電通グループが「2024年 日本の広告費」を分析解説。インターネット広告は前年比9.6%増の3兆6,517億円に


電通グループのデジタル領域を担う4社(CCI、電通、電通デジタル、セプテーニ)は、電通が2025年2月末に発表した「2024年 日本の広告費」のデータを基に、インターネット広告媒体費の動向を詳しく分析したレポートを公開しました。

2025年の広告費はどうなる?電通グループが「2024年 日本の広告費」を分析&解説

引用元:2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

2024年の日本の広告市場の動向

2024年の日本の総広告費は前年比4.9%増の7兆6,730億円となり、4年連続で成長を記録しました。特にインターネット広告費は前年比9.6%増の3兆6,517億円に達し、広告市場全体の47.6%を占めるまで拡大しています。

インターネット広告費の中でも、制作費やECプラットフォーム広告を除いたインターネット広告媒体費は前年比10.2%増の2兆9,611億円となり、市場の中心を担う存在となっています。

インターネット広告市場の主要成長分野

2024年のインターネット広告市場は、企業のデジタルシフトの加速に伴い、さらなる成長を遂げました。特に、動画広告やソーシャル広告が市場を牽引し、広告主の関心が高まっています。

動画広告が最大の成長率

2025年の広告費はどうなる?電通グループが「2024年 日本の広告費」を分析&解説

引用元:2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

2024年の広告種別の中で最も高い成長率を記録したのは動画広告で、前年比123.0%の8,439億円に達しました。動画広告の内訳を見ると、

  • インストリーム広告(動画再生中に表示):4,260億円
  • アウトストリーム広告(記事やフィード上に表示):4,178億円

と、ほぼ同等のシェアを占めています。縦型ショート動画の普及やコネクテッドTVの拡大により、企業のマーケティング活動において動画広告の活用が急速に進んでいます。

ソーシャル広告が1兆円突破

2025年の広告費はどうなる?電通グループが「2024年 日本の広告費」を分析&解説

引用元:2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

ソーシャルメディア広告の成長も著しく、前年比113.1%の1兆1,008億円となり、推定開始以来初めて1兆円を突破しました。インターネット広告媒体費に占める構成比は37.2%と、SNSを活用した広告の重要性が増しています。

ソーシャル広告の内訳は以下の通りです。

  • SNS系広告:4,550億円
  • 動画共有プラットフォーム広告:4,054億円
  • その他(ブログや掲示板など):2,404億円

特に、SNS系広告の成長が顕著であり、動画共有プラットフォーム広告を上回る割合を占めています。企業のプロモーション戦略では、SNS上での広告展開がより重要な要素となりつつあります。

検索連動型広告が最大シェアを維持

検索連動型広告は前年比111.2%の1兆1,931億円を記録し、依然としてインターネット広告市場で最大のシェア(40.3%)を占めています。検索結果と連動した広告表示の需要は高く、企業の広告投資において重要な位置を維持しています。

広告取引手法は運用型広告が主流に

2025年の広告費はどうなる?電通グループが「2024年 日本の広告費」を分析&解説

引用元:2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

広告取引の手法別では、運用型広告が前年比111.1%の2兆6,095億円に達し、インターネット広告媒体費全体の88.1%を占めるまでに成長。予約型広告は前年比105.4%の2,789億円と堅調に推移し、ブランド広告やタイアップ広告の需要が依然として高いことを示しています。

一方、成果報酬型広告は前年比99.3%の727億円となり、わずかに減少しました。この減少の背景には、広告主が短期間での効果を求める傾向が強まり、他の広告手法へシフトしていることが考えられます。

2025年の広告市場予測

電通グループの予測によると、2025年のインターネット広告媒体費は前年比109.7%の3兆2,472億円に達すると見込まれています。デジタル広告市場の拡大は続き、特に動画広告が成長を牽引すると予測されています。

動画広告は前年比114.7%の9,677億円に達し、ショート動画やコネクテッドTV(CTV)向けの広告市場が急速に拡大すると考えられています。企業はターゲットユーザーの視聴行動に基づいたパーソナライズ広告の活用を進め、より効果的なアプローチを模索する必要があります。

 

2025年の広告費はどうなる?電通グループが「2024年 日本の広告費」を分析&解説

引用元:2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

今後、単なる動画広告の配信だけでなく、インタラクティブ要素の強化やターゲティング精度の向上が求められます。広告フォーマットの多様化が進むなか、データ活用による最適なクリエイティブ戦略が重要な鍵となるでしょう。

インターネット広告媒体費とは

インターネット広告媒体費は、インターネット上で広告を掲載するために支払われる費用の総称で、広告の制作費や運用費を除いた、広告枠そのものの購入費を指します。主なカテゴリには、検索連動型広告、ディスプレイ広告、動画広告、ソーシャルメディア広告などが含まれます。広告主がプラットフォームや媒体に支払う金額であり、デジタル広告市場の成長指標として重要視される数値です。

参照元:2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析


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