカの企業で、主に音楽制作、オーディオ修復、ポストプロダクションなどのためのソフトウェアを開発しています。特に、同社のノイズリダクションとオーディオ修正ツールは業界で高く評価されています。iZotopeの製品は、プロの音楽プロデューサーからポッドキャスト制作者まで、幅広いユーザーに利用されています。
参照元:Native Instruments Releases iZotope VEA - the voice enhancement assistant DAW plugin
「DAWユーザー、1回プラグイン買うと違うのも欲しくなって中毒状態になりがち説」を検証したい。