【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは


本記事は、博報堂DYメディアパートナーズとオトナルにより共同で7月に開催されたウェビナー「音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは」のレポートです。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

ポッドキャストを活用したマーケティング成功事例を学べるウェビナー

○イベント内容
音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは
URL:https://otonal.co.jp/webinar/38044

○プログラム
・第1部 国内外におけるポッドキャスト市場の動向(オトナル)
・第2部 企業ブランディングのためのポッドキャスト活用方法(博報堂DYメディアパートナーズ)
・第3部 マーケティングにおけるポッドキャストの役割と広告効果(オトナル)

○登壇者
小泉 憲太 氏(株式会社博報堂DYメディアパートナーズ)
八木 太亮(株式会社オトナル)

ポッドキャスト広告市場はここ数年、世界で急速に拡大しています。米国におけるポッドキャストの広告市場は、2023年に前年比+5%の19.25億ドル(約3,033億円 ※)となり、2026年には約25.62億ドル(約4,036億円)まで伸びると予想されています。

既に日本国内でも、ポッドキャストを始める企業やメディアが増えています。とはいえ現状は、ポッドキャストのノウハウが共有されているとは言い難いため、「そもそもポッドキャストの特徴は何か?」「何から始めれば良いか分からない」といった悩みを抱えているマーケティング担当者も多いのではないでしょうか?

今回のウェビナーでは、博報堂DYメディアパートナーズのテレビラジオビジネス局ラジオアカウント推進部でデジタル音声推進に取り組んでいる小泉憲太氏に登壇いただき、「『ながら時間』にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは」をテーマに、国内のポッドキャスト事例や活用方法について紹介します。

オトナルからは代表の八木が登壇し、ポッドキャストの市場動向や配信の仕組み、広告の種類・効果について解説します。今後のデジタルマーケティング施策の参考にしてください。

国内外におけるポッドキャスト市場の動向(オトナル)

ポッドキャストとは何か?

ポッドキャストとは、「mp3」などの音声ファイルをインターネット上で公開し、音声配信を行うインターネットラジオのことです。「RSSフィード」という仕組みを利用することによって、Apple PodcastやSpotifyなど、複数のアプリやプラットフォームで音声ファイルを再生できるようになります。最近ではYouTubeもポッドキャストに本格的に参入し、これまで以上にポッドキャスト市場の拡大が進んでいくことが予想されます。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

グローバルでブランデッドポッドキャストが増加傾向

企業が運営するポッドキャストを「ブランデッドポッドキャスト」といいます。

ブランデッドポッドキャストの数は年々増加しており、2021年は全世界で8,000番組以上が運営されていると明らかになっています。

日本国内でも近年、大手企業や話題のサービスが、商品・サービス認知向上やブランディングのためにポッドキャストを活用する事例が増えてきました。

例えば、ファンマーケティングが強い「北欧、暮らしの道具店」(クラシコム株式会社)、ブランドメッセージが明確なパタゴニア。そして2024年には、日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車株式会社がポッドキャストを開始しています。

  • 北欧、暮らしの道具店『チャポンと行こう!』を聴くにはコチラから
  • パタゴニア『Patagonia Radio』を聴くにはコチラから
  • TOYOTA『トヨタイムズ』を聴くにはコチラから

ポッドキャストは若年層に利用されているメディア

オトナルが朝日新聞社と共同で実施した「ポッドキャスト国内利用実態調査」では、Z世代の3割近くが毎月ポッドキャストを利用していると明らかになりました。全年代利用率もTikTokと同等の数値(15.7%)を記録しています。

オトナル、朝日新聞社と共同で「ポッドキャスト国内利用実態調査」の結果を公開。全年代利用率はTikTokと同等に

ポッドキャストの利用において特徴的なのが「ながら聴き」です。

調査では、家事中/運転中/移動中など、生活における様々なシーンでポッドキャストが浸透していることも分かりました。視覚系メディアではリーチできないシチュエーションで、ポッドキャストを活用したマーケティング施策に注目が集まっています。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

企業ブランディングのためのポッドキャスト活用方法(博報堂DYメディアパートナーズ)

続いて、博報堂DYメディアパートナーズの小泉憲太氏が登壇し、企業ブランディングのためのポッドキャスト活用方法について紹介しました。

小泉氏は、「企業ブランディングのためのポッドキャスト活用法は、ブランデッドポッドキャストとポッドキャストアドの2種類に分けられる」といいます。

ポッドキャスト活用方法①ブランデッドポッドキャスト

企業や商品・サービスなどのブランドメッセージをコンテンツ化して配信する「ブランデッドポッドキャスト」では、主に広告主のオリジナルポッドキャスト番組を制作します。

TOKYO FMをキーとするJFN全国38局ネットで放送している『NISSAN あ、安部礼司 ~ BEYOND THE AVERAGE ~』では、ラジオ放送のアーカイブだけでなく、スピンオフエピソードをポッドキャストで制作・配信。ラジオリスナーのエンゲージメント強化に加え、ポッドキャストをきっかけにした新規リスナーの開拓にも寄与しています。

ポッドキャストは、

  • 94%のリスナーがながら聴き。ながら聴きがブランドのエンゲージメントを高めることができる(英BBC調査より)
  • ポッドキャスト広告はディスプレイ広告より4.4倍のブランド認知性能がある(MIDROLL調査より)

