[科学で考えるソニックマーケティング]第15回:「アンセム」って何?本当にそこまで必要なの?


※本記事は、タクト株式会社のnote「ソニック・アーキテクト(音の総合建築家) ー タクト株式会社」からの転載記事です。

[科学で考えるソニックマーケティング]第15回:「アンセム」って何?本当にそこまで必要なの?

さて、前回の投稿では「音声広告制作のゴールデン・ルール」をご紹介しました。

「まずは何はさておき、すべての音声コンテンツ制作のための指針やルールやガイドラインとなるソニック・アンセム(メロディ、あるいは曲)を科学的に制作・作曲し、企業理念やメッセージを音を通じても発信する。それから初めて個別のソニック・ロゴや音声コンテンツや広告等をソニック・アンセムと同期させつつ、周波数分析をかけながら制作していく。」

これが、前回の肝となる部分のおさらいです。

では、ソニック・アンセムって一体何でしょうか?

音やメロディで企業理念を表現

「アンセム」と言うと、一般的には「ナショナル・アンセム=国歌」という意味合いを思い浮かべる事が多いかと思います。国における国歌と同様、企業における「音の基礎」がソニック・アンセムです。ですから、ソニック・アンセムは「たゆまぬ企業理念やメッセージを表現するメロディ、あるいは曲」と考えられます。

音やメロディで企業理念を表現・・・?

そんなことできるんでしょうか?はい、できます。感覚的なものじゃないですよ。

ソニック・アンセムの制作過程

  1. 御社の変わらぬ企業理念は何ですか?ソニック・アーキテクトがサウンド化する単語、言葉、表現を確認します。
  2. ソニック・アーキテクトが本当に伝えたい概念をスクリーニングし、聞き取り結果を文書化します。
  3. ソニック・アーキテクトがサウンド制作の仕様書を作成します。サウンドの速さ、拍子の設定、音域、周波数帯、振幅などは、企業理念やサウンド化する単語を表現するため、すべて音楽学・心理学・行動分析・認知行動・音響心理・音楽心理・表現学などの科学に基づき作成されます
  4. クリエーターがサウンドを制作します。

ソニック・アンセムはどこで使うの?

出来上がったソニック・アンセムは曲、あるいは長いメロディーです。どのようなシーンで使ったら効果的でしょうか?店舗BGM、本社受付、製品発表会、ショールーム、展示会、お客様相談室のお電話の保留音、株主総会など、「音で企業理念を発信したいシーン」で使うのが良いでしょう。

[科学で考えるソニックマーケティング]第15回:「アンセム」って何?本当にそこまで必要なの?

引用元:第36回:「アンセム」って何?本当にそこまで必要なの?

その後、ソニックロゴを制作しましょう

更に、個別の製品宣伝で使うソニック・ロゴなどにおいては、顧客に伝えたいメッセージや価値観を別途詳細に言葉化する必要があるかもしれません。正しいメッセージを発するソニック・ロゴを制作するためには、サウンドと合致した言語表現をもう一度、ソニック・アーキテクトとともに確認しましょう。

顧客に伝えたい表現・メッセージとサウンドが横断的に統一され、マッチされている必要があります。その後の流れは、ソニック・アンセム同様、ソニック・アーキテクトが仕様書を制作し、クリエーターがサウンドを作曲します。このようにして制作するものには、コマーシャルや動画広告などで使われるソニック・ロゴの他にATMやボイスショッピングの音声、カーナビの音声などの派生メロディ・音声コンテンツがありますね。

ちなみにどなたもご存じな超有名ソニック・ロゴと言えば・・

ソニック・アンセムとソニック・ロゴの連動が重要

しかしなぜ、ソニック・アンセムの制作がそんなに大切なのでしょうか?インテルのソニック・ロゴはみんな知っているのだから、アンセムがなくてもソニック・ロゴだけあれば良いじゃない?

あるいは、流行りのグループの曲を使った方が視聴者の注目度は上がるんじゃないでしょうか?

いいえ、そんなことはないのです。ソニック・アンセム=企業理念があり、ソニック・アンセムと連動したソニック・ロゴのバリエーションは、「ほんの数秒、ひと聞き」で視聴者の胸いっぱいに御社の企業理念を広がらせ、御社と切っても切り離せない連想を生み出し、それが永続的に続くのです。次回、実例をご紹介しましょう。

そう、あの「夢の国」です。でも、これは「夢の国」だからできていることではないのです。すべての企業が視聴者にかけることのできる「魔法」なのです。次回、「夢の国」を「夢の国」たらしめる魔法のアンセムを徹底解説します。

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本記事はタクト株式会社のnoteからの転載記事です。
「ソニック・アーキテクト(音の総合建築家) ー タクト株式会社」から全ての記事を読むことができます。

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タクト株式会社 代表取締役社長であり、音楽芸術博士であるミテイラー千穂氏の著書『サウンドパワー わたしたちは、いつのまにか「音」に誘導されている!?』では、「音」と私たちの生活の様々な繋がりや、ビジネスをアップデートするための「サウンド」の重要性などが語られています。

マクドナルドのソニック・ブランディング「i'm lovin' it」から低周波音による健康被害、音による味覚の変化まで、日常のあらゆる場面で音が私たちに与える影響などを具体例を交えて紹介されています。


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