デジタル音声市場のリーディングカンパニーであるオトナルが、国内外の音声の効果と動向レポートをまとめた「音声マーケティング最前線2024」を昨年に引き続き公開しました。
同レポートでは、音声コンテンツとデジタル音声広告市場の堅実な成長がまとめられています。
1. 米国で成長を続ける音声広告市場
まず、ポッドキャストの中心地ともいえるアメリカでは、昨年に引き続きデジタル音声広告市場の堅調な成長が見られました。2023年の媒体収入は前年比18%増の70億ドルです。
また、インターネット広告におけるジャンル別の成長率では、音声広告が3年連続で1位となりました。特に2023年のデータでは、動画広告やバナー広告の成長が鈍化している一方で、音声広告が高い成長率を維持していることが分かります。
この調査を実施したIABのレポートによると、米国ではバナー広告とリスティング広告の市場シェアが減少している一方で、音声広告の市場シェアは毎年増加しています。
2. 「動画」よりも生理学的に伝わる「音声」
音声広告が選ばれている要因のひとつに、「メッセージがより伝わる」という音声の特徴があります。
オーストラリアで行われた研究によると、「I Have a Dream」の一節で知られるキング牧師の演説を「映像+音声」で見せた場合と「音声だけ」で聴かせた場合だと、「音声だけ」の場合の方がメッセージに集中してより伝わるという結果が出ています。radikoなどが行った実験においても、動画広告よりも音声広告のほうが記憶維持率が高いという結果が示されました。
つまり、音声広告を用いることによって伝えたいメッセージをしっかりと伝えることができると言えます。
3. 「ながら時間」にリーチできる音声メディア
また、音声のもうひとつの特性として、視覚情報に頼らないため「ながら時間」にリーチできるという点があります。運転中など、動画やSNSなどに触れることができない時間を利用して生活者へアプローチすることができます。
4. 日本のポッドキャストユーザーの属性
オトナルが実施した「第4回ポッドキャスト国内利用実態調査」によると、日本の月間ポッドキャスト利用率は15.7%となりました、また、10代や20代の利用率が特に高く、若年層がよく利用していることが分かります。
可処分所得が多いポッドキャストユーザー
ポッドキャストユーザーの特徴として、全般的に年収が高く、可処分所得が多い傾向があります。特に、年収300万円以上の全てのレンジにおいてポッドキャストユーザーが非ユーザーを上回っています。
全年代でTikTokやNetflixを上回る利用率
複数メディアとの利用率を比較したところ、ポッドキャストの利用率は全年代だとTikTokやNetflixを上回ります。15歳から29歳の若年層に絞ったところ、TikTokにはわずかに届かないもののラジオやFacebookを上回るという結果になっています。
5. ブランデッドポッドキャストが世界的に増加
企業の音声コンテンツの活用として、企業が運営するブランデッドポッドキャストが世界的に増加しています。特に2020年から2021年には2倍近く増加して8,000番組以上となっています。
日本国内でも広がるブランデッドポッドキャスト
日本国内においてもブランデッドポッドキャストが増加しています。画像に挙げられている番組のほかにも、学術機関である早稲田大学や九州大学など、企業に限らず様々な組織・団体がブランデッドポッドキャストを開始しています。
ブランデッドポッドキャストの高いエンゲージメント性能
BBCが2019年に行った調査によると、ブランデッドポッドキャストはテレビCMよりも企業ブランドに対する記憶、エンゲージメント、感情強度が高く現れることが示されています。
今後も成長が続くデジタル音声広告市場
今回のレポートにまとまっているように、デジタル音声広告市場は堅実な成長を遂げ、今後もさらなる成長が予測されています。この記事で紹介した内容の他にも『音声マーケティング最前線2024』では全42ページにわたり最新の音声コンテンツ・デジタル音声広告市場の効果や動向のレポートが掲載されています。【市場レポート】音声マーケティング最前線2024のダウンロードはこちらからどうぞ。
『音声マーケティング最前線2024』の特徴
『音声マーケティング最前線2024』は、オトナルが第1弾である2023年に引き続いて作成した国内外の音声の効果と動向をまとめたレポートです。デジタル音声市場は国内外において毎年堅実な成長を遂げており、日本国内市場でも2025年には420億円規模になると予想されています。レポートでは全42ページにわたり国内外のデジタル音声市場の最新レポートが紹介されています。
生成AIが話題だけど、音声広告市場も粛々と成長ししてるよ。