という効果が期待されています。

20年近く放送され、日産自動車株式会社のブランディングに貢献してきたラジオ番組。ブランデッドポッドキャストに取り組んだことで、「ラジオ→ポッドキャスト」または「ポッドキャスト→ラジオ」といった相乗効果が生まれたといいます。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

ポッドキャスト活用方法②ポッドキャストアド

もうひとつのポッドキャスト活用方法は「ポッドキャストアド」です。ラジオ局やテレビ局、新聞社などの各パブリッシャーが制作したポッドキャストコンテンツの再生前後に広告を配信、広告主のメッセージを伝達する手法です。

小泉氏はポッドキャストアドが選ばれる理由として、

  • デバイスを目視していないタイミング(朝の支度中、仕事中、運動中)で広告配信ができる
  • ポッドキャストリスナーは若年層が多い。Z世代へアプローチできるメディアとして期待されている

という2点を挙げました。

ポッドキャストアドを出稿する際は、「ファンダム」と「シーン」を意識することが大事だと語る小泉氏。パーソナリティ(ポッドキャスター)のもとに熱量の高いファンが集うことで形成されるコミュニティ「ファンダム」。そして生活の中で、どの「シーン」にどんな広告を配信すれば良いかを意識することで、ポッドキャストアドの効果を飛躍的に高められるといいます。

先ほど紹介した『NISSAN あ、安部礼司 ~ BEYOND THE AVERAGE ~』でも、番組宣伝におけるポッドキャストアドを実施しました。平日には日常生活のメッセージを、休日には週末の余暇を意識したメッセージを発信。リスナーに広告を「自分ごと化」してもらうようなクリエイティブを発信しました。

結果的に全体CVRは2.9%と高数値を記録。ラジオ放送のプロモーションだけでは獲得することができなかった若年層の新規リスナーの獲得として、一定の成果をあげたと評価しています。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

マーケティングにおけるポッドキャストの役割と広告効果(オトナル)

ウェビナーの後半では、マーケティングにおけるポッドキャストの役割と広告効果について、オトナル八木より解説しました。

耳の可処分時間

近年、可処分所得に倣った「可処分時間」という考え方が注目されています。睡眠や食事、仕事など生活に不可欠な時間を差し引いた、個人が自由に使える時間を指す言葉です。これらの時間をいかに企業のために使ってもらえるかがマーケティング担当者の腕の見せどころといえるでしょう。

その中で注目されているのが、「耳」の可処分時間。「視覚」の可処分時間はテレビやゲーム、アウトドアなど様々なシーンで埋められつつある一方で、耳の可処分時間には広告を届ける余地があると考えられています。

例えばランニング中。走っている間に動画を観ることはできませんが、周囲に配慮した形で音声コンテンツに触れることは可能です。同様に、家事や育児、通勤中など、視覚の可処分時間“以外”のシーンにおいて、音声広告は消費者にリーチできるのです。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

動画よりも、「音声だけ」の方がメッセージが伝わる

「音声は動画広告から『映像』をなくしたもの」。そんな誤解を時々耳にすることがあります。しかし実際は、動画よりも「音声だけ」の方がメッセージが伝わりやすいというデータがあります。

オーストラリアの研究機関・NeuroLabの調査レポートによると、「映像+音声」と「音声だけ」の比較をした場合、被験者は「音声だけ」の方がメッセージを確実に理解することができたそうです。動画の場合、ビジュアル(映像)に気を取られて注意が散漫になってしまうのかもしれません。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

ホストリード広告の可能性

特にアメリカのポッドキャスト広告市場では、アナウンサーやパーソナリティが読み上げる「ホストリード広告」の有効性が知られています。

米国の調査会社ニールセンによると、「ホストリード広告は、ホストリードではない音声広告と比較して、購買意向などの広告効果が 50%以上高くなる」ことが示されています。特に、普段から聴いているポッドキャスト番組のパーソナリティには親近感や信頼感を寄せているため、影響力も強くなる傾向にあるようです。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

「他メディアに比べて、音声広告が高いアテンション性能を有している」など、様々な特徴がある音声広告。八木は、「デジタル音声広告の位置付けはミッドファネル」だといいます。調査結果が出ています。

認知拡大はテレビやラジオ、新聞などのメディアが強く、顧客獲得は検索広告やリターゲティング広告が有効です。音声広告は、中間の興味・関心を喚起する効果が高く、「商品・サービスの内容を正しく理解してほしい」というニーズに応えられます。

【ウェビナーレポート】音声領域に企業が続々参入!?「ながら時間」にリーチできるポッドキャスト広告の効果とは

音声広告の特徴を理解した上で広告施策を講じることが、これからのデジタルマーケティングには必要だといえるでしょう。

ポッドキャスト広告に関心のある方は、ぜひオトナルまでご連絡ください。

 

オトナル問い合わせ
https://otonal.co.jp/contact


AMI(エイミー)

最近のお気に入りの「ながら時間」はジオラマづくり。

マーケター必見。音声メディアほか、24媒体の調査レポート
『第4回ポッドキャスト国内利用実態調査』をチェック!

第4回ポッドキャスト国内利用実態調査 第4回ポッドキャスト国内利用実態調査 第4回ポッドキャスト国内利用実態調査

10,000人に対する調査結果を、
全41ページの資料にまとめています。

無料で資料をダウンロードダウンロード アイコン
このエントリーをはてなブックマークに追加

このエントリーをはてなブックマークに追加