Spotifyは、同社初のハードウェアサービスだった車載デバイス「Car Thing」を2024年12月9日に終了すると発表しました。2021年4月に発表されたCar Thingは、2022年7月の生産終了後もサービスは続けられていましたが、今年の年末で完全終了となる模様です。
製品提供の合理化のため終了
Car Thingは車載スピーカーでSpotifyを利用できるデバイスです。タッチスクリーンと音声認識でSpotifyを操作することができ、同社にとっては初めてのハードウェアでした。
Car Thingの生産は2022年7月をもってすでに終了していましたが、2024年12月9日をもってサービスも終了し、利用できなくなります。SpotifyはCar Thing終了の理由を、「製品提供の合理化のための継続的な取り組みの一環」と説明しています。
代替デバイスのリリース予定はなし
同社はCar Thingの代替デバイスをリリースする予定はないと発表しており、デバイスはリセットしたうえで廃棄することを推奨しています。また、下取りは行わないものの、返金を希望する場合はカスタマーサポートに連絡するよう促しています。
なお、Car Thingのサービスは終了しましたが、Spotify ConnectやBluetooth接続、AppleのCarPlayなどを用いることで、これからも車内でSpotifyを利用することができます。
運転中の音声需要は拡大
Car ThingはSpotify初のハードウェアとして登場しましたが、発売当初より存在感を示すことができませんでした。とはいえ運転中の音声需要は拡大しており、Spotifyに接続できるナビやデバイスを搭載している自動車は増えています。
運転中などの「耳の可処分時間」は、かつてはラジオ放送が独占していました。しかし現在では、音楽ストリーミングやポッドキャスト、オーディオブックといった様々なメディアが台頭しつつあります。自動車での移動シーンに特化したポッドキャストアプリも登場するなかで、今後どのような取り組みが見られるか注目されます。
Spotifyとは
Spotifyは2008年にサービス開始したスウェーデン発の音楽ストリーミングサービスです。ユーザーには数千万曲をオンデマンドで聴く機会を提供し、無料プランでは広告が含まれ、有料のプレミアムプランでは広告なしで高音質の楽曲を楽しむことができます。ポッドキャストやオーディオブックのコンテンツも充実しており、パーソナライズされたプレイリストや音楽発見の機能を通じて、世界中のユーザーに新しい音楽体験を提供しています。
運転中は音声を聴いてないと眠くなるという問題もある。特に高速道路。