英国労働党の党首で、今年7月に新首相となったキア・スターマーは、前保守党政権下で廃止される動きが出ていた英国の公共放送局BBCの受信料を維持すると表明しました。
これまでのBBCの受信料廃止の動き
公共放送のBBCはテレビを視聴する家庭に年間169.50ポンドの受信料を課しており、この受信料によってBBCやその系列局は年間3.2億ポンドの資金を獲得しています。しかし、受信料を支払う家庭の減少や、他国でのテレビ受信料を廃止する動きを受けて、前保守党政権は過去14年間にわたりBBCの受信料収入を減少させ、2027年には完全廃止を目指していました。
番組の削減など苦しい状況が続いたBBC
BBCは2年間の受信料停止とその後の資金調達についての合意を行いましたが、保守党は昨年12月にこの計画を破棄しました。このため、BBCは年間5億ポンドの資金節約に迫られ、番組の大幅な削減などを余儀なくされていました。
受信料継続が意味するもの
今回の政権交代によって、長年保守党政権によって厳しい資金削減を迫られていたBBCの状況は大きく変化する可能性があります。スターマー新首相の意向はBBCの未来を安定させ、さらに質の高い番組を提供する礎になると歓迎される動きもみられます。一方で受信料継続は、英国民への継続的な負担を意味しており、公共放送としてのBBCの在り方が問われるところとなっています。
BBCとは
BBC(British Broadcasting Corporation)は、英国の公共放送局であり、1922年に設立されました。テレビ、ラジオ、オンラインを通じて多様な番組を提供し、ニュース、エンターテインメント、ドキュメンタリー、教育番組など幅広いコンテンツを制作しています。BBCは視聴者からの受信料で運営されており、商業広告を一切放送しないことが特徴です。その中立的かつ高品質な報道と番組制作で世界的に評価されており、英国文化の重要な一部となっています。また、国際サービスであるBBCワールドサービスを通じて、英語を含む複数の言語でニュースと情報を提供しています。
参照元:Keir Starmer commits to keeping BBC licence fee after years of Tory hostility
たとえば、日本のNHKが受診料をなくそうとしたらメチャクチャ大変だろうからなあ...。